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精霊との出会い2

「メレディス様っ」


 愛好会のメンバーが慌てたように立ち上がって、それぞれ魔法発動の際に使用する道具をかまえるが、金色の鳥はそれを気にした様子も無く、わたくしの事をじっと見てきている。

 ばさばさと落ちてきたのはどうやら花のようで、わたくしの周辺には美しい花々が散らばっている。

 害はなさそうだけれど、どういう意図があるのだろうか?

 スカートの上にも落ちている花を一輪手に取ると、わたくしの目の前に居る金色の鳥がばさりとその大きな羽を動かす。


『契約は成立した』

「はい?」


 張り詰めた空気の中に響き渡った声とも音とも判別できないものに、思わず首を傾げてしまう。


『私はフェニックスが一羽。花を捧げた乙女を守ろう』

「はい!?」


 わたくしが驚いていると、金色の鳥がわたくしに向かって飛び込んでくるかと思い、ぶつかる、と目を閉じると、ぶつかる事はなく、ほんわかと体が温かくなって目を開くと金色の鳥の姿が消えていた。


「なにが、どうなって?」


 わたくしがそう呟きますと、一足先に正気を取り戻した会長が、金色の鳥がわたくしの体の中に溶け込むように消えたことを説明してくれた。


「契約がどうとか言っていましたが、大丈夫でしょうか?」

「わかりませんが。学園に帰ったら講師に尋ねてみた方がいいですね」

「そうですわね」


 疑問が残ったまま、お茶などを引き続き食べて気が付いたけれど、そう言えばあれだけ散らばっていた花が消えている。

 あの花も精霊が見せた幻?

 でも、しっかりと持てたし、どうなっているのだろうか。

 その後、先ほどの事を気にしつつも、まだ精霊を捕まえていない新入生の為にしばらく周辺を散策する。

 それぞれが下位精霊を捕まえたところで、親睦を深めるために休憩しようと言う話になり、しまっていたピクニックシートを取り出して再び休憩をする。

 まったりとした歓迎会だと聞いてはいたが、本当にまったりしている。

 湖の畔に座っているせいか、時折湖の水が光を反射して眩しい。

 そうしていると、どこからともなくクスクスという笑い声が聞こえたような気がして周囲を見渡すと、湖の中に美しい少女が居た。


「会長、あちらの湖の中に居るのも『精霊』でして?」

「……湖の中……」


 会長の他、皆様も首を傾げています。

 あんなにはっきり見えているのに、視えないと言うのだろうか?

 金の鳥と違って遮るものはないように思う。

 考えていると、少女はわたくしに近づいてきて、わたくしの手元を覗き込んでくる。

 わたくしの手元には口をつけていないマカロンが一つ。

 もしかして欲しいのだろうか?

 そう思ってマカロンを少女に差し出すと、少女は嬉しそうにそれを受け取り、口に放り込むと、お礼と言う感じに湖の水を一すくい分程集めて、固形化するようにうねうねと動かすと、わたくしの愛用の扇子の周囲にまとわりつかせて、扇子に定着させる。


『わたしは湖の乙女が一人。契約した乙女を守りましょう』


 扇子を開いてみると、元々鳥の模様が描かれていた扇子だが、そこに流水紋のような絵柄が追加されている。

 そういえば、扇子に描かれていた鳥は黒かったはずなのだが、いつの間にか金色の鳥になって……。

 この扇子、わたくしが魔法を発動する際に使う物なのだが、大丈夫だろうか?

 ふと気が付くと少女の姿も消えている。

 もしあれが精霊だとして、わたくしは何かをしてしまった、ということになる。

 ここに来る前に、会長が精霊の中には非友好的なものも居るから気を付けるようにと言っていたのだが、非友好的ではなかったはずだから大丈夫だとは思うが、やはり学園に帰ったら講師に確認してもらおう。


「会長、わたくしの扇子が変化しているのですが、どう思いますか?」


 そう言いながら扇子を開いて見せると、会長の肩の上に乗っていた精霊が飛び上がり、会長の背中に隠れてしまった。

 なんだろうか?


「えっと、この扇子が精霊との契約書になっているようですよ」

「いつのまに?」

「わかりませんが、おれ達が見えなかったものをメレディス様は見ることが出来ていましたし、それが関係しているのかと」

「そうですか」


 いつの間に契約したのだろうか?

 講師のいないところで契約なんて、なんだか恐ろしい。

 フェニックスに湖の乙女とは、物語にはよく出てくるけれども、自分が接触するとは思わなかった。


「それにしても、俺達の精霊が畏怖するぐらいに高位の精霊とあっさり契約するなんて、流石はメレディス様ですね」

「どのような契約なのかがわかるまでは、安心できませんけれどもね」

「あ、そうですね」


 喜んでいた先輩が一気に不安げな顔をするので、わたくしは「まあ、今はまったりいたしましょう」と、とりなすように言うと、雰囲気はまったりとしたものに変わっていった。

 まったく、一番不安に思っているのはわたくしだというのに、困ったものだ。

 学園に帰ったら、召喚魔法の講師にわたくしがどんな状態で居るのかを確認してもらわなくてはいけない。

 まあ、今のところは体調に問題もないし大丈夫だろう。

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