4話 親友との絆
ついに始まったゴブリン戦!
カズヤは守りきる事ができるのか!?
「はぁぁぁあ!」
ブチュ!グチョッ!
カズヤは物凄い速度でゴブリンを倒していた
「6体目か…はぁ…はぁ」
カズヤは剣を鞘に収めユーキの元へ駆け寄った
「おい!ユーキ!しっかりしろ!」
カズヤはユーキの体に手を添え呼び掛けた
「カ…ズヤ……」
ユーキは微かに声を出した
「あはぁ!ユーキ!起きたのか!」
カズヤは、瞳が少し潤った
「リリ…ァを…」
カズヤはユーキが何を言っているのか分からなかった
「なんだ!もう一度頼む!」
カズヤはユーキに言った
「リリア…を助け…て」
リリアと聞いたカズヤは直ぐに脳裏を過った
リリアはユーキが密かに好意を寄せていた女の子だったのだ
「わかった。必ず助けるから。まってろ」
闇の国へと繋がる洞窟に走ったカズヤ
「リリア!リリア!どこだ!」
薄暗く水の滴る音がし肌寒い洞窟の中で松明を持ちリリアの名前を叫ぶカズヤ
「おい!リリアァ!」
ピチ
「ッ!?」
カズヤは物音がしたと同時に頭を下げた
ガギィン!
「なんだよ!」
カズヤは振り向く
「チェ!流石にこんなんじゃ殺せないか。俺様は、ゴブリンキングだ!よくも俺様の息子達を殺してくれたもんだ!ちなみに、あの赤髪の小娘は俺様の奴隷になってもらうからよォ残念ながら返す事は出来ない!ははははははは!」
ゴブリンキングは高笑いしていた
「闇の国での下級モンスターのゴブリン様が人里に降りて来てリリアを攫う。無事で帰れると思うなよ」
カズヤは剣を握った
「おぉカッコいぃねぇ?」
ゴブリンキングは余裕の表情
「親友との約束だから。。絶対にリリアは連れ戻す」
カズヤはゴブリンキングを睨みつけた
「そうか!なら、ゴブリンキングの力をじっくり味わいなぁ!」
ゴブリンキングは大剣を手にし振り回す
「ははははは!おいおい!遅いぞ人間!」
ゴブリンキングは猛烈なスピードでカズヤを翻弄する
「クソ!早すぎる!これじゃあ体力が持たない」
フォン!ガキン!
シュン!
(クソ。消耗戦に持っていくしかないのか!)
カズヤは考えていた
とカズヤの左肩に大剣が突き刺さる
「イギィ!」
(痛すぎる。こんなに痛いのか。木剣での組合なんて洒落にならねぇ)
カズヤは強烈な痛みに悶絶していた
左肩を抑え動けなかった
「おやおや!ヒーローさん、ここで終わりか?意外と呆気なかったなぁ!」
ゴブリンキングは近寄ってきた
「ンッ!?」
カズヤは震えていた
(怖い。もう、ここまでなのか。)
カズヤの目の前にゴブリンキングが立ち
大剣を振り上げた
「剣を剣を取らなきゃ。」
剣の位置が遠い手を伸ばす程度じゃ届かない。
絶体絶命だ。これはもう、無理だと悟る。
「じゃあな!ヒーローさん!ニヒッ!」
ゴブリンキングは笑顔で大剣を振り下ろした
カズヤは目を瞑った
もう、終わりだと
「カズヤァァァア!!」
ギィィイン!
声が聞こえると同時に剣が交わる音がした
「ッ!?」
カズヤは目を開き驚く
「まだだ!カズヤならまだやれる!そうだろ?親友」
そこには、剣を構えたユーキがいた。
「あぁ。ユーキ!」
だが、ゴブリンキングはユーキの腹を蹴り
体制を崩したユーキの腹に大剣を突き刺した
「ガハァ!」
ユーキは血を吐き宙を舞う
「ユ…ゥキ…?」
バタン!
ユーキの体は地面に叩きつけられた。
「カズヤ……リリアを…頼んだよ」
ユーキは剣をカズヤに渡して目を閉じた
「あぁ。ユーキ。お前が繋いでくれた命。俺は。絶対無駄にはしない!」
とカズヤは言った
ゴブリンキングは大剣に着いた血を眺めカズヤに言った
「次は、お前だぁ!」
「はあぁぁぁぁぁぁあ!」
カズヤは剣を構えゴブリンキングの方へ一直線に走った
「そんなに斬られたいかぁ!いいだろう!」
ゴブリンキングは剣を前に突きだし突進してきた
「へあぁぁ!」
カズヤはゴブリンキングの持つ大剣を上手く受け流しゴブリンの足を切り落とした
「イギャァァァア!」
ゴブリンキングは痛みで叫んだ
「く…くそ!人間風情がぁ、、らぁ!ゆる、、…さん」
ゴブリンキングは大剣を杖にし立ち上がった
だが、すぐさま、カズヤの2連撃目が飛んでくる
「ああぁぁあ!」
カズヤの剣は背中から腹に剣を通し
ゴブリンキングの体は真っ二つになった
「に…げん…がぁ……」
ゴブリンキングはそう言いながら死んで行った
「ユーキ!ユーキ!」
カズヤはユーキの元へ駆け寄った
「おい!ユーキ!しっかりしてくれ!」
カズヤはユーキの腹を抑え止血した
「リ……リあ…は?」
ままない、言葉。
「あぁ。大丈夫だ!俺がゴブリン達を片付けた!だから、ユーキ!お前も!戻ってこいよ!」
カズヤは必死に治療した
服を破き、腹に巻きつけ止血した
「まだ、お前にはツルの根元を……切る役目が…騎士になりたいんじゃ…無いのかよぉ」
カズヤは語り続けた
ユーキはカズヤの肩を触り
「リリアを連れてきて…」
と告げた
「あぁ。わかった。」
カズヤはリリアの所へ行った
「リリア!目を開けてくれ!ユーキが!大変なんだよ」
カズヤはリリアの体を揺する
「ん…ん?あれ?カズヤ?修剣道…」
「そんな事は、どうでもいい!ユーキをユーキを助けてくれよ!」
リリアの言葉など耳に届かなかった
ただ、親友を助けたい一心だった
カズヤはリリアをユーキの所へ連れて行った
「リリア!早く、なんとかしてくれよ。」
リリアは診療所の娘だった
「カズヤ、聞いて。ユーキは出血が多い。助かる可能性は低い。でも、治療を行ってみる。カズヤ貴方の助けがいるの。」
リリアはカズヤの顔を見た
「あぁ。なんだってする!」
カズヤはリリアに言った
「まずは、輸血ね。カズヤ、貴方の血を少し分けて!」
リリアはゴブリン達が引いてきた荷車の中から細い管と細い鉄の棒を取り出し輸血を始めた
「ユーキ…頼む……」
カズヤはただ、祈る事しか出来なかった
そして、数時間が経った。
「ガハッ!」
ユーキは咳き込んだ
「ッハ!?ユーキ……ユーキ!」
カズヤはユーキの顔を見た
「カズヤ…心配かけてごめん」
ユーキはそう言ってカズヤの顔を見た。
「バカヤロー!」
カズヤは笑いながらそう言った
息を吹き返したユーキ
リリアを救い
一件落着した3人は村へと帰った
次回 職からの解放