表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

歌と共に

一度[エッセイ村]に寄稿したのと同じ内容です。


[短編集]よりも、エッセイ要素が[雑記]に偏っていたので、こちらにしました。

歌は好きだ

ただ、聴くだけでも

そこに意識を集中すれば

一時的に虚しさやつまらなさを

紛らわせるから


だが、歌うことはもっと好きだ


歌うことで

虚しさやつまらなさを

一欠片も感じることは

無いから


迷惑にならないよう

配慮して

公共機関では

出来るだけ小声に歌う


変人と称されても構わない


すでに変人の域にいるのだから


風邪は嫌いだ

喉から症状が来れば

治るまで歌うことは

できないから


そんな状態で

歌を聴くだけでは

虚しさやつまらなさに

隙を与えてしまう


そして、その隙を狙って

[死]は衝動を駆り立てるのだ


幾度も幾度も

私の意識を

絡め取るように

黒き水に浸そうとするように


だからこそ私は

[死]の衝動を

抑圧するために

歌を歌うのだ


虚しさとつまらなさから生じる

[死]へ向かう思考から

数多ある歌手たちの

旋律によって逸れるために


私にとって歌とは

不意に押し寄せる自殺衝動から

逃れるための

一種の手段であり

ただそれだけのことに過ぎないのだ


ゆえに私は歌い続ける

私の傍らにある

自殺衝動から

いつの日か解放される時まで――


《終》

これからの時期は風邪に気をつけてください。


喉をやられると歌えませんから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