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第一話  狼と虫

「さて、行くか。」



朝起きた俺は、カップヌードル豚骨味(50ポイント)を食し、準備を整えてログハウスを出た。

第二階層での初めての探索だ。

気を引き締めて行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:黒崎直人  Lv18

性別:男     pt2300


固有スキル

・真理眼

・簒奪者

・統治者

・道具効果二倍

・状態異常無効


特殊スキル

・威圧Lv8

・絶倫Lv6

・索敵Lv3

・隠密Lv3

・嗅覚強化Lv5


武術スキル

・体術Lv6

・剣術Lv4

・槍術Lv4

・棒術Lv4

・格闘術Lv6

・短剣術Lv5


称号

・恐怖の眼光

・転移者

・妖精の友

・同族殺し

小鬼王殺しゴブリンロードスレイヤー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これが現在のステータスだ。

まだ相手を見るまで安心はできないが、第二階層でもそこそこ通用するとは思っている。



森に入って索敵を発動させる。

そのまま数分歩いていると、前方に敵の反応を察知した。

木に隠れるようにして進み、敵を盗み見る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族:フォレストウルフ  Lv8

性別:雄


特殊スキル

・咆哮Lv2

・聴覚強化Lv2

・嗅覚強化Lv2


武術スキル

・体術Lv2

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーやはり一階層の魔物よりも強いな。

レベル的にはホブゴブリンとあまり変わらないが、最初の領域に出る魔物がこれということは、奥に進むともっと強いのがいるのだろう。

...それよりも気になることがあるんだが。


「何で狼が体術スキル持ってるんだ?」

狼が二足歩行で手足を使って戦うとは思えないが。


ーーーいや、違うか。体術は体を上手く動かすスキルだ。

言わば"身体制御能力"のようなものだ。

犬や猫なんかの運動能力は目を見張るものがあるらしい。

それは体の使い方が上手いからだ。

その体の使い方の上手さが体術スキルとして現れているのかもしれない。


ーーー好都合だ。体術スキルはレベルを上げて損はしない。

それなりの数を狩れば、レベルを上げることができるだろう。

フォレストウルフは三体いる。

ティアが言っていた、二階層の動物系魔物は群れを作るというのは本当のようだ。

まずは戦ってみよう。



隠れていた木から飛び出し、フォレストウルフへと駆け寄る。

相手の一体が気付き、こちらに向かって吠えてくる。

その時、目に見えない衝撃が体を襲った。

大したダメージではないが、驚いて体が止まってしまう。

その隙をついて、一体が跳びかかってきた。

大きく口を開けて、俺の首を食い破ろうと迫ってくる。

すぐに立ち直った俺は、横に軽く跳んで、跳びついてくる狼を避けた。

そして標的に避けられ、背を向けているその狼を、後ろから剣で斬り裂いた。



背後に気配を感じた。

二体の狼が走り寄ってくる。

右の一体が先程の狼と同じように跳んできた。

今度は真正面から斬り落とす。

すると、その狼の影からもう一体が迫ってきた。

剣を振って腕が下がっているところで、首に噛み付こうとして跳んでくる。

俺は慌てることなく、跳んだ瞬間を見計らって顎を下から蹴り上げた。

ぐるんと半回転し、背中から落ちる。

即座に剣を突き立てとどめを刺した。



結果としては傷一つ負っていないが、最初のアレには驚かされた。

おそらくアレは特殊スキルの咆哮だろう。

声で衝撃を与えるスキルのようだ。

簒奪者により俺も手に入れたのだが、使えるのだろうか。



試しにやってみた。

「ーーーかっっっ!!!」

坊さんが「喝っ!!」と言うのをイメージして、空気を強く吐き捨てるように吠えてみた。

すると、周辺の空気が震えるのがわかった。

