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3.触れ合う唇_または別れの予感

タマルの容姿、アブサロムの容姿設定は適当w。

タマルの肌の色で悩みました汗。

イエス様は実は色黒だと聞いたことがある・・・。

しかも黒人並だと誰かが言っていた・・・。

イエスはソロモンかナタンの子孫って言われているけど

じゃあ、同じユダ族のタマルも色黒なのかなと・・・。

最初色黒設定で行くか?とも思ったケド、

赤毛って設定にしちゃったし・・・色黒、赤毛ってイメージわかないので

象牙色にしてしまった/(-_-)\・・・うーん暴挙。

赤毛は・・・旧約関連の昔読んだ本でタマルの髪の色が確かそんな風に

書かれていた記憶があったので採用しました・・・つくづく適当。

黒髪のアブサロム・・・これはただ単に黒髪発現率を考えたら

黒髪が妥当だろ・・・とそんな感じ。

アブサロムのシンボルはズバリ髪です!

彼自身もそれを自覚していて関羽がお髭自慢だったの同様

髪の手入れかかせなーいって感じだった気がします。

髪の毛を毎年年の終りに羊みたいに刈っていたそうなwww。

理由→超重くなるから。

奴は髪長お兄さんです。

ついでに歳も適当!旧約の文章まんまは採用しません汗。

可能な限り若く設定w。

__この兄は変わった。


タマルはその様に思った。

呆然とタマルは自身の兄を見詰める。

そして見てしまうのだ。

最後に会った時以上に熾烈な炎が彼の目の中で劫火の様に燃えている様を。

『過去』は執拗な腕を何本も伸ばし、兄の体に巻きついているかのようだ。

彼にはその身に巻き付く荊棘から逃れようと藻掻くあまり、

その全てを焼き払ってしまう・・・そんな危うさがあった。

兄は戻ることは出来ないが、更に変わってしまえるんだと

タマルは恐怖に駆られた。

・・・彼の眼前に迫る崖が見えるようだった。

「・・・あはははは・・・何故そんなに変わっただと?

