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一人百物語 動物編

すりすりすり

作者: 犬猫夜行
掲載日:2026/07/18


二十年以上前、うちに毎日餌を食べに来ていた野良猫ネモが猫エイズの悪化により具合が悪くなり、もう野良生活をするのは無理なため、うちの中に入れる様にした事があった。

獣医にも診せ、治療もしてもらったが不治の病の進行を止める事は出来ず、ネモはしばらく後に亡くなった。

それから数日後、当時の愛犬マイケルを散歩させていると


すりすりすり…


と。私の足元に何かがすり寄って来た。

その場所は、私がマイケルを散歩させているとは亡くなったネモがどこからともなくやって来て、いつも私とマイケルにすり寄って挨拶をしていた場所だったため

(ああ、ネモだ)

と。

ネモが亡くなった事をすっかり忘れてそう思い

「何?」

と足元を見下ろすと

そこには何もいなかった。

それを見て

(あっ、そうか)

と思い出した。

しかし、確かに。

いつもネモがしていた様に、何かが私の足にすりすりと…?

「あいつ、来てた?」

と、マイケルに聞くと

マイケルは私を見上げて尻尾をふるばかりだった。

「来てたんだよね」

私はそのマイケルにうなずいた。


その話を動物を飼っている何人かの友人たちにすると

「うん。そーいうの、あるよ」

「あ、私もあるある~!そーいうのっ!」

「私もあるよ」

と、異口同音にそれぞれ言った。

そーいうのは


< あ る >


らしい。


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