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第1話:始まり

連載しているのとは違う作品を書きたくなっちゃって書いてしまいました。

さて、ここで一つお伝えせねばならないことがある。

 

俺、こと帝崎聖夜(みかどざきせいや)は天涯孤独の身である。


 俺、こと帝崎聖夜は人間ではない。


 いや~、気持ちは今でも人間ですけどね!


 事の起こりを話すとすれば、やはり俺の両親のことからだろう。

 




父、帝崎琢磨(みかどざきたくま)と、母、帝崎・クリスマス・アリスがある日、突然失踪した。

 

当時、俺は十二歳。


 しかも、両親の失踪日は俺の小学校の卒業式当日だった。


 父さん、母さん。


贅沢は言いませんが、もう少し息子に関心を持っては頂けないでしょうか?




両親が失踪して一年が経つ頃、俺の下に二人の死亡通知が届いた。


それまではお隣さんたちや周囲の人が良くしてくれたので、実際生活に困ることはなかった。


だけど、二人は死んだらしい。


うーん。


さて、これからどうやって生活していこうか?


今までのように、ご近所さんのお世話になってばかりではいられません。


あれ? 


両親が死んだということは、その息子である俺は、施設送りの刑になるのかな?


そう思い悩むのは当然のことだと思う。


だって、その頃の俺ってまだ十三歳の子供なんだもん。


「よし」


死亡通知が届いてからの俺の行動は、両親の死を嘆き悲しむことではなく、両親の預金口座をチェックすることだった。


葬式を上げようかとも思ったが、二人の遺体は無い。


それに、俺と同じで父さんは天涯孤独の身だと言うし、母さんは実家を飛び出して駆け落ち同然に父さんと一緒になったと言っていたから、二人の死を知らせる知人もいないわけで。


まあ、実際は父さんと母さんが死んだなんて信じられないという思いがあったからなんだが・・・。


だってあの二人って、息子の俺が言うのもなんだが、色々と反則な存在だったからな。


そんなわけで、俺は両親の預金口座を確認することにしたのだった。




驚きました。


どうして今まで口座を確認しなかったんだろう?


預金額が半端じゃない額だった。


例えるなら、ロールプレイングゲームで所持金がマックス状態。


頭の悪い例えでごめんなさい。


うん、嫌味な感じで例えると次のようになります。



あ~、ゲームも飽きたな~。


うーん、そうだ!


油田を買おう!

 

 

旅行に行きたいけど、飛行機のチケット買うのもめんどくさいな~。


 そうだ!


 空港と、その他諸々を買おう!



 あれ?


 さっき以上に頭が悪いことに?


 「大丈夫だ、俺」


気のせいだと自分に言い聞かせました。



一夜にして億万長者というか、十回以上人生を豪遊してもまだお釣りがくる程の剛の強者になってしまった俺。


ここで一つ疑問に思いました。


父さん、母さん。


あなたたちは一体どんなご職業だったのでしょうか?




そういえば、小学校一年生時に先生から、


『お父さんとお母さんの職業を書いてきてね』


と宿題を出されて、宿題のプリントを両親に渡した記憶がある。


両親がどんな仕事をしているのか興味を持った俺が、プリントを見ようとすると、母さんからのありがたい一言を貰った。


『人間知らない方がいいこともあるんだよ~』


幼心に母さんの笑顔に恐怖を感じて、どんな職業か聞けなかった。


両親の職業に興味を持ちながらも、二人がどんな仕事に就いているのかわからないまま、先生にプリントを渡すことに。


笑顔でプリントを受け取った先生は、プリントに目を通すと、素敵な笑顔のまま固まられた。



次の日、学校に行くと何故か俺にボディガードが就いていた。


両親の話によると、ボディーガードは先生の好意なので断るのは失礼だとか。


俺の心の平穏もガードしてもらいたかった。


その後、俺が小学校を卒業するまで約六年もの間、ボディーガードとして俺を守ってくれていたシュタイナーという強面のおじさんと強制的にお付き合いさせられたわけで。

 

このシュタイナーというおじさんは、とんでもなく優しい人だった。


 しかし、あまりに凶悪な表情の為、誰も彼に近づこうとしなかった。


 必然的に、小学校に通っていた六年間の間で、俺にはただの一人も友達が出来なかった。


 俺の青春を返して。


 仕事で小学校の卒業式に来れない両親に代わり、シュタイナーさんが卒業式に来てくれ

た。


そして、卒業式後すぐに、シュタイナーさんは帰国することになった。

 

帰国前にシュタイナーさんは言った。


 『聖夜くん。信頼できる友達を作るんだよ』


 その機会を奪った当の本人が何を仰るのやら。


 シュタイナーさんに対して怒りはなかったが、少し呆れたことはあった。


 そんなことを考えて家に帰ると、家には誰一人として住人がおらず、その後、両親が失踪したのだと周囲の人間に教えられたのだった。


みなさんからの感想まってまーす!

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