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 服が乾いたので寝る準備をしようと思ったが、子供達が気になってしまった。

 一度気になるとなんだか安心できない。

 また戻ってくるかもしれないので乾いた服は家の中にしまっておき、獣の姿になると町へ行く。

 途中に林に置いておいた服とナイフを回収し元の姿に戻る。


 教会がある町の東側から侵入する。

 町の東側に大きく迂回した時、川があるのを見つけた。

 この川から水路をつくり町の畑などに水をひいているようだ。

 大きな水車が動いているのはなかなか迫力がある。

 水は綺麗なので、川で水浴びしてもいいかもしれない。


 町へ入ると、中心部ではないのでこの時間だと人気はない。

 教会の裏の部屋に到着すると、昨日と同じように中を覗く。

 子供達が仲良く寝ている。

 なんて可愛い姿なんだろうか。

 自分の尻尾が無意識に振れていることに気付くが止めれない。

 しばらく子供達の寝姿を堪能すると、あの人に心の中でお礼を言って部屋を後にする。


 町の柵を越えると、何やら気配がする。

 辺りを見回すが人はいなかったが、またあの猿がいた。

 私の後を付いて来たのだろうか。

 その場を動かず猿を観察する。

 猿もこちらが見ていることが分かったのだろう。

 その場を去ろうとするが、すぐに動きが止まった。

 何かを見ているようだ。

 しばらく何かを見ていたかと思うと林に駆けていった。

 何を見ていたのか気になり、猿が見ていた場所に行く。

 そこには柵の中で飼育されている黒毛鼠がいた。

 猿の姿に怯えたのか、小屋に集まり震えている。

 人が飼育しているものに手を出す気はないのでその場を去る。

 林に到着すると、先ほどの猿が仲間を数匹連れて先ほどの場所に向かうのが見えた。

 私には関係ないと思ったが、私が猿を連れてきてあの黒毛鼠達に被害が出ると思うとあまりいい気分ではない。

 服を脱ぎ獣の姿に変わると猿達を追いかける。

 猿達も足が速く、私が追いつく前に黒毛鼠がいる場所に到着してしまった。

 猿達はやはり黒毛鼠が狙いだったようで、捕まえようとしている。

 捕まえるより早く私が到着した。

 そのまま柵を飛び越えると猿達の前に着地する。


「なんだお前ッキ」

「脅かすんなッキ」

 突然現れた私に猿達が警戒する。

 というより、今喋らなかったか?

 気のせいだろうか。

 この獣の姿を見てもすぐに逃げないのは、私を観察していて私の正体を知っているせいかもしれない。

 なかなか舐められたものだ。

 猿になど負ける気がしない。

 猿達が動く前に私から仕掛けた。

 猿達が慌てるが、もう遅い。

 飛び掛った勢いで前足を猿に振るう。

 直撃を受けた猿は勢いよく柵の外へ飛んでいく。

 爪を立ててはいないので死んではいないだろう。

 それを見た猿達が仲間の下へと駆けると、仲間を連れて林に逃げていく。

 用は済んだので私も帰ろうとすると、黒毛鼠達が私を囲み飛び跳ねている。


「ありがとうッチュ」

「助かったッチュ」

 こいつらはこんな風に鳴くんだな。

 はっきり言ってやかましい。

 というより喋っている。

 チュッチュとやかましいが間違いない。

「お礼するッチュ」

 黒毛鼠は私を自分達の小屋へ案内しようとする。

 仕方なく付いていくと、小屋の中は意外と大きく藁も敷かれている。

「休むッチュ」

 そう言って黒毛鼠は私を藁に向かって押そうとする。

 力が弱いのか私はまったく動かせないが、藁に座らせてもらう。

 他の黒毛鼠が自分達の餌なのか野菜の切れ端や何か分からない食べ物を持ってきた。

 私が首を振ると残念そうにしていた。

 今度はどこから持ってきたか分からないが果物を持ってきた。

 これなら食べられるのでありがたく頂いた。


 食べ終わるのを見て安心したのか、黒毛鼠は藁の上で横になる。

 丸い毛玉みたいなので横になってるのかよく見ないとわからない。

 私もそれを見て藁の上で丸くなると今日はここで休ませてもらうことにした。 

 黒毛鼠の声が分かるのなら、私の声も黒毛鼠に分かるのだろうか、疑問に思ったが今は眠ることにした。

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