表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編

腐った世界

作者: 小沢琉祢

私は腐女子だ。

BLが好きな方じゃない腐女子。

つまりは腐っている。

どうしてこうなったかというと私もよく分かってないけど、気づいたらこうなってた。

そんな私は周りからさけられている。

そりゃそうだ。腐っているんだもの。臭いんだもん。

臭いは取り繕ってたこともあったけど、逆効果で余計異臭を放つという事が発覚してからは何もしていない。

風呂に入ってひどい目に合ったことがあるからふろにも入っていない。

誰もかれもが見て見ぬふりをする。

それが私だ。




「…かりん?」

久しぶりに名前を呼ばれ、振り返ると初恋の人がいた。

うわっ死にたい…

「伊東かりんだよな?お前、大丈夫か?」

「…久しぶり。情けないなーこんな姿で」

「いや、そんなことより大丈夫か聞いてんだって」

「大丈夫大丈夫。これでも生きてるから」

「生きてんの?そんな姿で…」

顔をしかめる彼。

そうだよな。気持ち悪いよな。

「最近増えてるよな。ゾンビっていうかなんていうか…」

「え?私以外腐ってる人なんていないよ?」

「何言ってんだよ。ほら、あそこにもあっちにもいるじゃんか」

彼の指差した方を見たけどそこには普通の人がいた。

「ごめん、私には普通の人に見えるんだけど、腐ってる人多いの?」

「あ、そっか。腐った人間は腐った人間を識別できないとかテレビでやってたな」

「そうなの!?!?」

「知らないけどな。てか偶然だね。こんなところでどうしたの?」

「どうしたのって…私は徘徊してるの」

「徘徊?」

「そ。家にも居れないし、マンションやアパートにも住めないし。行けるところどこもないの」

「…解放、してあげようか?」

「え?」

彼が私の頭に手をかざした。

変な呪文を唱える。

すると私の体はどんどん透明になっていった。

「うわっなにこれ何何々!?」

「これで成仏できるんだよ。良かったね」

彼はとびっきりの笑顔で言う。

「あ…ありがとう!!!助かった!!!」

「いえいえ、俺の役目ですから」

え?

「こうやってゾンビ撲滅するのが俺の仕事だから」

そうなの?撲滅ってすごい物騒なんですが。

「じゃあね。かりん」

うん。ばいばい。



かりんを見送ってから、俺は街を見た。

俺以外のほとんどの人は今はいない。

いないというよりゾンビ化している。

あの日。

光が降ってほとんどの国の人がゾンビになって。

生き残ったほんの少しの人たちにはこの能力。

ゾンビを浄化する能力が備わった。

俺は今日も知り合い優先で、他のゾンビもたまに浄化する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