第164話 明けぬ夜はないのだと
神器の開放。人の手に余る神の強大な力を開放する、勇者の最終奥義。
蒼光りする純黒の槍斧が鈍い輝きを放つ。
「あー、むかつく。ほんとに。なんで僕の邪魔するかなぁ」
ガブリエルの周囲に発生する水の玉。1つ2つ、3つ4つと。浮遊する水球が増えていく。
「死ねばいんだ。みんなみんな、僕の邪魔する奴は死ねばいんだッ!!」
ガブリエルの怒声に呼応し、水弾が弾かれるようにバロルとアリシアへ発射された。
「―――加重力四千倍」
「――――――っ!?」
バロルが重力の力場を展開した。飛翔する水弾全弾が地面にメリ込み、続いてガブリエルが地に膝をつく。
あまりにも強大すぎる加重に地盤が凹んでいく。陥没し始める。
「こんなものか? 大地神の力は?」
だがガブリエルは立ち上がった。
「加重力一万倍」
バロルが更に加重を増すが、ガブリエルは平気な顔で笑って見せる。
「こんなものじゃ僕は殺せない。僕を止められない!!」
ガブリエルは左足を踏み込み右手を振った。水の弾丸がバロルの頬を切った。
次は当てる、と。
痩せ我慢などではない。いくら加重を増加させたところで、ガブリエルの動きを止めることで精一杯だ。
フィーナは魔力が枯渇し、アリシアは死にかけている。
バロル1人で何ができようか。
他の天使が相手ならば、重力で押し潰すことができたかもしれないが、ガブリエルは別だ。ガブリエルの身体だけは他と造りが違う。
残念ながら形のないガブリエルとバロルでは相性最悪だ。
バロルに勝ち目はない、はずだった。
「惑星は基本、全て重力を帯びている」
「は?」
「この星も然り。かかる重力の大きさは惑星のサイズに比例する」
「いやだから何?」
「重力と重力が重なり合ったとき、惑星と惑星は互いに引かれ合う。しかしそこに第三の惑星が近づいたとき更に加重が加わる。その繰り返しが起こるとどうなるか、貴様は知っているか?」
「いや別に知らなくていいんだけど。てか聞いてないんだけど」
「加重がひしめき互いを飲もうとするその中心。つまり加重と加重が重なり合う中心の加重がどれくらいか、知っているか?」
「だから、そんなことは……!!」
「そしてその結果、何が生まれるか知っているか?」
そんなことはどうでもいい!! とキレかけたガブリエルが固まった。
「全てを飲み込む黒い獣が生まれるのだ」
バロルが何を言おうとしているのか。何を生み出そうとしているのか。
今の説明から成される答えを、ガブリエルは知っていた。
「ま、さか……」
脳を支配する最悪の想像。
身体を震え上がらせる絶望の象徴。
その傍らで、また一際加重が増す。
ガブリエルの額に玉の汗が浮かんでいく。
「ソレは計らずも大地神ガイアが産み出してしまった厄災だ。ただ飢えを満たすがために全てを喰らう理性の欠落した獣である」
「待て、待てまてまてまてまてッ!!?」
さらに加重は積み重なる。
加重と加重とが重なり織り成されたとき何が起こるのか。何が現れるのか。
「冥土の土産に見せてやろうガブリエル。かつて神さえも喰らった黒き獣をな」
「やめろ、やめろ魔王ッ!!」
ガブリエルが叫ぶ。しかし、
「―――もう遅い」
バロルの指差す先。ガブリエルの背後で『ピシッ』と空間がひび割れた。
積み重なる加重に空間自体が限界を迎えたのだ。
「『―――クゥン?」』
空間の狭間から、世界の理の一旦が姿を現した。
「「―――――ッ!!!?」」
バロルが苦笑し、ガブリエルは戦慄した。
フィーナとアリシアは見た。
空間の裂け目から現れる黒い子犬を。
