12話 双亭の型
子豚達に怒りを向けたカズヤは無慈悲に攻撃を始める
「どうして、私達の特性凝固血脈が効かないの…」
子豚は自らの特性が効かなかった事に困惑していた
3匹の子豚の特性である凝固血脈は相手の血を摂取する事で相手の動きを縛ることが出来る
「何故だかは俺も知らない…でも、ユーキを傷付けたことは絶対に許さない」
カズヤは刀を手で撫で頭の近くへと引き寄せた
子豚達は怯え2匹は手を取り震え上がっていた
「ごめんなさい…私達お腹がすいていただけなの…許して」
子豚達は慈悲を求める
だが、その言葉はカズヤには届かなかった
「知らない」
カズヤはただ一言そう言いながら刀に力を込めた
「や…めて、やだ、死にたくないの、まだ私達は力を手に入れないといけないの、九十九蜘蛛様に力をぉ」
子豚はただひたすらカズヤに願った
「双亭双夢結景色」
カズヤはそう呟き2匹の子豚を切り刻む
カズヤは刀を鞘に収め息を吐く。
「ここで眠れ永久に」
2匹の子豚は涙を流し共にこう呟く
「私達は人になれなかった人…魔神によって魔人にされたものなの…慈悲をください…」と
カズヤの脳にその言葉が永遠にこべりつく
カズヤは後悔する事になる。
そんな事は知りもしないカズヤはユーキの元へ走った
「ユーキ!しっかりしろ!ユーキ!おい!治癒魔術を早く!」
カズヤはユリエを呼ぶ
「わ、わかったわ!」
ユリエはユーキの元へ走る
「我はいかなる傷を癒すもの。彼に癒しを求める。」
そうユリエが唱えるとユーキの傷は一瞬にして塞がった
「ユーキ……大丈夫か?」
カズヤはユーキの頭を撫でた
「ごめんね、カズヤ。僕カズヤが連れてかれるのが嫌だったんだ。」
ユーキはカズヤの顔を見て安心した用に涙を流し眠った
「ユーキ!おい!ユーキ!」
カズヤはユーキを揺さぶる
「大丈夫よ、ただ眠ってるだけ」
ユリエはカズヤにそう言った
「そ、そうか。 」
カズヤは安堵の表情を浮かべる
「すまなかった。我々は彼女達の威圧感に手も足も出せなかった」
ダンテとディアブロは少し暗い表情をしていた
「大丈夫だよ、それより先生やディアブロが怪我しなくて良かったか」
カズヤはダンテ達を見てニッコリと笑った
「本当にすまない。」
ディアブロはカズヤに頭を下げた。
「大丈夫だって!それに、ユリエもありがと!」
カズヤはユリエの頭を撫でた
ユリエは少し顔を赤らめカズヤの頬ををつまんだ
「なぁによ!私は子供じゃないのよ!」
ユリエは照れ隠し出来ているのかと不安がりながらカズヤに対応する
「カズヤ…」
ユーキは目を擦りカズヤの方を見る
「起きたのか!ユーキ!」
カズヤはユーキを見た
それはユーキが寝てから2時間後の出来事だった
またしてもカズヤ達に降り注ぐ悪魔の雨の様に残酷で無慈悲な出来事だった。
子豚達を討伐したカズヤ達は戻ろうか、進もうかと悩み相談を始めようとしていたがそこに新たな敵が牙を剥く
次回 悪夢




