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異世界最強の魔術師は包丁を手に (旧作 世界一の魔術師 大幅リメイク版)  作者: クリップキラー
少年期 前座 学校に行こう
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転生ってやつ

 皆さんお分かりだろう。死んで赤ん坊になっているんだ。転生ってやつだろ。

 俺は比較的小説、ラノベをよく読んでいた。バトルとコメディの入った異世界転生物が大好きだった。よくオムレツを作りながら読んでいたものだ。夢中になるとオムレツが少し焦げたのもいい思い出だ。あ、熱中しすぎて真っ黒になることもあったな...。


 オムレツというのは微妙な火加減が大切だからな。


 え?じゃあオムレツ作りながら読むのはやめればいいって?

 別に何作ってても片手が空いていればゲームかラノベが手にすっぽり収まっていたさ。

 オムレツに限った話じゃあないんだよなこれが。


 できればここが異世界でないことを祈りたい。地球がいい。俺は綺麗好きだ。どうせ異世界転生するなら、せめて掃除機がある世界がいい。綺麗ならもうなんでもいい。



 俺は潔癖性ではないが、かなりそれに近い。

 

 望みが叶うなら、やっぱり地球、日本こそ一番。


 ガチャリ


 扉が開いた。ついに人が(人じゃない可能性も有る)来たか。お!おお!うおおおおおお!人だ!人だぞ!人間だぞ!しかも顔立ち的に日本人!もうこれはラッキーとしか言いようが無いじゃあないか。今すぐお祝いのステーキでも焼いて豪快に...っと、この年じゃまだ食えないか。


「bっgdfdvgbさsfdっs?」


「フhgthgcs」


 え?聞いたことのない言語。聞いたことない言葉。とんだ秘境に生まれたらしい。この俺が知らない言語だ。アフリカの奥地とかかな?フフフ。地球は広いなぁ ははは。あ、あははは...まさか、まさか、ね...。


 後日俺はここが異世界だと知る。


 父親らしい人、そのほかの人もみな、魔法っぽいものを使っている。料理も火の魔法みたいなものを使うし、風呂だって(シャワーしかないけど)水の魔法でシャワーをするし。

 その水はどこから出るの?

 科学的に綺麗なの?

 その水そのまま料理に使ってますけど!?


 魔法の安全性を問いたい。水質の安全は確保されてるのか?


 閑話休題。


 生後3ヵ月(恐らく)になって初めて家から出た。そこには見たこともない人種(人じゃない)奴らが行き交う大きな街だった。

 獣人?亜人?言い方次第でなんとでも言えそうな種族。

 数はそこまで多く無い。普通の人間の方が多い。


 だが、そういう種がいるという時点で、ここは確実に日本でも、地球でも無い。

 魔法が使える時点でもう異世界だとはわかっていたが、改めて必要の無いトドメを刺された気分だ。


 因みに家には掃除機もエアコンも冷蔵庫も無い。

 IHなんてあるわけない。それどころか、ガスコンロだって....初歩的な料理もできないじゃないか。


 もうちょっと科学にも目を向けて欲しい。っと...剣と魔法の世界(仮)でそんなことを言うのは野暮だな。


 とにかく、ここは地球ではない。見たこともないような種族。初めて見た魔法。すべてはとても新鮮であると同時に、地球の懐かしさを感じてしまう。諦めきれない。もっと綺麗なほうがいい。ル〇バが欲しい。自動でゴミを吸い取ってほしい。まあ風魔法っぽいものでゴミを集めて掃除している点は賞賛すべきだけど。


 まあ、今更何を言っても変わらない。


 まずは言葉を覚えて、会話可能にならなくてはならない。

 いまは便利な生活よりも、何よりもこの世界についてをしっかりと知る必要がある。それは、生きる為でもあり、転生という、あまりにも物語チックなこの現象についても調べなければならない。

 いきなりチート能力発覚して、勇者様とか言われる可能性もない事はないしな。

 とにかく、子供の時が一番成長のできる柔軟な脳を持ってるっていうしね。

 これからの事はこれから頑張ればいい。


 まずは言語確認だ。

 必死に俺は言葉の勉強をした。



ーーーーーーーーーー



「なあ。赤ん坊って思ったほど泣かないもんなのか?」


「どうした?急にそんなこと聞いて?」


「いやさ。子供拾ってさ。育てようと思うんだけど…」


「はあ?お前が?冒険者で独り身のお前が?子育て?できるのかよ?」


「いやあ。前途多難って感じかと思ったんだけどよ、全然泣かないし、好き嫌いはしないし、しっかり寝るし、暗くても大丈夫だし」


「へえ。そんな賢い赤ん坊がいるなら俺が欲しいくらいだ。泣かない赤ん坊なんて楽で助かるじゃあねえか」


「だからさ、逆に心配で…」


「何も心配するほどのものじゃあないだろ?それだけ大人って事じゃあねえか」


「いやだってよ、歩けるようになったかと思いきや、どこで覚えたんだか、本引っ張り出して読んでるんだよ。それも、文字を見て難しい顔してるんだよ」


「もう中身はおっさんだったりしてな。なんてのは冗談だが…。まあ、それでもいいんじゃあないか?見守ってやれば。どうせお前、金には困ってないんだろうし、仕事せずにのんびり育メン生活も悪くはないんじゃないか?コーリュー。お前なら出来るさ」


「そうだな。魔術師として、子育て頑張るか」


「魔術師ってのは子育て関係ないと思うけどな」


 酒場で二人は笑いあった。

 コーリューは、子供が待っていると、必要な話を終えると帰って行った。


「しかしあいつが子育て、か。随分と優しいやつになったもんだ」


 酒場は今日も平和です。


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