皆でお風呂
教会へ帰って皆でご飯を食べた。
ご飯をマリアが用意してくれたので私は風呂を焚く。
風呂は井戸からすぐに水が入れれるようになっており、女の私でもそんなに大変な作業ではない。
井戸から何度も水を汲むのが少し面倒ではあるが。
私が風呂を焚いていると、ラビーがやってきた。
「レンゲ、こんばんは」
「ああ、こんばんは」
「お風呂に入りに来ました」
そう言ってラビーは持っていた自分の着替えや手拭を私に見せる。
「丁度沸いたところだ」
「私、丁度いいところに来ちゃいましたね」
「手伝ってくれてもよかったんだぞ?」
私の言葉にラビーが笑って誤魔化す。
ラビーと一緒にマリーと子供達がいる小屋に行く。
小屋に入るとマリアは子供達に板芝居を読んでいた。
子供達は本当にこれが気に入っている。
隙さえあれば読んでもらおうとする。
最近は2人共文字の方を見て文字を覚えようとしている。
「マリア、風呂が沸いたぞ」
丁度マリア達も切りが良かったのか、板芝居が終わり片付ける。
「こちらも丁度終わりました。あれ? ラビー来てたんですか」
「お風呂に入りに来たよ」
「私よりお風呂なのね」
マリアが寂しそうな顔をする。
「いや、マリアにも会いに来たよ」
「じゃあ、お風呂はいいのね」
マリアが微笑む。
「あの、お風呂にも入らせてください」
ラビーがマリアに頭を下げる。
マリアがラビーをからかったようだ。
この2人は幼馴染らしく仲がいい。
「さすがにこの人数だと一緒に入れないかな?」
ラビーが思案する。
「みんなで、はいるー」
「きっと……だいじょうぶ」
子供達は皆で入る気だ。
さすがに皆では窮屈ではないかと思う。
「前に私とラビーと子供達で入りましたけど、つめればレンゲが入るくらいのスペースはありますね」
マリアも真剣に考えている。
風呂はもっとゆっくり入るものじゃないだろうか。
「レンゲさんもお風呂は初めてですよね」
マリアがこちらを微笑んでくる。
「お風呂はいいですよ~」
ラビーもなんだか得意げだ。
夜に何度かこっそり入った事は黙っていよう。
みんなで風呂へ向かう。
脱衣所に入るとすぐに服を脱ぐ。
子供達が服を脱ぐのを手伝ってやろうとすると、自分達でできるようだ。
「いい脱ぎっぷりですね」
ラビーが変な事で感心している。
「見てないで2人も脱いだらどうだ」
子供達ももう脱いでいる。
「レンゲさんの体、すごい綺麗ですね」
「うん、引き締まっててすごいね」
マリアとラビーが人の体をじっと見つめている。
なんだか恥ずかしくなる。
綺麗と言われても矢を受けた小さな傷はある。
「2人とそう変わらないだろ。先に入ってるぞ」
子供達を連れて風呂場に行く。
「おかあさんと、おふろー」
「いっしょに……はいろ」
先に手拭で子供達を交互に洗ってやる。
子供達を並んで座らせた。
「くすぐったーい」
「もっと……つよくして」
優しくこすり過ぎただろうか。
少し力を入れてこすってやる。
「きもちいいー」
「うん……きもちいい」
一通り洗ってやるとお湯をかけてやる。
「つぎは、おかあさんあらう」
「ふたりで……やろ」
子供達が私の体を洗ってくれる。
前に小屋の裏から羨ましく見ていたことを思い出す。
ついに子供達と風呂に入れたんだなと思うと、嬉しさがこみ上げてくる。
「おかあさん……おっぱいおおきい」
「いいなー」
子供達が前も洗おうとする。
「前は自分でやる」
「えぇ……やりたい」
「わたしもー」
そう言うので仕方なくやらせた。
なんで胸の大きさにこだわっているのかよく分からない。
その後も子供達は胸にご執心だった。
洗い終わって風呂につかると、マリアとラビーがやっと入ってきた。