俺は変わってなんかいないさ・・・俺ではなく父上が変わられたのだ!」

着衣を乱して蹲るタマルは力なく言った。

「・・・いえ・・・幾ら王になりたかったとしても、

お父様を殺そうとは・・・。」

「・・・お前には俺が変わったように見えるのか・・・。

だが・・・俺は父上ほど変わってはいない筈だ・・・。

変わったように見えるのならば、俺を見誤っていたのさ。

父上が変わったのだ・・・父上がな。」

アブサロム王子は苦々しく呟いた。

何故だか拗ねている子供のようにも聞こえるそんな呟きだった。

「ヘブロンで父上が未だユダ族の王でしか無かった時、

支えていたのは主に私たちの母上と母上の部族だった・・・。

あの時、父上は俺と母上を誰よりも尊重したものだったな・・・。

俺も、母上も羨まれた・・・一族の中で誰よりも誇り高く美しいと・・・。」

夢見るように彼は過去の栄光に想いを馳せる。

「・・・そしてエルサレムの王になられた父上の隣で母上は誰よりも輝いておられた・・・。

そしてお前が生まれた・・・父上の王女の中で最も美しいお前がな・・・。

父上も幼いお前を可愛がったものだ・・・。」

声音に憧憬の色が薄れ、次第に憎悪で荒れだった声が室内に響く。

「・・・それがどうだ?美しかった母上の容色は確かに衰えたさ。

父上はエルサレムの王位について

最早ゲシュルのみを頼みにしているのではなかろうが、

我ら兄妹を蔑ろにして、母上はあの呪われた娼婦のせいで気を病まれた・・・。

バト・シェバ・・・!あいつが父上の妻になってから全てが狂いだした!」

アブサロム王子は唾棄するように言った。

その言葉には憤懣遣る方無さが籠っている。

「・・・止めてください・・・バト・シェバ様が何も父上と関係を持ちたいと思ったわけでは

ないでしょう?」

タマルは兄を窘めた。

アブサロム王子に責められるバト・シェバと我が身を重ね合わせたのだ。


__そう・・・いつも何故真っ先に糾弾されるのは女なのだろう・・・。


「甘いな!あの女なら父上を誘惑するのもお手の物だったろうよ。

お前は詳しくは知らないか・・・最近の父上の様を・・・。

だが俺は悔しい・・・悔しいのだ!」

アブサロム王子は肩を怒りにブルブルと戦慄かせた。

「ウリヤ・・・哀れな私の師匠よ。貴方の愛した女は

強かな恐ろしい・・・腹黒い女だった。甘い蜜の様な女かと思い手をつければ

蠍の毒を煽らされる羽目になる・・・そんな女だったのだ。」

タマルはそんな兄の肩にそっと手を沿わせて落ち着かせようとする。

心の暗い泥濘を吐き出すかのような兄の言葉に悲しみを覚えた。

「・・・お兄様、同じ女として・・・バト・シェバ様は哀れです。

考えても見てください・・・気まぐれに父上が姦通を迫ったのです。

そのことが彼女の妊娠で露見しそうになると、こともあろうに

父上は彼女の夫ウリヤ殿を戦場の最前線に送って殺したのです。

・・・私には彼女が心の隙間を埋めようとして権力に固執するのも分かる気がします。

そうやって彼女は我が身に降りかかった不条理を乗り越えたんだと思いますわ・・・。

きっと彼女なりのお父様に対する復讐でもあったのでしょう・・・。」

優しく宥めるようにタマルが言えば、力なくアブサロム王子は首を振った。

「・・・お前の言うとおりだとしても

・・・俺は今、父上とソロモンを殺さねば

いずれは俺が殺されてしまうだろう。

父上はバト・シェバに目が眩むあまり、エルサレムの玉座を

あの異母弟に渡しかねない・・・そうなれば俺はあの異母弟に殺される羽目になる。

・・・あらぬ難癖をつけられて・・・容易に目に浮かぶようだ。

ただでさえ、あの弟は『エディドヤ』という二つ名を生まれた時与えられているのだから。

『神に愛された者』・・・か。大層な可愛がりようだ・・・ああ、父上が憎らしい。

父上の心に掛かるものはバト・シェバとその子供達のみなのだ。」

「そんな・・・殺されるだなんて・・・。父上は許しません・・・。」

「・・・いや、殺されるだろう。俺はゲシュル王の王女の子。

対してバト・シェバは何の後ろ盾もない女だ・・・。

既にバト・シェバは家臣を抱き込んでいる・・・。」

「・・・そんなにバト・シェバ様は危険なのですか・・・?」

「最近、あの女狐は父上の目をどんどん曇らせていく・・・。

それに俺はお前を辱めたアムノンを許し、母をおざなりにした父上を

最早信用ならない。思い出せ、父上は元々非情な方だったではないか。

自分を愛する者の信頼を裏切れる方だ・・・。

サウル王の娘ミカル殿なんかが良い例だ

・・・父上に利用し尽くされて寂しく一生を過ごしたのだ。

ウリヤ師匠も父上の勇猛な戦死だった・・・だが妻を父上に寝取られた。

・・・俺は彼らのように父上の捨て駒にはなりたくない!

だが父上が俺を捨てずともバト・シェバと異母弟は間違いなく俺を殺す・・・。

・・・権力争いとはそういうものだ。」

「・・・。」

「だが・・・やはり、俺が権力を欲するのはゲシュルの一族・・・ひいてはお前のためだ。

俺はお前に栄光を取り戻してやりたいのだ・・・。そのカーネリアンのような

髪にもう一度燦然と輝く金の飾りを・・・そして衣も宝玉をあしらったような美しいものを着せてやりたい・・・。お前に人々を傅かせ・・・壮麗な玉座の隣にたたせてやりたいのだ・・・。」

