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中指のたこ

作者: 檸檬koY

父の右手中指には、たこが二つできている。

ひとつは第一関節に。おそらくペンだこだろう。

ふたつめは第二関節に・・・これがよく分からない。


ちょうどお風呂あがりのお父さんがソファに座っていたため聞いてみた。


「ねえ、お父さん。右手見して。」


「ん?はいよ。」


「やっぱさ、お父さんさ、中指にたこが二つあるよね。ほら、こことここ。第一関節のやつはペンだこでしょ。第二関節のたこって何だこ?」


父はまじまじと指を見つめた。


「たしかに。何だろうこれ。今気が付いたよ。・・・たしかにたこができているね。」


「ふつうつかないじゃん、第二関節には。だから何だろうなあって気になっちゃって。」


「まあ多分、仕事で何かもって・・・かな。今は思いつかないけど。あとはなんかの癖で付いているのかな。・・・まあ、何か分かったら教えるよ。」


それから数日たって、その意外な答えが分かった。


「ジョリジョリジョリジョリジョリジョリ」


その日のお父さんは酔ったままお風呂に入ったのか、すっぽんぽんの状態でソファに座っていた。


「ジョリジョリジョリジョリジョリジョリ」


お父さんから聞こえるジョリジョリ音。普段は気にもしていなかったが、これがたこの答えだった。

右手を猫の手のようにたたみ、股部分に置いて、何かをしている。さらによく見ると、中指と人さじ指の間に、あそこの毛を挟んでねじっている。


それはちょうど、第二関節の辺りで・・・


「ジョリジョリジョリジョリジョリジョリ」







読んでいただき、ありがとうございました。

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