第38話
「いやあ、ようやく成果が出ましたなあ」
「本当に、我々の苦労もようやく報われました」
「それより用済みのブツはどうします? 特に上からの指示はありませんが」
「うーん、このまま廃棄するには勿体ない気も……」
「何かに再利用するのはどうです?」
「と、言いますと?」
「まだいくつかの脳は使えるでしょうから、槽に漬けて素材にすれば、結構なものが作れるんじゃないですか?」
「ああ、それがいい。他にも利用可能なパーツがないか見てみましょう」
「確か二体目の心臓は動いていたと思いますよ」
「一体目の耳は? ああ、駄目か、腐ってる」
「それで、これから何を作りましょう?」
「神様を作った余り物ですし、きっと素晴らしいものが出来るでしょうねえ」
「楽しみですねえ」
「楽しみですなあ」
「……ですってよ」
モニターの電源を切って、女が微笑む。
「随分愚かな人たちね。あなたもそう思わない?」
わたしは首を振った。女が、意外そうに目を見開く。
「薄情な子。あれも、かつてのあなたには違いないのに」
どうでもいい、とわたしは答える。
どうでもいい。どうでもいい。興味がない。ここにも、何にも。どうせ誰も助けてくれない。たすけてくれない。たすけてくれない。
誰もわたしを、たすけて、くれない。
だから。
もう、わたしは、
わたし、
わたしは、だれだった?