彼は立ち上がると、自身の妹を起した。

「私、そんなこと望んでいませんわ・・・。」

「・・・俺がそう望んでいるんだ、タマル。

お前が無欲であることは分かっている・・・。

俺の自分勝手な夢さ・・・。」

失ったものを満たしたい想いはタマルも同じだった。

形は違えども兄妹はお互いその空っぽの杯のような

空虚な心を満たすため、藻掻いてきたのだ。


__自分の新しい価値を見出そうと思った。

  そうでないと生きてはいけなかったから。

それまでの王女としての自分を全て捨てて一からのスタートラインに立った

あの時の私の決断に後悔なんてない・・・。

だがお兄様は夢を見ている・・・。私とは全く反対の血塗られた道・・・。


母を求める赤子のように、想い人を待ち焦がれる若者のように

アブサロム王子の執着心は癒えぬ乾きを抱えて、

内側から彼自身を食い潰している様だった。

彼の人生の約束・・・それはエルサレムの玉座と妹のタマルだった。

タマルはゾッとした。

彼の執着心は彼をここまで導いた。

だが・・・物事に拘泥する人間の姿は儚い。

すぐそこまで迫っている不吉な嵐の足音をタマルは聞く。


__兄を失うかもしれない・・・。


目の前にはがっしりとした兄の腕。

思わずタマルは兄の胸に頬を寄せた。

「・・・タマル?」

「・・・お兄様は愚かです。」

いつの間にかタマルの目には涙が流れていた。

「・・・タマル・・・何故泣く?俺が戦から戻ったらお前にもう

不自由はさせない。お前を口さがなく言う者も俺が許さない。

一生俺の隣で笑っていればいい・・・。」

「・・・私はお兄様が生きていてくだされば・・・それでいい。

何も他には望みません・・・父上と戦うことが避けられないのなら」

タマルは黙り込む。

「・・・避けられないのなら・・・なんなのだ?」

「避けられないのならば・・・お兄様は生きて帰ってきて下さい・・・。」

兄の腕の中でタマルは思い至った。

ああ、私はこの兄を誰よりも愛しているのだと。


__忘れないで。どんな形であれ、私はお兄様を一番愛している・・・。


見上げると昔の様に穏やかな兄の目がある。

誰よりも美しいその目に自分が映っていて暖かい気持ちになる。

家族への情愛なのか、兄が自分に向ける様な想いなのかタマルには分からなかった。

ただ、ただ暖かいのだ。

「お兄様、私は貴方が好き。大好きよ。」

「・・・タマル・・・。」

タマルの背にアブサロム王子は手を回し、ギュッと彼女を抱きしめた。

彼の絹糸のような長く美しい髪が彼女の頬にかかる。

別れてもこの髪の匂い、腕の感触、そしてこの暖かな目を忘れないように

しようと彼女は全身で兄を感じ取ろうとした。

・・・ある予感に己の身を慄かせながら。

そんな妹の懸念を押しやるようにアブサロム王子は

彼女の背を優しく撫でるのだった。

「・・・美しい俺の妹。どうして不安そうなのだ?」

かがむ気配と共に降りてきた唇。

タマルは目を瞑る。

それは想い合う者同士のお互いを激しく貪る様なものではなかった。

触れるだけの軽いキス。

お互いの心を慰撫し合い、気遣う・・・そんな類のキスだった。

タマルは過去にこんなキスを兄から送られたことが二回あることを思い出す。

__血を流しボロボロの心をお湯の様に洗い清めてくれたあのキス。

「・・・お兄様がいたから私は生きていけた・・・ありがとう。」

「・・・俺だってお前がいなければ駄目だ。」

二人はお互い見つめ合ってクスリと笑い合う。

だがアブサロム王子の微笑みは何処か寂しげだった。


__俺ほどにお前は俺のことを求めてはいないのだ

・・・俺はそのことを分かっている。


先程のキスはまるで乾いた旅人が水を与えられたが如く

彼の心を潤わせた。

だが同時に乾きを覚えてしまったのか

己の欲望が首をもたげるのをアブサロム王子は感じた。


__堂々と彼女の前で男としていたい・・・。

__タマル・・・俺は男だ。お前の兄なんかじゃない・・・。


彼女の象牙色の首筋に唇を這わせ、

彼女の柔らかな胸を味わえたらどんなに幸せだろうかと

アブサロム王子は懊悩する。

そんな自分の醜い欲望に目を背けるように彼は彼女に笑いかけた。

昔から彼はそうやっていつも彼女に自分の心を偽って来たのだった。

そんな自分自身を哀れに思いつつアブサロム王子は一言

「・・・座って話そうか。」

とだけ言った。

アブサロム王子はタマルを小さなテーブルに誘うと、

それに据え付けてある二脚の椅子の片方に座らせる。

その椅子には背もたれも肘掛も無く、足はガタガタに歪んでいた。

アブサロム王子もまた、もう片方の椅子に腰を掛けた、がしかし・・・、

「・・・ッ!」

その表情は瞬時に歪められた。

木のささくれ立った無数の皮がアブサロム王子の腰掛けている部分に突き刺さったからだ。

「・・・痛ッ・・・なんだ、この椅子は・・・。」

痛がる兄の姿が滑稽でタマルは思わずクスリと笑いを零した。

「それは・・・私が作ったのです。やはり初めて作ったものですから

下手でしょう?・・・あまり深く腰掛けないでくださいな。

お兄様の座っている方は深く腰掛けると、お尻に激痛が走りますわ・・・。」

笑みを浮かべるタマルにアブサロム王子は絶句した。

「・・・これ、お前が作ったのか?」

涙目になっているアブサロム王子を見てタマルは悪いと思いながらも

少し愉快な気分になった。木の皮という些細なきっかけで、一瞬だが

昔、兄とたわいのない事で笑いあったのを思い出したのだ。

そして兄の恐ろしげな様子を一瞬忘れてしまうのだった。

「・・・ええ。すみませんお兄様。不出来でしょう?