ソレが何か、知識のないアリシアとフィーナにはわからない。
だが、本能が叫んでいる。
ソレは別物だと。
その異質さに怖気がはしる。
その規格外さに鳥肌が止まらない。
まるで世界の闇を圧縮し凝縮させ形を成したかのような超常。
にも関わらず何も感じられない。
呼吸を忘れ、自身の存在を忘れ、ただ魅入る。
見ているだけで飲まれそうなほど濃厚な深淵を。
世界で最も深い深黒を。
神でさえ手出しすることができなかった世界の理の一旦。ガブリエルの主、唯一神でさえ飼い慣らすことのできなかった厄災。
ソレは神獣クロと呼ばれている。
別名を『神喰らい』。
神さえ屠る、世界の法則だ。
『「――――クゥン!』」
不思議そうな鳴き声。傾けた神獣の首が、ぐるりと渦を巻き。
直後、空間が軋んだ。いや空間に穴が発生した。
直径1メートル程度の穴だった。
それだけで、十分だった。
途方もない引力が、黒穴から発せられた。
バキバキバキッ、ミチミチミチッ、と。
穴に街が吸い込まれていく。
瓦礫も土も水も死骸も何もかもが、空間の狭間に―――ブラック・ホールに吸い込まれていく。
「――――くそ、馬鹿がッ!!」
ガブリエルが怒声を上げ、両手を黒穴に向けた。瞬時に掌に生成される10本の水槍。ガブリエルはその全てを黒穴に発射した。そして10本の槍が黒穴に飲まれて消滅した。
「――――っ!?」
ガブリエルの脳裏に主の言葉が蘇る。
黒穴には絶対に手を出すなと。アレには絶対に勝てないと。もし万が一にも遭遇した場合、全力で逃げるように。絶対に戦おうなどとは考えないことだ―――。
「………」
背中に翼が出現するや否や、ガブリエルは黒穴から距離を開ける。
本能のままに。唯一神様のお言葉の通りに。
だが。一目散に走り出すガブリエルの退路を塞ぐように、バロルが立ち塞がった。
「そんなに急いでどこへいくというのだ?」
「うるさい。邪魔だ。そこをどけ」
「フハハハハッ。さっきまでの威勢はどこへいった。もしやそれほどの急用ができたのか。ああ、ならば仕方がというものか。特別に我が手を貸してやろう」
バロルはガブリエルにかけていた重力の枷を解き放った。
「……!?」
「喜べ。加重を解除してやった。これで少しは軽くなったろう?」
「何のつもりだ?」
「良心だ。その幼き四肢では飛びづらそうだと思ってな」
何か裏があるのではないか。ガブリエルがバロルを牽制したのだがしかし。
無論、何の裏も無しにバロルがガブリエルを逃すはずなどないのである。
ガブリエルの身体がふわりと宙に浮いた。
「は………ぁ!?」
「サービスだ。貴様本来の重力も消しておいた。なに、礼はいらぬ。代わりに命をおいて逝け」
バロルは意地悪く口の端を引き伸ばす。
無重力とは大きなアドバンテージだ。重力という枷から外れた人は120%以上の実力を出せるだろう。翼ある鳥と同じように大空を舞い、ヒレある魚の如く大海を駆けられだろう。……が、今は別。その効果が完全に裏目に出る。
「あはは………ぶっ殺すッ♪」
無様に地面に手をつき引力に逆らうガブリエル。その滑稽な様を見下ろしバロルは言った。
「我に構っていていいのか? 残念だが我を殺したところでアレは消えぬ。逆にアレの引力が増すだけだ。これだけの被害で収まっているのは、我がアレの引力に斥力を上掛けし相殺しているからに過ぎぬ」
そして同時にウラドやアルキュラ、フィーナとアリシアに負担にならない程度の加重をかけ、引力から彼女達を守っているのもバロルだ。
一瞬の逡巡の後、
