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百鬼華族の嘘つき令嬢は、護られたくない。

作者:楠木 悠衣
最新エピソード掲載日:2026/03/30
「──あなたのような下等な護衛に、この私の何がわかるというの?」

その瞳は、氷のように冷たかった。 でも俺は知っている。あの夜、彼女が一人で泣いていたことを。

春宮 蓮(はるみや れん)──元・陰陽師の末裔でありながら、妖力を一切持たない「ただの人間」。しかしその代わりに、異常なまでの観察力と、相手の嘘を見抜く天性の直感を持っている。

ある日、蓮は謎の老人から一通の手紙を受け取る。

「メゾン・ド・百鬼夜行──そこで、あの方をお守りしなさい」

指定された場所は、東京の一等地に聳え立つゴシック様式の超高級マンション。そこは妖怪の血を引く名門華族の子女だけが住まうことを許された、秘密の楽園だった。

蓮が護衛対象として命じられたのは、百鬼華族の頂点に君臨する九尾の狐の末裔──鳳条院 雫(ほうじょういん しずく)。

白銀の髪に紅い瞳。完璧な微笑み。淑やかな所作。華族社交界において「氷の華」と呼ばれる彼女は、あらゆる者を言葉巧みに操り、決して本心を見せない。

「私に護衛は不要よ。帰りなさい」

初対面で突き放す雫。しかし蓮は気づいてしまう──彼女の完璧な微笑みの奥に隠された、僅かな震えに。

このマンションでは、妖怪の血が濃い者ほど力を持ち、序列が高い。そして序列を守るため、令嬢たちは互いの弱みを探り合い、心理戦を繰り広げている。「本性を見せた者が負ける」──それが百鬼華族の絶対のルール。

雫が冷酷なのは、強いからではない。弱さを見せれば、すべてを奪われるからだ。

蓮は護衛として雫の傍に仕えるうち、華族の令嬢たちが織りなす壮絶な心理戦に巻き込まれていく。嘘と嘘が交差する仮面舞踏会(マスカレード)。信じた者が裏切られ、疑った者が真実を見失う世界。

だが、蓮にはひとつだけ武器がある。

「──嘘、だろ。お前、本当は寂しいんだろ」

嘘を見抜く目。仮面の奥を覗く力。それは妖力ではない。ただの、人間の「想像力」。

百鬼華族の令嬢たちが張り巡らす嘘と謀略の中で、たった一人の「嘘を見抜ける人間」は、氷の令嬢の心を溶かすことができるのか──?

これは、嘘つきたちが本当の気持ちを見つける、あやかしセレブの恋愛心理戦。
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