本当は椅子を加工したかったのですが、やり方がわからなくて・・・。」

「・・・いや、お前が作った割には良く出来ているのではないか・・・。

だが辛いのではないか?慣れぬことまでしなくとも・・・。

お前はエルサレムの王女なのだから・・・。」

「・・・いいえ、物を作るのは私の性に合っていたようです・・・。

生活に追われる厳しさもありますが、楽しくもあります・・・。

最近は随分出来ることが増えたのですよ・・・王宮にいた頃よりも

逞しくなった気がしますわ・・・。」

「・・・どんなことを今はしているのだ?」

「取り敢えず後は羊毛紡ぎですとか、

機織りも模様を織るのは一苦労ですが、一通りは出来るようになりました・・・。

恐らく・・・私達の祖先もこのように暮らしていたのではないかしら・・・。

我らが祖先は羊飼いで・・・今は私も一廉の羊飼いです・・・。

お父様の栄華の影で忘れてしまいそうになる素朴な暮らしですわね。

ここには特段何の刺激もありませんが・・・今は心が安らかです・・・。」

「・・・お前はもう一人でやっていけそうなのか?」

その声にはアブサロム王子の切実な想いが籠っていた。

「・・・アクサが助けてくれますから、なんとかやっていけています。

私も日々必死に働いていますわ。」

「・・・そうか・・・俺はてっきりもっとお前が

なんというかその・・・日々寂しく暮らしているんじゃないかと思っていた・・・。」

「・・・私はお兄様のことが心配でした・・・日々・・・寂しかったわ・・・。

昔を思えば涙が出る時もありますが・・・働いている時は落ち込む暇がありません。」

「・・・お前はそうやって俺のいる世界からどんどん離れていくのか・・・。」

アブサロム王子は静かに目を閉じた。


__逞しくなった。そして俺から離れていく・・・。


妹が前向きになっていることにどうしてこんなに喜べないのか。

アブサロム王子は自分の心を疎ましく思った。


__いっそ、この妹がずっと俺の屋敷の床に臥していれば良かったのに・・・。


彼女が泣きながら縋り付いて来たあの時。

怒りと共に何とも言えない甘やかな気分になった。

彼女が自分の内に籠り、その虚ろな目に自分が映ったあの時。

悲しみを塗りつぶした感情は充足感だったとアブサロム王子は思い返す。


__俺は卑怯な人間だ・・・この妹の心の傷に漬け込む真似ばかりしてきた・・・。

でも・・・それでも愛しているんだ・・・タマル。

__お前の心を傷つけずに傍に置く方法が分からない・・・。

__俺は、お前のことをずっと、ずっと縛りつけていたかった・・・。


黙り込んでしまった兄を前にタマルはどうしていいか分からなくなる。

兄をじっと窺う彼女。

その目は強い意志と生命力を漲らせていた。

以前よりもずっと開けた世界に向けられているその目。

澄んだその目が憎たらしいとアブサロム王子は思った。

自分の絡め取られている執着の渦巻く世界に彼女はもういないのだ。

それが羨ましくもあり、許せなくも思う。

自分の知らない妹がそこにいたのだ。

泣き出したいようなそんな思いに駆られアブサロム王子は眉を僅かに歪めた。


__何故そんなに心穏やかでいられる?

お前だって心に重荷を追っていたではないか。


「・・・お前は変わった・・・私のことを変わったと詰れるか?

私を置き去りにしてお前だけが・・・。俺は変わってないぞ。