スキルの使い方はこれで合っていたようだ。

多用するかどうかはまだわからんが、使いどころによっては有用かもしれない。





探索を開始して一時間が経過した。

あれから三回魔物と遭遇した。

フォレストウルフとポイズンスパイダー、パラライズバタフライだった。

...名前がそのままなのは何故なのだろうか。

まぁわかりやすいから良いんだが。



ポイズンスパイダーは俺の膝くらいまで届く大蜘蛛だった。

虫が嫌いな人間なら見ただけで絶叫しそうだ。

紫がかった糸を吐いてくるのだが、実はこの糸に毒があるのだ。

触ると肌に痛みがはしり、更にそのままでいると腐ってくるのだとか。

真理眼で見ただけなので、触ってはいない。

校倉から頂戴した固有スキルがあるため、どうせ俺には効かないが、だからと言ってわざわざ触りたくはない。

糸を避けて剣を突き刺して殺した。



パラライズバタフライは毒蜘蛛(ポイズンスパイダー)と同じくらいの大きさだった。

黄色の粉を撒き散らし、翅で風を起こして飛ばしてくる。

しかし俺には効かないため、堂々と走り寄って斬り殺した。



コイツらを殺すと、それぞれ【毒攻撃】【麻痺攻撃】のスキルを得ることができた。

これはかなり便利なスキルだ。

手に入れてニヤニヤしてしまったのは秘密とする。



それから、毒蜘蛛から奪ったスキルがもう一つある。

それは、特殊スキルの【糸生成】だ。

これはもしかしたらリアルスパイ○ーマンができるんじゃないかと少し興奮したが、どうやら木に糸を引っ付けても、その糸を収縮させることはできないようだった。

まだスキルレベルが低くてできないだけかもしれない。

いつか必ずスパイ○ーマンになってみせると決意した。







二時間ほど進み、折り返すことにした。

そこから三時間ほどかけて、ログハウスへと戻ってきた。

あれから更に二種類の魔物を発見した。

ハイドウルフとスリープシープと言う魔物だ。



ハイドウルフは少し黒の強い灰色をした狼だ。

森狼(フォレストウルフ)より少し大きい。

コイツは森狼のように群れを作らないが、特殊スキル【隠密】を持っていた。

隠密によって気配を遮断し、音もなく近付いて後ろから襲いかかるのだ。

非常に危険な魔物である。

残念ながらこちらの索敵スキルの方がレベルが高かったため、俺には通用しなかったが。



スリープシープは羊だ。

見た目は普通の羊。

基本的には寝ているのだが、生物が近付くと起きて、甲高い鳴き声を上げる。

その音には睡眠作用があり、聞く者を眠らせようとするのだ。

...なお、眠らせるだけ眠らせて、その後は自分も再び眠ってしまうため、コイツに襲われることはないらしい。

その場合、他の魔物が漁夫の利を得ることになるようだ。

例によって俺には効かず、普通に殺した。

特殊スキル【睡眠攻撃】を手に入れた。



第二階層は状態異常攻撃の宝石箱だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:黒崎直人  Lv19

性別:男     pt2450


固有スキル

・真理眼

・簒奪者

・統治者

・道具効果二倍

・状態異常無効


特殊スキル

・威圧Lv8

・絶倫Lv6

・索敵Lv3

・隠密Lv4

・咆哮Lv3

・糸生成Lv3

・毒攻撃Lv3

・麻痺攻撃Lv2

・睡眠攻撃Lv2

・聴覚強化Lv3

・嗅覚強化Lv5


武術スキル

・体術Lv6

・剣術Lv4

・槍術Lv4

・棒術Lv4

・格闘術Lv6

・短剣術Lv5


称号

・恐怖の眼光

・転移者

・妖精の友

・同族殺し

小鬼王殺しゴブリンロードスレイヤー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スキルも多くなってきている。

こういうのを見るとニヤニヤしてしまうな。

だが攻撃の選択肢が多いという事は良いことばかりではない。

いざという時に迷わないよう、常用するスキルは選別しなければならないな。

と、嬉しい悩みを抱きつつ、ログハウスへと入った。

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