6話 騎士への道
騎士への道を進み始めた2人はどのような結末になるのか
そして、4ヶ月の月日が経った
「ねぇカズヤ?」
ユーキは少し寂しげな表情を浮かべた
「おん?なんだ急にそんな顔して」
カズヤは少し困った顔をしてユーキに応答した
「僕達は今から王都に向かうんだよね。ここを離れるんだよね。リリアとも。寂しいな。。」
ユーキはやはり、どこかで寂しげな表情をしていた。
「まぁ、確かにな。でも、ちゃんとした騎士になって教官やリリアに見せてやろうぜ!」
カズヤはニッコリ笑い親指を上に突き立てユーキに言った
「あぁ。そうだね!」
そして、カズヤとユーキは王都への道を歩き始めた。
王都までの道は初めは草や木が生い茂っていて川の音や鳥の鳴き声が心地よかった、次第に舗装された道が出てきてレンガで出来ている道、川には木ではなく石で作られた橋。見たことも無い光景に2人は驚きを隠せなかった。この新天地ではどんな事が起きるのか、どんな事を学べるのか2人はワクワクと不安でいっぱいだった。
王都に入るための大門そこには武装した兵士が2人立っていた。
「おい!そこの者止まれ。荷物検査をする所持している荷物を全て出せ。仮に物を隠し持っていた場合この場で処刑する!」
2人は危険な物など所持していないのだが何故か緊張してしまった、それは兵士の威圧が物凄いものだったからだ。
「お前は大丈夫だ、そっちは!」
兵士はもう1人の兵士に話しかけた
「こちらも問題ない!通っていいぞ」
とカズヤとユーキに言った
大門が開き王都に入った。
見渡す限りに八百屋、宿、食事処、風呂屋などが沢山並んでいた。
もちろん2人には金と言うものが無いためまずは金を集めるためギルドに向かった。
騎士育成学院である【アルマイト・リザスタシア】に入学するための資金調達でもあった。
2人はそこら辺の平原にでもいる雑魚な魔物を狩り
宿で寝泊まりし、風呂屋に入り、飯を食うという生活を2ヶ月ほどすると2人の貯金は120万ヒリゾになっていた(ヒリゾとはこの世界の通貨)
「カズヤ、ようやっと貯まったね!」
「あぁ!」ユーキとカズヤはやる気に満ちた顔だった
アルマイト・リザスタシア通称アルスタに入るためには100万ヒリゾが必要だった
そして、2人は20万ヒリゾも余裕がある状態で入学する事ができた
そして、入学式
「ゴホン…えぇ今期の入学者数は約10000人と聞いております。ですが。新入生として向かい入れることが出来るのは、せいぜい2000人ほどです。なので、入学試験としてトーナメント方式で試合を行ってもらいます」
校長が放った言葉の重みは今までにないくらいのものだった。
全ての人が目に宿らせたものは殺気よりも遥か遠く。
式場内に広がる静寂と重い空気はカズヤとユーキの背中に重りを乗せるような感覚だった。
そして、トーナメント票が張り出された。
「カズヤは僕と当たらなかったね。カズヤはCブロックだよね?僕はAブロックなんだ、お互い頑張ろ!」
ユーキはAブロックだった
「あぁ!勿論だ!」
カズヤはCブロックだ
と後ろから
「カズヤって子は可哀想ね…いきなり首席で卒業の見込みがある子と戦うなんて。」
「まぁ、また来年があるわよ」
と2人の叔母様方が話していた
「カズヤ…大丈夫かい?」
ユーキはカズヤに言った
「あぁ!必ず勝つよ。お前も頑張れよ!」
とかなり強気だった。
ユーキは心配で仕方なかった。
カズヤは死ぬまで戦い続けるんじゃないかと。
「それでは、ルールを説明します!」
審判から声がかかった
「ルールは、参った!の声が入るか続行不能と判断されるまでの無制限の戦闘になります、無理のないようにお願い致します!それではAブロック第1回戦のナザリア選手とフロリーナ選手お願いします!」
2人は舞台に立ち戦闘が始まる。
「Aブロック第14回戦、ユーキ選手とワーグスローナ選手お願いします!」
審判はユーキに声をかけた
「ユーキ!頑張れよ!」
カズヤがユーキの背中を叩いた
パン!
「ありがとう!行ってくる!」
ユーキは笑顔で舞台にあがった
ユーキとワーグスローナ
果たしてどちらが勝つのか。
次回 ユーキの踏ん張り