第5話 人垣
ご主人様は凄くモテます。
どれくらいと聞かれたら困りますが。物凄くとしか言いようがありません。
お貴族様のパーティーについていった時も、たくさんの綺麗な女性達に囲まれてました。
これからもずっと囲まれ続けると思います。
今、目線の先の光景みたいに。
わらわら。
「カーライル様! 聞いてくださいよもう。この間、こんな事があってぇ」
「カーライル様、もっとお話ししたいですわ」
「カーライル様、こっち見て!」
すごいです。女の子たちでご主人様ノ姿が見えません。
人垣が分厚すぎますっ!
「むー」
「チヨ、何をむくれている」
「ひぁあ! ご主人様、いつの間にっ!?」
「退屈だ。話し相手をしろ。他の女共と話をするより、お前をからかっていた方が何倍も楽しい」
人垣の中心からどうやって抜け出てきたんでしょう?
とっても不思議、摩訶不思議ですっ!
摩訶不思議なアドベンチャーズですね。
「ご主人様はとってもモテてますね。性別違いますが羨ましいです」
もちろん訳は「ずいぶんと楽しそうでしたね。異世界のイケメンリア充めっ」です。
ご主人様が面白がって私のほっぺをつんつんしてきますが、私はぷいって顔を背けます。
私のお顔は玩具じゃないですよっ!