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カウントダウン2(ナティコト視点)

 メレディスの部屋に行って、あの男爵令嬢を殺していいっていう許可も貰えたし、さっさと殺さないとなぁ。


「ナティコト様、こんばんは」

「あれぇ、ミッシェルってばボクの部屋の前でどうしたの?」

「メレディスの所に行っていたのでしょう?」

「うん、そぉだよ」

「……まあ、ナティコト様は良くも悪くも信用できますよね」

「不穏だねぇ。ボクだからいいけど、ゼシュティア兄上辺りに言ったら危ない発言だよ?」

「わかっていますよ」

「……ボク、本当にミッシェルが羨ましいなぁ」

「メレディスに愛されているからですか?」

「そうそう、愛されるっていいよね」

「ナティコト様はメレディスに愛されたいんですか?」

「えぇ? そんな風に見える?」

「どうでしょうね」

「ボク、自殺願望はないよぉ」

「知っていますよ。ただ、愛とはまた別のところでメレディスと繋がっている、と言うのも事実ですよね」

「あはは、そんな所まで嫉妬しちゃったら、この先やっていけないよぉ」

「そうですね、そこの部分は自重しています」

「ふぅん。そういえばミッシェルって、将来の希望職業は何だっけ? 人形遣いだっけ?」

「普通に家を継ぎますよ。人形遣いになったらメレディスを嫁には貰えませんね」

「そっかぁ、残念。ミッシェルが操作する人形劇はさぞかし面白いものだと思ったんだけどなぁ」

「お褒めの言葉と受け取っておきます」

「でもねぇ、見るのはいいんだけど、……ボクは演者になる気はないよぉ?」

「ナティコト様を人形のように扱うなど、それこそ命がけですね」

「だよねえ、狂った頭の持ち主にしか出来ないよねぇ」

「でしょうね」

「それで、結局用事ってなぁに?」

「そうでしたね。昨日言っていた男爵令嬢の件ですよ」

「ふ~ん? 部屋に入る?」

「いえ、すぐにすみます」

「じゃあ、……サッサと言いなよ、人形遣い」


 僅かに声を低くして言うと、ミッシェルはにっこりと微笑んだ。


「碌な教育をせずにこの学園に入学させた家族にも、責任があると思いませんか?」

「このボクにそこまでさせるつもり?」

「まさか、これはちょっとしたご提案です。王子の命令があれば、公爵子息の僕は喜んで働きますよ?」

「……ダンバート兄上が試したい薬があるって魔法薬学部で話してたんだって」

「そうですか、ではダンバート様に後程お話をお伺いに行きます」

「まあ、好きにしたら? ボクも好きにするし」

「承知いたしました」


 そう言って頭を下げてからボクの部屋の前から立ち去って行くミッシェルの背中を見送って、「こっわぁ~」と呟いてから部屋の中に入る。

 ボクのお気に入りの可愛いもので埋め尽くした部屋は、この学園で一番のお気に入りの場所。

 あ~あ、壊れちゃうんだったら無理にでもボクのコレクションにすべきだったなぁ。

 まあ、ミッシェルがどうやったのかは知らないけど、ボクのお気に入りだって知っててあの彫刻を壊したのはダメだよね。

 どうやって殺そうかなぁ。

 面倒くさいから、サクっとやりたいよねぇ。

 でも、ペットと違ってそれなりの大きさがあるから、ポキっと首を折るのも難しそうだよなぁ。


「あ、そうだ!」


 いい事を思いついていそいそと戸棚の引き出しの方に行って、中身を漁る。


「どこにやったかなぁ?」


 要らないものを放り込んでる引き出しだからなかなか目的のものが見つからない。

 何かあったら使うようにって言われて持たされた時は、いらな~いって思ったけど、今は貰っておいてよかったかもって思っちゃう。


「ん~……あ! あったぁ!」


 可愛らしいピンクの瓶に液体がちゃんと入っていることを確認して、プラプラと揺らす。

 ボク達みたいな王族や高位貴族にはならされてる結構強めの毒。

 正直何に使えっていうんだって思ったけど、うん、これにしよう。

 問題はどうやって飲ませるか、だよね。

 ……あ~あ、面倒くさいし、なんか飲み物に混ぜて渡せばいっかぁ。

 部屋で飲んでねとか言っておけば大丈夫だよね。

 それにしても、ミッシェルってば怖かったなぁ。

 メレディスに害をなすものに対して容赦がないのはいいけど、ボクをこき使わないで欲しいよね。

 王族をこき使うなんて、ゼシュティア兄上にしたら「不敬罪だ!」とか言われちゃうと思うんだよね。

 あ、だからボク?

 まあ、ダンバート兄上は行動するまでに時間がかかりそうだし、隣国の王子達がうちの国の男爵家とはいえ貴族令嬢に手を出すのはよくないもんね。

 はあ、損な役回りを受けちゃった気分だなぁ。

 それにしてもあの男爵令嬢も大概だよね。

 なにが「あたしはナティコト様が好きです、あたしだけを愛して欲しいです。あたしは絶対に離れたりしません」だよ。

 仮にも王子の洞察力と情報収集力を舐めないで欲しいものだよね。

 ボクの事を愛してないくせに好きとか言ってくるし、他の王子にも自分だけはわかってる、みたいな事言ってるの、ちゃんと知ってるんだから。

 シルバーンにも手を出してるみたいだけど、節操なしっていうの?

 高位の相手ならだれでもいいっていうあたりが呆れちゃうよね。

 あ、でもミッシェルには手を出してないみたいだな。

 出したところで無駄だけど、同学年の公爵子息なんてあの男爵令嬢のいい標的になりそうなのに、基準は何なんだろう?


「……ま、いっか」


 どうせすぐにいなくなっちゃうんだし、考えるだけ無駄だよね。

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