全く・・・変わってないのだ。」

悲痛な顔をする兄にタマルは心底申し訳なく思った。

・・・自分が兄を置き去りにしたのは事実だったのだから。

「・・・ごめんなさい・・・。だけど・・・私だって、

救われないことがあるわ・・・。今でもあの子を思い出す・・・。

それだけが私の後ろ髪を引くのよ・・・。」

その言葉を聞くとアブサロム王子は再び押し黙ってしまった。

自身ではない存在に心惹かれるタマルに心乱れ、苛立ちが募る。

そして同時に過去の罪がじわじわと自分の目前を

真っ黒に染め上げる様に感じた。

「・・・お兄様・・・。」


__俺を見てくれ・・・タマル。


「・・・・・・いや・・・なんでもない。

ところでな、お前が去った後、俺に息子と娘が生まれたのだ。

特に私の娘・・・その子には・・・タマルと名づけた・・・。

お前のように美しい赤毛を持つ可愛い子で・・・将来が楽しみだ。」

「そう・・・なのですか。」

彼の『男』としての一面・・・。

彼が父親になるとは・・・。

タマルにとって兄は、腐っても兄だったのだ。

__衝撃的だった。

ただ、それがどんな感情に区分できるのか彼女には分からない。

「・・・お、おめでとうございます・・・。」

「・・・嫉妬しないのか?」

軽口のように軽い感じで言おうとするも彼の動揺がタマルにも伝わってきた。

「・・・俺はお前じゃない女を抱いたのだ・・・嫉妬しないのか?」


__動揺してくれよ・・・どうか。


「・・・・・・嫉妬・・・分かりません。ただ・・・寂しいのです。」

「・・・寂しい?」

「・・・私の知らないお兄様がいることが・・・寂しいのです。

説明できないのですが・・・。」

「・・・俺だって寂しい。お前は以前より毅然としている。

それが俺の心を寂しくさせる・・・俺は檻に囚われていて、

お前が自由であることも悔しくてならない。」

「・・・・・・。」

「・・・俺はその女をお前だと思って抱くことにしている。

タマルって呼びかけて・・・抱いている。

その女も赤毛で・・・だがお前の髪ほど美しくはない。

その女は俺の心を理解するいい女だが、

お前ほど俺の心を満たしてはくれない。

・・・お前を一回でも抱けるのなら・・・俺は明日殺されても幸せだ。」

「お兄様・・・。」

西日が小屋の中に鮮やかに差し込む。

切なげに揺れるアブサロム王子の瞳はどこまでも婀娜やかだった。


登場人物の心情考えるのって難しい!

才能ねぇ。しかも遅筆でごめんなさい。


エロじじいについてちょろっとした何か↓

バト・シェバといえばthe水浴シーン。

王宮の屋上でこっそりそれを覗くダビデ。

思わず鼻息が荒くなるタダのエロじじい想像して笑えますが、

こういうエロじじい他にも旧約で出てくるんですよ・・・。

スザンナという若い子の水浴を見て欲情してしまう長老さんです。

・・・旧約色々終わってるなぁ。

スザンナの水浴のアルテミジア・ジェンティレスキ

という女性作家が書いた絵があるんですけど


・・・そのおっさん長老マジでキモいですwww。

他の画家のもそれなりにキモイけど

上からのしかかってくる感がなんともいえないキモさを

醸し出している・・・嫌いじゃないw。

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