「遅かったな」
「皆で体を洗うには狭いかと思いまして」
「なんかレンゲと比べられるのが恥ずかしくて」
マリアの言っている事は分かるが、ラビーは何を言っているのだろう。
マリアは前に思ったとおり、私より胸は小さいが体は全体的に柔らかそうな感じだ。
太っているという意味ではなく、体は細いのだが筋肉が少ないのか柔らかそうな肌をしている。
ラビーは胸は私と変わらないし、背が私より低いのだから、より大きく見えると思う。
体は細いが、お尻や手足の肉付きはよく健康そうな体だ。
今はギルドで働いているが、昔はきっと農場の手伝いをしていたのだろう。
私より女性らしい体つきだと思うし、わざわざ比べる必要はあるのだろうか。
「2人共いい体だぞ」
「レンゲさん何言ってるんですか!?」
「そんなジロジロ見ないでくださいよ」
2人が顔を赤くして体を隠す。
何か変な事を言ったのだろうか。
「おかあさんも、きれいなからだ」
「きんにく……ついてる」
子供達が私の体を触ってくる。
「セイゾーよりは筋肉はないんじゃないか」
「セイゾー……ふとくてかたかった」
「おなかは、すこしぽよぽよしてた」
男だから腕も太かったのだろう。
お腹は多少肉が付いてたんだな。
服の上からだとよく分からなかったな。
想像すると恥ずかしくなる。
「ハナちゃんとレンちゃんは、セイゾーさんとお風呂入ってたんですよね」
「それがどうかしたの?」
ラビーの言葉にマリアが不思議そうに答える。
「えっと、セイゾーさんの裸を見てるんだなって思って」
「な、何言ってんるのよラビー」
「そうだぞラビー」
私まで慌ててしまった。
「レンゲまで慌てるなんてなんか意外ですね」
「セイゾーの、はだかみたよー」
「おふろは……はだか」
ラビーが体を洗いながら何かをよからぬ事を考えていそうな顔をする。
「セイゾーさんの裸ってどうだった?」
ラビーが子供達に変な質問をする。
子供に何を聞いているんだ。
「うんとね、ちんち……」
「レンちゃん言わなくていいのよ」
マリアが言葉を遮る。
「ラビーも何を聞いてるの?」
マリアの目が笑ってない。
「いや~、後学のためというか、気になって」
「まったくラビーったら」
ラビーにマリアが呆れている。
マリアとラビーも体を洗い終わったのか、風呂につかる。
さすがに狭いし、大量のお湯が湯船から流れ落ちていく。
子供達はその密着した状態がなんだか楽しそうにしている。
「わー、せまーい」
「くっついてると……あんしんする」
ハナの言うとおり、恥ずかしさもあるがなんだか安心感もあった。
「なんだか近くだと比べられそうで嫌です……」
マリアが小さな声で呟く。
みんな近くにいるので聞こえてしまう。
「マリアやっぱり気にしてるの?」
「別に気にしてません」
ラビーの言葉をマリアは否定する。
「なんだ、私は小さい方がいいんだがな」
自分の胸を揉みながらマリアに言う。
「大きい人に気持ちは分かりません」
「やっぱ気にしてるじゃん」
子供達が自分の胸を触る。
「マリアは、わたしよりおおきいよ」
「わたしもマリアくらい……おおきくなりたい」
その言葉を聞いてマリアが子供達を抱きしめる。
「ああ、こんな所に天使がいました。なんて優しい子達なの」
子供だから今から大きくなると思うとは、その状況を見てさすがに言えなかった。
ラビーを見ると、ラビーも同じ気持ちらしく黙って首を振っていた。
子供達がのぼせる前に風呂を出ると、部屋に移動しみんな他愛のない話をした。
子供達が船をこぎだしたので藁のベッドに寝かせると、ラビーも丁度いいので帰ると言って帰っていった。




