22 コンタミネーション
その頃、迂回してきた隊列に残っていたのは教授と警備員だけだった。警備員はすでに弾薬を使い果たし、顔は血と泥にまみれている。手には護身用の警棒を握り、必死に迫る脅威を押し返しながら、教授をかばって前へ進んでいた。欠けかけた月がかすかな銀の光を落とし、まだらの石壁や絡みつく蔓の上に砕けた光の斑を投げかけている。二人は血に染まった小径を抜け、蔓に覆われた芝生を回り込む。やがて学生寮の区域が見え、スタジアムはすぐそこまで迫っていた。
その時だった。警備員の後ろを歩いていた教授が、突然短剣を振り上げ、何の前触れもなく警備員の背中へ突き立てた。
不意を突かれた警備員は、くぐもったうめき声を漏らす。刃は深く肉を裂き、血が激しく噴き出した。彼は目を見開き、怒りと苦痛に満ちた声で叫ぶ。
「気でも狂ったのか?!教授!」
教授の口元は歪み、瞳には冷たい無機質な光が宿っていた。体内では緑色の液体がゆっくりとうごめいている。警備員は戦慄しながら叫んだ。
「いつから……蔓に侵されていたのですか?!」
教授は低くかすれた声で答えた。その声には痛みと陰鬱な冷気が混じっていた。
「あなた方と合流する前だ……キャンパスの外縁で、蔓に不意打ちされた。切り落として逃げたが……断ち切った蔓の一部が、すでに体内へ潜り込んでいたことに気づかなかった。奴らは毒蛇のように潜み、少しずつ神経を侵していき……やがて、私の身体を完全に支配した。」
彼の瞳がかすかな緑光を帯び、口元に歪んだ笑みが浮かぶ。
「さあ……無駄な抵抗はやめろ。われわれに加われば、痛みは消える……それが永遠の解放だ。」
警備員は歯を食いしばり、警棒を振り上げて怒鳴った。
「ふざけるな!」
二人はたちまち取っ組み合いになり、血に染まった寮区の通路で、再び凄惨な殺し合いが繰り広げられた。激しいもみ合いの最中、草むらの奥に潜んでいた蔓が毒蛇のように跳ね上がり、瞬時に警備員の手首と足首へ絡みつく。そのまま彼を地面へ叩きつけた。
警備員は必死に暴れ、警棒で蔓を叩きつけながら怒声を浴びせたが、次の瞬間、鋭い蔓が胸を貫いた。血が石壁と床石に激しく飛び散る。
警備員の口から血が溢れ、目は大きく見開かれ、全身が激しく痙攣した。
彼は感じていた――まるで灼けた毒蛇のような蔓が体内へ潜り込み、肉を裂きながら背骨に沿って狂ったように広がっていくのを。
耐えがたい激痛の中、彼は歯を食いしばり、舌を噛み切って自害しようとした。だが、別の蔓が瞬時に顎へ巻きつき、頭を強引に固定する。
苦痛と恐怖の中で、彼はただ見ていることしかできなかった。蔓が手足へ食い込み、皮膚の下で不気味にうごめき、血管が浮き上がり、指先が異様な緑色へと染まっていくのを。
意識は次第に遠のき、耳元では蔓がざわめくような囁きが響いた。警備員の唇は震え、血泡を吐き、瞳の光は徐々に消えていく。
そしてついに、引き裂くような絶叫とともに、蔓が後頭部へ潜り込み、神経を完全に掌握した。
やがて彼はゆっくりと立ち上がる。瞳は緑色に光り、顔にはまだ苦痛の名残が刻まれていたが、すでに完全に植物の傀儡と化していた。
教授は口元に不気味な笑みを浮かべ、静かに言った。
「ようこそ……我が友よ。」
植物の傀儡となった警備員の喉から、かすれた声が漏れる。
「……この……くそったれが……ぐあっ……!」
怒りと無念が胸に渦巻いていたが、もはや抗う力は残っていなかった。
二体の傀儡は肩を並べて歩き、その姿は寮区の影に溶け込みながら、静かに教棟の方へと消えていった。夜風は再び甘く生臭い死の匂いを運び、血にまみれた小径を吹き抜ける。
暗い芝生の奥には残骸と無数の血痕だけが残され、蔓は夜風の中でひそやかにうごめき、まるで次の獲物を探しているかのようだった。孤独な警報音が、死のように静まり返ったキャンパスに響き渡る。大学全体がまるで死地と化したかのように、血と恐怖だけが永遠に漂っていた。