「―――ッ! 覚えてろよ!? 後で絶対おまえは僕が殺すッ!!」
「フハハ、楽しみにしている」
バロルから距離を取り、同時に黒穴との距離を保ちながら、ガブリエルは地面に左手を。右手を真上に掲げた。
「水よ、大いなる水の精霊よ。僕の元にこい!!」
途端、ヴェルリムを覆う水の檻が剥がれた。
莫大な量の水が、宙に掲げたガブリエルの右手に操られ、今度は黒穴の周囲を囲っていく。
ともすれば、その水量はヴェルリムに湖を浮かべて余りある。初めからこの水量をぶつけていれば、今頃ヴェルリムは滅んでいただろう。
ガブリエルは遊んでいた。
「とっておきだけど、出し惜しみしてるヒマはない。僕の本気を見せてやるよ!」
ヴェルリム中の水が黒穴の周りを渦巻いている。
もはやバロルの目には黒穴は映らない。
「―――精霊遊戯《水神回帰》」
ガブリエルが開いた手のひらを閉じる。それが合図だった。大量の水がガブリエルに共鳴し、圧縮した。
「潰れちゃえよ!♪」
水圧、という言葉を耳にしたことがあるだろうか。水の中に潜っていくにつれかかる圧力のことだ。
では、深海に置ける水深の強さを知っているだろうか。
一般人の中でも長けた者でさえ水深100メートルまで潜るのが限界だ。
魔力を用いた者なら200メートル。ザイン・ドラグレクは水深1000メートルまで海パン一丁で潜ることができる。すごいのかバカなのか……うん、すごいバカなのだろう。
しかしどんなに優れた者でさえ水深3000メートルが限界だ。それ以上潜れば水圧に押し潰されて死ぬ。
太陽光の届かぬ深海の闇。1万1000メートルまで行くと、もはや生物が立ち入ることのできない深域である。
そのことを踏まえ、ガブリエルの《水神回帰》は『水深2万メートルの水圧』に比例する。
直径千メートル近くある水の塊を、一気に直径10メートルまで超圧力する絶力技。
油断すれば神でさえ容易に潰殺できる水圧だ。
ガブリエルの保有する最大の奥義にして最強の必殺技である。
天使の中でもガブリエルの《水神回帰》を上回る威力の技はないだろう。
できれば使いたくなかった、と言うのがガブリエルの本音だが。
遊戯の天使と名乗っている以上、遊びに本気を出すなど言語道断。あくまで遊びなのだから。
それに《水神回帰》はべらぼうに魔力を消耗するのだ。
正真正銘最終手段。つまりこれで仕留め切れなければガブリエルに勝機はない=誰も止められない。少なくとも天使達には。
「やったか……!?」
立ち上がり、ガブリエルは水の渦を観察した。
気持ちが緩みかけるが、魔力は絶対に緩めない。水神回帰を発動し続けた。
1秒が長い。10秒が遠い。1分が永遠に感じる。
ガブリエルが水神回帰を発動し、22秒後のことだった。
水面の奥で渦巻く闇をガブリエルは垣間見た。
「………」
ヴェルリムを覆うほど大量にあった水が、黒穴に飲まれて跡形もなく消滅した。
ゴウッと風が吹く。否、風も呑まれているのだ。黒穴に。
「はは……食べすぎてお腹壊しちゃえよ」
軽口など叩いている余裕はない。万策尽きた。魔力も僅か。もはやガブリエルにアレを止める術はなかった。
「あーあ。苛つくよ。心の底からね」
重力のないガブリエルの身体が黒穴へと引きつけられる。引力に抵抗する気力も失せ、引き寄せられるがままに、ガブリエルは黒穴へと近づいていく。
プライドを捨て、本気を出し、そして負けた。
言い訳の余地すら残されていない。完璧な敗北だ。
仕方ない、と。
神でさえ敵わぬ相手に天使如きが抗える理屈はないのだ。そんなふうに一言で片付けられてしまえば如何に楽か。
