第1話 ジャンプをする時は、助走を付けて勢いよく
新作始めました。
ひと段落するまでは毎日登校の予定です。
少女は語る。
「私のことが大好きな美少女だらけの部活を作りたいの」
夕暮れに染まる教室で、威風堂々と。
目の前のたった一人に向けて語り掛けている。
「そこにはいじめも差別も無い。誰もがいつも笑顔で、仲良しなの。もちろん、ちょっとした喧嘩をすることもあるかもしれないわ。不運に躓いたり、理不尽に嘆いたりすることもあるかもしれない。でも、最後にはいつも何とかなる。雨降って地固まる、みたいに部員たちは困難を乗り越えた後、もっと仲良くなるの」
少女が語り掛ける姿は、凛々しく美しい。
少女の黒髪は、差し込む夕日を弾くように艶やかで。
胸を張って紡がれる言葉は、内容さえ気にしなければ、一つ一つが誰かの心に直接届くような魅力に溢れている。
「もちろん、こんなのは儚い幻想だって私もわかっているわ。現実はいつだって厳しい。ゆるふわ日常系漫画みたいな部活は、現実には存在しない。そんなことは私もわかっている。でも、だとしても、私は夢を諦めたくない。折角、高校生になったのだから、仲良しの部員たちと一緒にお風呂に入ったり、一緒にお泊り会をしたり、合宿とは名ばかりの旅行を楽しんだりしたいの」
たった一人に語り掛ける少女の瞳は、磨かれた宝石のように曇り一つ無い。
穢れを知らぬ無垢な幼子のような瞳で、堂々と妄言を吐いている。
「だから、私には同志が必要なの。同じ理想を分かち合い、共に辛い現実に立ち向かうことができる同志が! そして、その…………わ、私は、貴方が――こんな素の私を曝け出せる友達が、同志であればいいと思っているわ」
そして、少女は目の前のたった一人――大切な友達に向かって、手を差し伸べる。
視線をさ迷わせた後、頬を赤く染めながら。
それでも、力強く手を差し伸べる。
その様子は、先ほどまでのカリスマが霧散するようなおぼつかないものであったが、だからこそ、人の心を掴むものだった。
「だからお願い、この手を取って。私と一緒にハーレム部……ごほん! ゆるふわ日常系の部活を作りましょう!」
「…………えぇ」
もっとも、それは語っている内容がまともだったら、の話ではあるが。
ともあれ、これが物語の始まり。
少女――龍宮寺 明里の無茶ぶりの始まりだった。
●●●
何故、龍宮寺明里がこのような暴挙に及んだのか?
それを説明するにはまず、時間を数か月ほど巻き戻さなければならない。
中学三年生の冬。
龍宮寺明里という少女が、まだ優等生だった時まで。
雪が降っていた。
しかも、『しんしんと』などという生易しい表現の雪ではない。
荒々しい風を伴った、『びゅぉおおおおおおおお』という、怪物の唸り声のような吹雪。それは、つい一時間前まで平常通りだった駅前の道路を真っ白に染めて。
『大雪の影響により、本日の運行は――』
明里が乗る予定だった電車を運休にさせていた。
だが、駅に集まる人々は慌てない。
この地方では吹雪による運休は決して珍しいことではないからだ。
スーツ姿のサラリーマンはもちろん、制服姿の学生たちも、舌打ち交じりにそれぞれのサブプランで目的地に移動しようと駅から去って行く。
「…………」
ただ一人、呆然と外の様子を眺めている明里を除いて。
「…………はぁ」
しばらく外の様子を眺めていた明里は、やがて気だるげな溜息を吐いた。
明里は本来、この程度のアクシデントで呆然と立ち止まるようなことはない。何故ならば、明里もまた積雪地帯に生まれた東北人である。いつも通りのコンディションならば、他の人々と同様に、さっさと駅から離れて違う交通手段を求めていただろう。
けれども、今の明里にはそんな『いつも通り』をこなせるだけの気力も残っていなかった。
