どちらまで?
念願のあの場所へ
「どちらまで?」
「幾つか行きたい所が有るのですが良いですか?」
上品な老婆は、そう言い微笑む
「勿論」
「〇〇高校へお願いします。」
「それでは出発いたしますのでシートベルトの着用をお願いします。」
運転手がそう言うと、そのタクシーは走り出した。
「お客さん〇〇高校に着きましたよ。」
「ありがとうございます。運転手さんもご一緒に来てくださらないかしら」
「勿論」
「あの日も今日と同じくらい暑い日で私は窓際の席でしたから窓を開けて授業を聞いていたの、
水泳の授業の後だったから疲れて私は眠たくなったから机に突っ伏していたのだけれど、
ふと外を見ると彼が居たの。彼は私の教室から中庭を挟んで反対側の教室で、窓際の席、
何時も寝ていたけれど、そんな彼に私は惹かれていったの。
仲良くなってからは中庭ごしに先生にバレないようにノートで会話したり、
口パクで話したりしていたのよ?」
そう女性は楽しそうに話す。
「今度は××山へお願いできますか?」
「勿論」
「お客さん××山に着きましたよ。」
「ありがとうございます。また、ご一緒してくださらないかしら」
「勿論」
「此処は、そんな彼と登った小さな山。
本当は頂上まで登りたかったのだけれど夕方で肌寒くなって途中で下山しちゃったの...」
「その後は、お二人共、風邪は引きませんでしたか?」
「仲良く風邪を引いたわ。今では笑い話ね」
女性は微笑みながらも、どこか悲しそうに話した。
「お次はどちらへ」
「運転手さん、少し冷えない?一緒に、一杯だけどうですか?私、良いbarを知っているの」
「勿論」
「じゃあ決まりね。bar□□まで、お願い」
「承知いたしました。」
「私達は何時も此処に座ってアイリッシュコーヒーを飲んでいたの。ほら美味しいでしょ?」
女性は得意げに話す。
「確かに。これは身も心も癒してくれますね。」
「運転手さんの奥さんは、どんな方だったのですか?」
「私の妻は仕事一筋の私に嫌な顔を1つせずに、ずっと私の側に居てくれました。
彼女に先立たれた時から後悔しかないのですよ。」
「大丈夫ですよ。きっと奥さんは幸せでしたよ。それに、もう直ぐ会えるじゃないですか」
「そうですね、楽しみです。」
「ご馳走様でした。温まった事だし次の目的地までお願いして良いかしら」
「かしこまりました。」
barを出た後二人は星空が綺麗な崖に来ていた。
「此処で彼にプロポーズされたの。」
「左様でございますか。」
「あの夜も桜が満開だった。あの桜の下で私は指輪を受け取ったの。
運転手さん私をここまで送って頂きありがとうございます。」
「良いんですよ。今度は貴女を此処まで送れて良かったです。」
「お代は、どうしたら良いですか?」
「大丈夫ですよ、行きがけの駄賃ですから。ほら、お迎えが来ましたよ。」
今月は別の趣味に労力を費やした為、昔メモ帳に書いた話を投稿しました。
甘えてすみません...
正直この話を読み解くのは不可能(私でも最初何の話か分からなかったw)なので、
難しく考えず「こういう話なんだな。」と思っていただければ幸いです。
来月はちゃんと書きます。(たぶん...)