しかしそれこそガブリエルのプライドが許さない。
ガブリエルは神話の時代を思い出す。エリニュスとの戦いを思い出す。神の戯れ。あの余裕ぶった表情が忘れられない。
抗うことなどできぬ絶望。己の死を悟る恐怖。絶対なる強者への羨望。そしてあの表情に魅せられ憧れた。
遠い遠い、いつかの記憶。
遠く遠い、いつかの背中。
ガブリエルは振り返る。幼い笑みを浮かべて、
「おまえも道連れだ、魔王バロル」
ただでは終わらないと、ガブリエル最後の一撃が、バロルの肩を貫通し穿く。
ガブリエルとバロルを繋ぐ水の鎖。
それを確認し、満足気にガブリエルは黒穴へと飲まれ消えた。呆気ない最後だった。
直後ビシッと音を鳴らせ、鎖が引きちぎれんばかりに張る。
「言われなくとも。初めからそのつもりだ」
バロルは避けずあえてガブリエルの攻撃を受けた。
何故なら、彼にはもう避ける意味などないからだ。
鎖の力に抗わず、引力に引かれるままに1歩踏み出す。
「バロル様、早くこちらへ!!」
瀕死のフィーナが叫んだ。
だがバロルは歩みを止めない。
「アレに喰われれば魂さえ残らぬ。せめて其方らだけは陽の光の元に逝け。深淵に沈むのは我一人でいい」
「なにを……?」
「礼を言うぞ。フィーナ、アリシア。其方らがいなければガブリエルは倒せなかった。誰一人其方らの活躍を見ていなかったとしても、この魔王バロルが瞳に焼き付けた。誇れ。其方らは真の英雄だ」
言い残して、バロルは黒穴の奥へと消えた。
黒穴もバロルが呑まれると同時、空間に溶けるように消滅する。
まるで天使と悪魔――神の器を喰らって満足したかのように。
「………」
戦いは終わった。
長い長い夜が終わった。
戦いに終わりがあるように明けぬ夜もない。
ヴェルリムに朝が訪れる。
気づけば空が明るくなっていた。東の空から太陽が頭を出す。
――――直後。
陽の光に照らされたアリシアの足が灰化した。
「…………」
身の丈に合わぬ神の力を行使した代償だ。
サラサラと灰となり風に飛んでいく自らの身体を、アリシアはただ呆然と眺めていた。
寝転んだままの体勢。身体はもう動きそうにない。
―――ああわたし、死んじゃうんだ。
死ぬことなんてどうとも思わなかった。別にわたしが死んだって誰も悲しまない。そう思って生きてきたけど。
独りじゃなくなって。仲間ができて。好きな人ができて。
わたしは………、
「死にたく、ないなぁ……っ」
ヴィレンくんは怒るかな? 泣いてくれるかな? 泣いてくれたら嬉しいなぁ。
ああでも、ヴィレンくんには笑ってて欲しいから。
薬指にハメた赤い宝石のついた指輪を、アリシアは片方の手で包み、最後の力を振り絞って胸の中で抱きしめた。
愛おしい彼のことを想って。
涙が溢れた。
「ごめんね」約束を守れなくて。
「ごめんね」あなたを悲しませることになって。
「ごめんね」もう二度と会うことはないから。
本当に、
「ごめんね……」
アリシアの身体を、暖かな優しい光が照らす。
「死なせません! 絶対に!! 大丈夫です、今度はわたしがアリシアさんを助けます!!」
フィーナの顔は青白い。
魔力欠乏症になりかけている。
けれどフィーナは魔法を行使する手を止めない。
全てはアリシアを助けるために。
アリシアはフィーナの手を握った。
きっとフィーナの手は冷たいんだろうけど。今のアリシアには体温の感覚が死んでいてわからない。
でも。彼女のアリシアを思う気持ちは温かい。それだけはちゃんと感じる。
「フィーナちゃんわたしね、フィーナちゃん達と出会えて良かったよ」
