プロローグ
誤字や脱字、曖昧な表現など、見にくい部分が度々あるかと思いますが、頑張って書いて行きますので、どうか応援よろしくお願い致します。
突如空中より出現した巨大な剣が、轟音とともに『黒い少年』へと牙を向く。
しかし、少年は怯むことなくその剣を己が漆黒の剣で断ち切った。
両断された巨大な剣は、そのままの勢いを弱めず大地へ突き刺さり、瞬きの一瞬で幻の如く跡形もなく消滅した。
少年は足を止めることなく、無空より剣を生み出した『白き少女』の元へと風のように大地を駆ける。
だが、少女が純白の剣を下から上に振るった瞬間――。
「――っ!」
何もない平坦な大地より生まれし、見上げるほど巨大な壁が少年の行く手を阻んだ。
だが、それでも少年は足を止めない。
壁を目前にして、少年が走りながら剣を構えた途端――光を飲み込むほどの『闇』が少年の持つ剣から滲み出る。
そして少年がその剣で巨大な壁を一閃した。壁に亀裂が走り、それは見る間に拡大していき、壁は音を立て崩れる。
崩壊する壁を通り抜け、そこで少年が初めて足を止めた。
「……おいおい」
少年は眼前の光景に戦慄した。なにせ、少年の前に現れたのは――
「――これで、終わり」
見渡す限りの視界に広がる、無数の剣だ。ぱっと見千・・・・・・いや、万は超えるだろうか。
少女が剣を上から下に振り下ろした途端、その幾万の剣が一斉に少年へと放たれる。
その光景を目の当たりにした瞬間、少年は迷うことなく己が剣を地面に突き刺した。そして、突き刺された剣を中心にして影が生まれる。影は蠢き合いながら10つに分裂すると、スッと音もなく地面から浮き上がった。
次の瞬間――幾万の剣が少年を襲う。
少女の剣の猛威は、数十秒以上も絶え間なく降り注いだ。剣は大地を穿ち、平坦な地形を荒野へと変えていく。
少女の攻撃が終了する頃には、辺りは土煙に覆われ何も見えなくなっていた。
数秒して次第に土煙が晴れていき――
「――ッ!?」
今度は少女が戦慄する番だった。
そこには無傷で少女に笑いかける、1人の少年の姿があったのだ。