3話 中編
ね…眠いです。ボーっとしながら書いているので、どっか間違えたらごめんなさい。
渡された資料に書かれた場所に着いた。とても荒れた場所だ。
「本当に、殺人鬼がいますって感じの場所だな」
その日から、インビジブルが居そうな場所に行って、浮浪者や暴力団関係人物などとケンカ三昧の日々を送り、私の体は傷だらけになる。
でも私は、理想の男らしい体に近づけたようで、嬉しかった。
そして今日は、ある暴力団にケンカを売る。しかし、弱かった。
「なんだ…この程度なのか…」
私は暴力団組員のボスを掴み上げる。
「ちょっ、ちょっと待て!俺たちはこの地区じゃ弱い方なんだ!だからもうやめてくれ!」
「じゃあ、インビジブルの情報を教えろ」
「あぁ、あいつか。たまに会うよ。お前と同い年ぐらいの、弱そうな女だった」
「女?」
資料に書き込んでおくか。
「女だ。間違いない。力の弱さを殺しの技術でカバーしているらしい」
「他は?」
「地図を貸してくれれば、インビジブルがよく表れる場所に印を付けてやる」
「よし、書け」
暴力団のボスに印を付けてもらった。
やっと一歩前進か…。
しかし後日、インビジブルは柿島 要人と言う男だと言う確定情報が入ってきた。
「あの野郎!嘘の情報教えやがって!印の場所にも誰もいなかったじゃないか!……あれ?じゃあ、あいつは何故インビジブルを女だと言ったんだ?…まぁいい。私は私の任務を遂行すればいいんだから」
柿島が現れる場所に行くと…。
「……もしかして、あの、体育座りで頭に段ボール箱被っているやつか?」
話し掛けづらいな…。とにかく、なんとかこいつの指紋とDNAを採取しなければ…。
苺島は手袋をはめ、上着の胸ポケットに入っているボールペンを、柿島の目の前に向かって転がす。
「おや、ボールペンがないどこに行ったんだろうなー」
ヤバい…演技が下手すぎる。完全に棒読みになってしまった…。
「…………ん」
「お、おお、ありがとう」
よかった、なんとか拾ってくれた。このボールペンを袋に入れて…これで指紋はOK。あとはDNAを採取するため、体液か髪の毛か…。
「お前、なんで段ボール箱被っているんだ?」
苺島は柿島に近づく。
「……寒いから」
寒いからって言っても、それを取ってくれなきゃ邪魔で採取できないんだよ!
その時、突如突風が吹き、柿島の被っていた段ボール箱が吹き飛ばされた。
よし!ナイス風!
「……」
「ちょっ、行くな!」
飛ばされた段ボール箱を取り行こうとする柿島を、苺島は腕を掴んで引き留める。
「……何?」
うわぁ、不機嫌そう…。
「えっと、その……えいっ!」
「痛っ!」
苺島は、ヤケクソで柿島の髪の毛を1本抜く。
「か、髪にゴミがついていたんだ。…さらば!」
こうなったらどこまででも逃げてやる!
数分後。
あれ?追いかけてこないの。まぁいい。髪の毛ゲットできたんだからな。
その後の化学班の調査により、インビジブルの唯一残した証拠品のDNAと、柿島のDNAは一致した。
警察の人々は素早く逮捕状を作り、インビジブルの逮捕に向かう。そして、私も同行させてもらった。
「柿島 要人だな。お前を逮捕する」
「……」
柿島はゆっくり立ち上がり、そして逃げた。
「逃げた!追うぞ!」
私は同僚と共に、逃げた柿島を追う。しかし、インビジブルなら私たちを殺してから逃げるんじゃないのか?
「よし!苺島はそっちから回り込め!」
「はい!」
そして、私たちの連係プレーにより、逃げた柿島を捕まえる事ができた。
「俺は連絡してくるから、苺島はそのままそいつを押さえていろ!」
「分かりました」
「…………ゲームオーバー…」
「?」
こいつ、何を言っているんだ?
柿島 要人が気になった私は、インビジブルの資料を見直した。
「インビジブルを見た、唯一の生き残りか…」
『6才の女児、押し入れに隠れて生き残る。
心の傷は深いものと思われるが、当時出かけていた父親の要望により、精神病院で治療する事もなく、今は父親の家で暮らしている。
女児の証言。
「みぎてにきずがあった」
女児を担当した上田刑事によると、右手の甲の下に傷があると言う。』
手の傷…柿島の右手の甲の下にもあったな。
『この事件担当上田は、突然同僚に発砲して大怪我を負わせたり、意味不明な言動が目立ち、現在精神病棟に入院中。これもインビジブルのせいなのか?』
上田か…こいつも調べてみるか。
私の父さんが殺されたのは私が8才の時。インビジブルが私と同い年なら、8才で私の父さんを殺したことになる。それはありえないだろう。やはりあの人が言うように、インビジブルは殺し屋を雇って父さんを殺したのか?
…よく分からん。でも、殺意や憎しみは幼い子供でも持つ事ができるからな。
柿島 要人は裁判で死刑になり、特殊な刑務所に送還されたと聞いた。そしてその半年後、私は友人の家で酒を飲み、ある事件を起こしてしまう。
「お前はどう足掻いても男にはなれないんだよ」
「…なんだと?」
「だからもうトレーニングなんてやめろよ。どうせ無理だって」
「無理じゃない!私は…男のような力を手にするんだ!」
「女のお前に出来るのか?」
「私を…女扱いするな!」
怒りにまかせて友人をおもいっきり殴った。血がでても、相手が嫌がっても、殴りすぎて私の指が折れても、私は友人を殴り続けた。
そして、気が付けば病院のベッドの上。
「気が付いたかい?」
「警察庁長官様…何故ここに?」
「君は友人を殴り、そして君も感情が昂ぶりすぎて気絶した。そんな君のお見舞いに来たんだよ」
「わざわざすみません。…あの、友人は?」
「鼻を粉砕骨折、顎も砕かれ肋骨も折れていた。全治6ヶ月だそうだ」
「……すみません、反省しています…」
「君はもう警視総監ではなく、ただの一般人になった。でも、警察関係の仕事をしたいかい?」
「…できるのならばしたいです」
「分かったよ」
警察庁長官様は持っていた鞄の中から、1枚の紙を取り出した。
「この刑務所では、『死刑囚特別プロジェクト』を行っている。君は看守となり、このプロジェクトの一員となるんだ。もちろん、この仕事はかなりの精神力がいる。君にできるか?」
「分かりません…でも、やります!」
「…この仕事が上手くいったら、君がもう1度警察官になれるようにしてみるよ」
「ありがとうございます!」
こうして、私は『死刑囚特別プロジェクト』に参加する事になったんだ。
後編に続きます。深夜更新予定です。