――――何か特別な悲劇があったわけではない。予定通りのいつも通りだったはずなのに。
明里は優等生である。
龍宮寺明里という少女は、誰もが認める優等生である。
ショートカットの黒髪には、枝毛一つ無く。色白の肌にはニキビ一つも見当たらない。分厚いコートの下に隠れた肉体は、冬でも油断なく無駄な脂肪が削られた肉体美を保っている。
隙が無く、磨き上げられた刀身のような美しさを持つ少女だった。
当然、明里は外見だけではなく、中身も隙は無い。
学業の成績は常に学年で上位三位圏内。
部活動は、バドミントンの中総体で東北大会にまで進出した猛者だ。
今だって、明里の地方では一番に偏差値が高い高校への合格発表を確認して来たばかり。
まさしく、順風満帆。
理想的な優等生とは誰か? という問いかけに、明里を知る者は誰しも彼女の名前を出さざるを得ないだろう。
そういう人生を歩んで来たし、これからもそういう風に生きて行くのだと、自他とも認める少女こそが、龍宮寺明里である。
「………………あー」
だが、明里は不意にそんな人生が嫌になった。
何か特別な悲劇があったわけではない。
今までの積み重なりだった。
色々なストレスが幼少の頃から明里に溜まり続け、『思いもよらぬ吹雪』という最後の一押しにより、決壊してしまったのである。
故に、今の明里は何もかもが面倒臭くなっていた。
動きたくない。
全てが雪に沈んでしまえばいい。
泥沼のような諦観に囚われて、身動きが取れなくなってしまったのだ。
それはもう、後五分も動かなければ、駅員が心配して顔をして声をかけようかと思っていた程度には、今の明里は生気に欠けていた。
「ねぇ、君。どこか調子が悪いの?」
だからこそ、駅員に先んじて声をかける者が居たとしても、それは珍しいことではなかった。
明里は美少女である。
異性だけではなく、同性すら見惚れさせるほどの美少女である。
いつもの抜身の刃の如き気配を纏っていたならばともかく、このように気の抜けた状態ならば声をかける者も現れるだろう。
「…………」
ただ、今の明里はストレスが決壊した危険物だ。
いつもは優等生の微笑みでスルーするところを、睨みつけるように声をかけて来た人物の方向へと向き直る。
善意を装ったナンパ相手ならば、八つ当たりのように怒気を込めて退散させてやろうと、その姿を確認して――――驚愕で目を丸くした。
「ひょっとして、寒い? あー、カイロとかあるけど使う? 背中とかお腹に張ると、少しは気分がマシになると思うんだけど」
美少女だった。
少なくとも、明里にはそう見えた。女性にしては低めの声質で男子と勘違いしていたが、それすらも魅力的だと思わせるほど、眼前の少女が美しかった。
背中まで伸びた茶髪のロングヘアー。
心配そうにこちらを覗き見る、黒曜石のような瞳。
中性的で、髪の長さが違えば少年と勘違いしてしまいそうになる顔立ち。
そして、首元に映えるロングマフラーに、ダッフルコートの下から見える制服のスカートと、厚手のタイツに覆われた健康的な足。
――――完璧だった。
何が? と問われると明里本人も困るだろうが、ともあれ、明里にとって声をかけて来た美少女と言うのは、好ましい容姿の持ち主だったのである。
「ちょっと、寒いかもしれないわ」
従って、明里は直ぐに怒気を退散させた。
自分のことを外見だけで判断する人間を嫌う明里であるが、その本人は好みの外見に対して甘くなる人間性の持ち主だった。
「そう、じゃあ、はい。カイロあげるね?」
「ありがとう、助かるわ」
「うひゃっ!? つめたっ! 本当に指先とか冷たくなってるよ!?」
「ええ、電車がいきなり運休になって困っていたの」
