Wheel of Fortune
優翔『…ず、すーず、すず!!!』
「はい!あ、優くんごめん。」
優翔『なーにぼーっとしてんねん。帰るで?』
「うん!」
優翔くんは小さい頃からの幼なじみ。
優翔『このアイスうまっ!すずはいっつも同じのしか食べへんな?』
すず「うん。これ好きやし。」
優翔くんと歩くこの帰り道ももう慣れっこ。
優翔『なーあの、数学の問三の問題!どの公式使ってやった?』
「どんな問題やっけ?」
優翔『え?』
「え?」
優翔『いつもやったら問題ほとんど覚えてるやん、覚えてへんの?』
「うん。あんま覚えてないや(笑)」
優翔『すず、熱ある?大丈夫か?』
そう言って私のおでこに手を当てる。
「ちょっと!ないし(笑)」
優翔『まあ、ないな(笑)
てか、ほんまに覚えてへんの?』
「覚えてへんって言うたら覚えてないし…」
優翔『これは、真夏に雪降るわ』
確かに、毎回の模試の数学の問題は
全部頭に叩き込んで帰って、
優くんに解説をするくらい暗記できてる。
けど、今日はそんなことすらも出来ないくらい
"あの人"
に夢中になってしまった。
「ちょっと気抜きすぎたかも(笑)」
優翔『そーか、俺はええと思うけど、成績落ちてたらすずのお母さんとお父さん大丈夫なん?』
優翔くんが心配してくれるのも無理ない。
成績を少しでも落とすと、
軟禁状態になって勉強に集中させられてしまう。
「あぁ、、それは大変かもしれん(笑)」




