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プロローグ

 海面を滑るように航走はしる船がある。

 大きさは30メートルほどで、船体は漆黒に塗装されていた。

 そんな船の甲板に1つの人影があった。

 歳は18、19ほど、肌はよく日に焼けていて、白い半袖の服の上に黒のジャケットをはおり、黒のズボンをはいていた。容姿はまだ幼さを残しているが整っていて、船体と同じ漆黒の髪に黒い瞳をした少年だ。その瞳は、どこまでも続く蒼海を見ていた。

 

「何をしているんだ、おまえ」


 不意に少年に声をかけ、近づいてくる人影がある。

 肩あたりまで伸ばした薄い茶髪で眼鏡をかけた碧眼の少年より少し年上の感じのする青年だ。容姿は少年に負けず整っている。しかし格好は日が高いせいかかなり暑いというのに、緑のロングコートをはおったかなり変わった格好だ。


「見てわからないか、オルカ」


「俺の目が節穴なのか、海を眺めているようにしか見えないのだが」


「・・・・・そのとおりだ」


 少年に『オルカ』と呼ばれた青年はため息とともに額を押さえた。


「・・・・・こんなところで海を眺めているくらい暇なら、少しはこちらの仕事を手伝ってほしいものだが」


「・・・・・ところで俺に何かようでもあるんじゃないか」


「む、うまく話しを変えたな・・・・・まあいい」


 「ふう」とオルカは一息ついてからすっと姿勢を直し少年に向かって敬礼をした。


「艦長、右舷後方8時の方向に艦影2を確認。うち一隻は海賊ジンク一味と思われます。どうやらもう片方の船を襲っているようですがいかがいたしますか」


 今度は少年がため息とともに額を押さえた。

 しばらくその状態で、ぶつぶつとなにかいったあと、少年はゆっくりと口をひらいた。


「航路を右舷8時の方向に変更、乗組員全員は戦う準備を。戦法はいつもどうり」


「了解しました。」


 そう言うと、オルカは駆け出した。その背を見送ってから、オルカの報告にあった場所を見てみた。

 確かに2隻の船が寄り添うようにしてあった。しかし、片方の船の帆には海賊旗の証である、髑髏の絵が大きく描かれていた。


「さて、間に合うかな」


 そんな少年・・・・・アルガ・ローレライのつぶやきとともに、船はゆっくりと進路を変え始めた。


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