カイロを受け取りながら、明里はさりげなく親切な美少女の指先に触れる。
指先から伝わってくるのは、自分よりも熱い体温と、すべすべとした肌触り。
ストレスが限界に達していた明里は、こういうことに癒しを感じていた。自分がそういう風な対応をされるとドン引きすることは、完全に棚に上げての行動だった。
「うーん、この雪だと運行が再開するか怪しいなぁ……ええと、頼れる連絡先とかは?」
「一応あるわ。でも、この雪だと迎えに来てくれるのは、早くても一時間後ぐらいね」
「となると、んんんー」
美少女は小首を傾げて悩んだ後、おずおずと明里へ提案する。
「駅前から少し歩いたところに喫茶店があるけど、そこで時間を潰したらどうかな?」
「貴方も一緒に?」
「僕も一緒に!? いや、それだとナンパみたいに…………あー、うん。そっか、そうだったよ、柄になく慌てて忘れていたみたい」
明里からの思わぬ言葉に、美少女は露骨に狼狽して悩み始める。
何やら色々と考えている様子だったが、それを眺めている明里の思考は『僕っ娘可愛い! この現代ではとても貴重! 是非ともお近づきになりたい』と俗なものに染まっていた。
普段ならばもっとまともな思考なのだが、今の明里はストレスによって理性が崩壊している。故に、いつもなら絶対にやらない言動を付け加えた。
「あら、ナンパじゃなかったの?」
悪戯っ子のように微笑みかける明里の言葉に、美少女は目をぱちくりと瞬かせると、緩やかに笑った。
「うん、ナンパだったかもね?」
明里と美少女はしばらくの間、顔を見合わせて笑い合った。
「私、龍宮寺明里。一ツ橋の中学三年生」
「僕は霧崎 理央。双海の中学三年生」
「同い年か、奇遇ね?」
「まぁ、この時間帯に電車を利用する人は、大体合格発表を見に行った帰りだから、珍しくもないけどね?」
明里と理央。
二人はこうして、しばしの間、喫茶店で言葉を交わすことになったのである。
●●●
明里は昔から優等生というわけではなかった。
むしろ、幼少の頃は手の付けられない問題児として周知されていたらしい。
明里本人としては、今時珍しく『元気に外で遊ぶ良い子』という認識だったのだが、確かに、今から思い出せばヤンチャなエピソードが幾つも出てくる。
近所の男子を全員殴り倒して舎弟扱いしていたこと。
学校の机の中に、無数の虫の巣を形成してしまったこと。
学校にエアガンを持ち込んで、サバイバルゲームの大会を無断で開催したこと。
その他、明里本人ですら覚えていない数多の所業が重なった結果、明里の母親は心労で倒れることになった。
幸いなことに母親は重病にはならなかったが、流石の明里もこれには堪えた。
加えて、父親から『頼むから普通に生きてくれ』と泣きながら土下座をされたのならば、自分の行いを省みざるを得なかっただろう。
以降、明里は心を入れ替えて真面目に過ごした。
如何にも『普通』の優等生として。
自分のやりたいことは押し殺して。
社会規範に則って、周囲の手本となるように努めたのである。
そして、結果としてその試みは上手くいった。
中学三年生の現在、明里は周囲から尊敬を集める『真っ当な優等生』だ。高校受験にも順当に成功し、両親も自慢の娘として鼻高々としているだろう。
けれども、つまらない。
明里は心を入れ替えたその時から、ずっと退屈だった。
何もかもが面白くない、というわけではないが、心の底から笑えた経験は皆無。何時だってお上品な愛想笑いと、凛々しい優等生の仮面で普通を演じていた。
段々と、雪のように積もって行くストレスには見て見ぬふりをして。
ずっと、ずっと退屈で平穏な日常を過ごして…………今日、この時、それが限界に達してしまったのだった。
――――ということを、明里は自分の都合の良いように脚色して、理央へと語った。
