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困っている所を見ると…
そんな事を考えていたら、いつの間にか作業が終わっていた。
横村さんに報告しなくちゃ…と思い、顔を上げるといつの間にかいなくなっていた。
「…どこにいるのかな…」
私は、小さく呟いて横村さんを探しに向かった。
どこを探してもいないから、従業員しか入れない事務室へ向かった。
『えーっと、あれとこれを…』
扉をそっと開けると、横村さんの独り言が聞こえた。
また、言ってる…と思いながら、声を掛けた。
「横村さん」
『はい。どうしました?』
振り向いてきた横村さんに、資料を渡しながら報告をした。
「さっきの終わりました」
『ありがとうございます。早いですね』
そんな風に言われると、嬉しい。
私は、恥ずかしくて俯きながらお礼を言った。
「ありがとうございます」
『次のお仕事、頼んでも大丈夫ですか…?』
少し困ったように聞いてくる横村さんを見て、助けてあげなくちゃ…と思った。
「…大丈夫ですよ」
いつもは、あんまり態度に出さないのによっぽどなんだろうな…と思いながら、指示を聞いた。