「………っ」
「わたしね。今までお友達とか、そういう仲のいい人がいなかったから、フィーナちゃん達と友達になれて良かった」
「………めてください」
「わたしね。旅をしたこともなかったからね、野営とか、野宿とか、初めてで……でもとっても楽しかったよ」
「やめてください」
「リントブルムの城壁はすごかったね。木の中で暮らしてるセレネラの人達は優しかったね。ミーティアの夜の景色は最高だったね」
「言わないで、やめて……!」
思い返せばキリがない。
1ヶ月という短い時間。それでもアリシアにとっては一生分の思い出。
見るもの全てが初めてで。
触れるもの全部が新鮮で。
「わたしね。小っちゃい頃からずっと、海を見ることが夢だったの。
だから初めて海を見たとき、感動したの。
冷たくて。しょっぱくて。どこまでも続く地平線。
すごい綺麗だったなぁ。もう1回、ヴィレンくん達と見に行きたかった」
「なんで……なんで過去形なんですか。行きましょうもう一度。みんなで」
「そうだね」
そう言ってアリシアは微笑んだ。
こんな自分のために泣いてくれるフィーナの目元を指で拭った。
「ありがとう、フィーナちゃん」
アリシアの身体は既に下半身が失われていた。
神の代償とはすなわち、決定づけられた運命だ。逃れようのできない定めだ。
人がどうこうできる次元の話ではないし、人がどうこうしていい次元の話じゃない。
しかしそれでも、フィーナが治癒魔法を行使する手を止めることはなかった。
「私も、アリシアさんと出会えてよかった、です。とても、とても楽しかった………」
白い頬を涙が伝う。美しい銀髪の縁から涙が溢れる。
言いたくはないのだろう。
口にしたくはないのだろう。
口に出せば全てがこぼれ落ちてしまう。後戻りできなくなる確信がある。
でも今しかない。
言葉にできるのは、今だけなのだ。
だからフィーナは歯を食いしばって想いを吐き出した。胸の内を曝け出した。
「意地悪してごめんなさい。優しくできなくてごめんなさい。強く当たってしまってごめんなさい……」
そう、何度も何度も何度も何度も。
フィーナはアリシアに嫌われるような言動を投げかけた。
アリシアを嫌っていたんじゃない。
それ以上にフィーナは。
「私、兄さんを取られたくなくて……」
兄を慕っていた。
ヴィレンを大切に思っていた。
「大丈夫だよ、フィーナ。全部わかってるから」
アリシアは笑った。全てを包み込むように。
「フィーナちゃんはさ、カルラくんと幸せにならなきゃダメだよ?」
「はい………」
「ずっと見てるからね」
「はい……っ!」
アリシアは天を仰いだ。
灰化は胸まで侵食している。
正直死ぬのは怖い。すごく怖い。今になって心の底から生きたいと思う。生を渇望している。
それを今やっと気づいた。ようやく気づけた。
死を恐れるくらい、わたしに未練ができたんだ。
何もなかったわたしに。大切なモノが。手放すのが惜しいと感じるくらい大事なモノができたんだよ。
ああ、わたしはこんなにも幸せだったんだなって。
こんなにも満たされていたんだって。
最後に気づいた。最後だから気づけた。
気づけたことが嬉しかった。
だからわたしは―――。
「わたしはとっても、幸せだったよ」
アリシアの身体は灰となり、風に吹かれて飛ぶ。
どこまでもどこまでも遠くへ。大空に舞い上がる。
手元に唯一残った赤い宝石のついた指輪が、陽の光を浴びキラキラと輝いていた。
そう、全部。君のおかげだよ。
ありがとう。ありがとう。
そして、さようなら―――。