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会話

 今日は寝床を黒毛鼠から借りようと思い、農場へ向かう。

 農場に近づくとまた何かがいる気配がする。

 また猿だ。

 昨日懲らしめたのに、懲りずに来たようだ。

 服を脱ぎ獣に姿を変えるとそのまま猿を林まで追い立てる。

 何か喚いていたが無視する。

 しばらく林の近くを歩き回り警戒すると、猿の気配はなくなった。

 服を持って黒毛鼠達の所に行くと、先ほどの光景を見ていたのか歓迎してもらえた。


「ありがとうッチュ」

「助かったッチュ」

 私が加えている服が気になっているようだが何も言ってこない。

 すぐに寝床に案内してくれ、また何かを持ってこようとする。

 今日は酒場で食べたし、気を使わなくていいと思ったが何だか嬉しそうにしているので言いづらい。

 食べ物はどこに隠しているのだろうか。

 藁の中や、小屋の隅など、小屋の外に出てから持ってくる黒毛鼠もいる。

 色々な食べ物が私の前に置かれる。

 こんなに食べれないし、中には食べたくないないような物まである。

 生きたミミズみたいなものは置かないでほしい。

 動いている何かの虫も目に入る。

 果物だけ頂くと残りを自分達で食べろと前足を使って渡してやる。

 黒毛鼠達は喜んで食べていた。

 黒い毛玉の中に食べ物が消えていくのはなかなか不思議な光景だ。

 黒毛鼠は全部で40匹くらいいる。

 大きいものは1mくらいのサイズがあり、それが4匹ほど。

 中くらいの50cm前後のサイズのものが一番多く20匹以上はいる。

 小さいサイズは20cmないくらいだろうか、それが10匹くらいいる。

 1つの家族なのかはわからないがみんな仲良さそうにしている。

 家族としたら大家族だ。

 なんだか羨ましくなる。

 そう思っていると小さい黒毛鼠が私の上に乗ってこようとする。


「チー、チー」

「チチー」

 何を言っているかは分からないが、鳴き声はまだ可愛らしい。

 黒毛鼠の子供なのだろう。

「やめるッチュ」

 大きな黒毛鼠がそれを止めようとする。

「気にするな」

 そう口に出すと黒毛鼠達が止まった。

 私の言葉は通じないのだろうか。

「話せるッチュ」

「大きい犬が喋ったッチュ」

 言葉は通じているようだが、大慌てで部屋を駆け回るのはやめてくれ。

「なんで話せるッチュ」

「犬と話したことないッチュ」

「でかい犬だからッチュ?」

 この反応からすると、他の犬とは話せないのだろうか?

 思い返せば、元の世界で他の動物と会話したことはない。

 これも女神の力なのか、それともこの犬の特徴なのかは分からない。

 火も吐ける不思議な体だ、他の動物と会話できても気にしないでいいのかもしれない。

「気にするな」

 面倒なのでそう黒毛鼠に伝える。

「わかったッチュ」

「気にしても仕方ないッチュ」

「でかい犬だからッチュ!」

 そう言うとあっさりと疑問に思うのをやめていた。

 1匹自分の意見を主張しているが、結構単純なのかもしれない。

「今日はここに寝てもいいか?」

 黒毛鼠に確認する。

「いいッチュ」

「いつでも寝に来てッチュ」

 嬉しそうにそう言ってくれた。

 黒毛鼠の小屋を利用させてもらおうと思っていたのでありがたい。

 小さい黒毛鼠が静かにしていると思ったら私の上で寝ているようだ。

 どうしようかと思ったが、子供をわざわざ起こすのも無粋だと思い、私もそのまま眠ることにした。

 私の上で寝るのが自分の子供達ならよかったなと思いながら目を閉じる。

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