「結局、私のやりたいことなんて周囲の害悪でしかないの。本当の自分を殺して、周囲に迎合して過ごすのが一番なのよ」
如何にもしおらしく。
傷ついた美少女を演出しながら、明里は己の過去を語っていた。
喫茶店でホットココアを二杯ほど飲み干したおかげか、明里の舌は絶好調だった。手足からもすっかりと寒さが消え去り、とても快調である。
むしろ、理央へと語っている最中は、胸のあたりが熱いぐらいだった。
「うーん、そうかな? 僕は今の龍宮寺さんしか知らないけど、十分に魅力的に見えるんだけどな」
紅茶の入ったカップを口元に傾ける理央の姿を見ると、その熱はさらに上がっていく。
やはり好みだと、明里は理央に対する好意を再確認した。
とはいっても、明里の好意は性欲でも恋愛でもなく、『コンテンツ』に対するものに近い。いわゆる、『推し』というものだ。
好みの外見の相手と近づきたい、友達になりたい、一緒に過ごしたい。
今の明里は、そういうちょっと拗らせた欲望に満ちている。
「ふふっ、嬉しいことを言ってくれるわね。でも、それは本当の私を知らないからよ」
「本当の龍宮寺さんって、今もまだ猫を被っているってこと?」
「ええ、それなりに素を晒しているけれど、私はまだ猫を被っているわ。だって、私はやりたいことを抑え付けないと、周りの迷惑になる存在だもの」
「…………だったら、試しに今、何がしたいか言ってみてよ? 僕がそれを受け入れられたら、君の自虐は間違っているってことになるよね?」
故に、明里は内心で『計画通り』とほくそ笑んだ。
テーブルを挟んで対面した理央は、使命感に燃えているような表情で明里を見つめている。
ここで上手いこと適当な要求を見繕えば、後は良い感じに進展するはず。上手く行けば、連絡先も交換できるかもしれない。
ただし、全部が嘘ではいけない。それでは不自然になってしまう。明里が語った内容はほとんど本音であり、脚色はしても虚飾はしていない。だからこそ、上手く同情を引くことができているのだと明里は理解している。
つまり、ここで語るべきは本音。
けれども、心の底から抱いた願望をちょっと抑えたものがベスト。
そのように判断した明里は、如何にも勇気を振り絞ったという表情で理央へと告げる。
「じゃあ、貴方の胸を揉んでもいい?」
「…………えっ?」
そして、理解不能といった様子の理央を見て、即座に理解した。
あ、やらかしてしまったぞ、と。
「えっと、あのね……うーん」
「待って、違うの。勘違いがあるわ」
どうしたものかと悩み始める理央へ、明里は慌てて弁解を始める。
「そういうアレではないの。こう、ね? 女子同士がおふざけで胸を揉み合うとか、そういう? ちょっともう、やめてよー! みたいな? そんなやり取りをしたかっただけなの!」
「…………龍宮寺さんの学校の女子は、そういうことするの?」
「そういうことをしなかったから憧れがあったというか……ほら! 日常系のゆるふわ漫画で『きゃっきゃっ♪』って、可愛い美少女たちがやるような、ちょっとエッチな絡みというか!」
「ちょっとエッチだっていう自覚はあったんだ……」
「ちょっとエッチだとは思っているけれど、不純な気持ちではなく、純粋で無垢な気持ちからくる要求だったの。私の中では憧れだったの」
なお、必死に言い繕っている明里であるが、抑えていない願望では『ほっぺにキスぐらいはありかもしれない』と考えていたので、完全に他人との距離がバグっている。
常識的に考えれば、初対面の相手に胸を揉みたいと告げればドン引きは必至だろう。
ただ、どうやら理央は常識から外れた存在だったらしい。
「うーん。まぁ、胸を揉むぐらいならいいけどさぁ」
「――ほんとっ!?」
