21話 女騎士
追い詰められたダンテ達
そこに現れるのは!
「ここまでにしよう。ふん!腐炎ノ業火」
エリテアルの手のひらにドス黒い色の炎が現れる。
「お前ら!俺の後ろに隠れろ!」
ダンテが危機を察知して、ユーキ達に避難を呼びかけた。
「さらばだ。人間!発火!」
エリテアルの手から放たれた腐炎ノ業火はダンテ達を囲うようにして広がり徐々に包み込んでいく。
「闇の炎に侵食され死ぬ。お前らは跡形もなく消え去るだろう。」
エリテアルは呟く。
「……すまん!お前らを守れなくて!」
ダンテは涙を流しユーキ達に謝る。
「先生……」
ユリエ達はダンテを憎む事は無かった。
「ふん。」
エリテアルは、鼻で笑い手を握る
黒い炎は円を作るように狭まりダンテ達を覆った。
「月光羽衣」
と声がして、闇の炎は光に包まれ消え去る。
「この…力は。」
ダンテが上を見上げ散りゆく光の欠片を見た
「何泣いてんの!かっこ悪いぞ!」
そこに立っていたのは女騎士ナナリだった
「なんだお前はまた、屍人が増えるな。てか、手間を増やすな人間。」
エリテアルはナナリを見ながら言った。
「あれ?君、写真に載ってたカズヤって子じゃないの?」
ナナリは状況を把握していない中来ていた。
「こいつは…カズヤでは無い。ゲホ!ゲホ!」
ダンテは咳き込み吐血した。
「やつは、エリテアル・ベルティアン。大魔神側近騎士の立ち位置にいるやつだ。」
ダンテが説明をする。
「おいおい。俺を側近騎士とか言うゴミ共と一緒にするな」
エリテアルは物凄い形相でダンテを睨む
「邪魔だよお前ら闇獄炎」
とエリテアルの手から黒い炎の渦がダンテ達を襲う。
「白ノ吐息」
とナナリが唱えるとナナリの剣の先から白い光が出てきた。
黒い炎と白い光が衝突し
爆発が起きた。
ズドォォォォオン!
「チッ!厄介な特性だな。俺様と相性が悪い。」
ナナリの特性は浄化だった。
「ナナリ…もしかしたら…お前の特性…浄化で奴の中からカズヤを救い出せるんじゃないか?」
ダンテはナナリに向かって質問を投げかける。
「わ、分からないよ…やった事ないし。」
ナナリは、困っていた。
「頼む!お前は希望なんだ!今奴を止められるのはお前しかいない!ナナリ!」
ダンテはナナリの手を握り願う。
「そ、そ、そんなこと言われると…照れる。。」
ナナリはモジモジしていた。
「……そういうのは後にしてくれ!頼む!」
ダンテは少し困り冷静に対処した。
「はぁ…話し合いわ終わったのか?人間。お前の光の力と俺の炎の力どっちが強いかやろうぜ!」
エリテアルはやる気満々だった。
「すぅー。はぁー。」
ナナリは深呼吸をし剣を構える。
「白円舞曲」
ナナリが唱えると
踊るようにエリテアルの体を切り刻む
「だぁぁあ!がぁ!」
エリテアルはあまりの速さに驚き少し再生に手間取った。
「クソ!面倒臭いやつだ!これで消えろ。漆黒炎海!」
と床から黒い炎が湧き出てきた。
徐々に高さを増していた。
「まずい。ダンテくん達を!」
ナナリは即座にダンテ達を連れて上の階層へ進んでいった。
「浄化」の力を持つナナリ
果たしてカズヤを救い出すことが出来るのか。
次回 エリテアル・ベルティアン