普通であれば、このまま『じゃあ、さようなら』とドン引きのまま帰られても仕方のない明里の要求だったが、理央はそれを受け入れた。
露骨に目を輝かせ始める明里とは対照的に、『どうしたものか』という微妙に困った表情を浮かべてはいたが。
「ただし、揉んだら後悔することになるかもよ? 僕が本当の龍宮寺さんを知らなかったみたいに、龍宮寺さんだって本当の僕を――」
「きゃっきゃっ♪ きゃっきゃっ♪」
「行動が早すぎる」
神妙な顔つきで何かを教えようとする理央の胸を、明里は躊躇いなく揉んだ。
それはもう、素早く理央の隣の席に滑り込んで、周囲から見えないように工夫を凝らしながら、芸術品にでも触れるような手つきで触った。揉んだ。口で効果音を出しながら、全神経を掌に集中させていた。
「――――ああ」
正直、揉んだ感触は明里が望んでいたものではなかった。
理央の胸は想像以上に平たく、貧乳ではなく無乳と呼んだ方が良いものだった。
しかし、だ。
明里にとって肝心なのは揉んだ感触ではない。感触を求めているのならば、自分の物を揉めばいいだけの話だ。
肝心なのはそう、『受け入れられた』という事実だ。
周囲にとって害悪でしかない自分の欲望。いかに抑えたものとはいえ、それを理央は受け入れてくれたのだ。
「う、ううっ……私、生まれて来てよかった……」
「そんなに!?」
明里は感動のあまり、ボロボロと涙を零し始め、その様子に理央は今度こそドン引きしていた。
「ありがとう、ありがとう、理央……」
「さりげなく呼び捨てにしてる。爆速で距離を詰めて来てるよ、この人」
「私のことは明里って呼んで……」
「え、まぁ、それもいいけど」
「連絡先を教えて? SNSやってる? 冬休み、予定空いてる?」
「近い近い近い、物理的な距離も、精神的な距離も近いから!」
「友情の証として、今度は私の胸を揉んで?」
「友情の証はともかく、揉まない! 流石にそれは問題があるから!」
「問題?」
首を傾げる明里をぐいぐいと両手で遠ざけた後、理央は一息吐く。
「ふぅ、やれやれだよ。そんなに焦らなくても、君が合格発表を見に行った学校って七原だよね? だったら、僕と同じだ」
「え、運命?」
「運命かどうかはさておき…………君が僕と友達になるかは、高校でまた会った時に決めて欲しいんだ」
『待て』をされた柴犬の如き表情の明里に、理央の意図は察せない。
「多分、君はその時に、僕のことを嫌いになるだろうから」
ただ、少し悲しげに告げる言葉に、少し安堵していた。
どうやら、自分のことを嫌いになったというわけではないようだ、と。
かくして、明里と理央は一時の別れを得ることになった。
時間にして数か月。
冬休みが終わり、卒業式を迎えて。
無事に入学式へと辿り着いた明里は、ついに理央と再会することができたのである。
そして、ようやく話は現在へと戻る。
●●●
明里は大切な友達――理央に向かって思いの丈をぶちまけた。
数か月分、凝縮されたが故に色々と想いが溢れすぎている部分もあるが、間違いなく真摯な告白だったと言えるだろう。
友達になるかはまた会った時に決めよう、と言っていたのに、明里がすっかりと友達気分だったのもこの際、問題ない。
そう、この場で問題なのはただ一つ。
「あのさ、明里。美少女だらけの部活が作りたいって言ったよね?」
「ええ、そうよ」
理央は『短い黒髪』を掻きながら、呆れたように告げる。
マフラーに隠されていない、『喉仏』を動かして言葉を紡ぐ。
「僕はこの通り、正真正銘の男子なんだけど、それでもいいの?」
明里とは異なる、『男子の制服』を着た姿で。
自分の性別を偽ることなく明かして、問題を提起していた。
即ち、霧崎理央は美少女ではない、と。