隠れ家について
以前の活動報告に書いた隠れ家についてのエッセイです。
隠れ家と聞いて、思い浮かべるのはなんだろうか?
携帯の辞書によると、[人目を避け、隠れ住んでいる家・所] だと言う。
他には、暮らしの観点から見れば、都会の喧騒から離れた場所にあるセカンドハウスになるだろうか。
個人の観点では、自分だけの趣味に囲まれた部屋にもなる。
なぜ、冒頭でこんな質問をしたかと言うと、私も持っているんだよ。
俗に言う、隠れ家というのが。
まぁ、私の場合は、自宅で酒を呑むための場所なんだがね。
以前に短編集で、隠れ家をモチーフにした作品を書いたが、そのようなもんだよ。
隠れ家にふさわしいスペースがあったから、テーブルやらランプやら座椅子やらを持ち込んで、数枚の端切れをクリップで挟んで広げて簡易なカーテンにしたりしたがね。
で、それを見た人が、「すごい」とか「瞑想部屋」とか言ってくれる。
苦笑いを浮かべるしかないのだが。
そもそも、なんでそう言われるのか、分からないということもあるがな。
隠れ家の話を書くきっかけになったのが、とあるユーザーさんの飼育エッセイでペットの隠れ家を紹介していたからだ。
ああ、ちなみに私がレビューを書いたエッセイな?
で、そのユーザーさんの活動報告のコメントで書いたら羨ましく思われたのが、この隠れ家エッセイのきっかけだ。
さて、話を進めようか。
私の子供の頃の話になるが、昔は押し入れを使って自分だけの部屋にしようとしていた時期があった。
押し入れには、昔親が読み集めていたマンガ(「聖闘士星矢」や「リングにかけろ」や、さらには「お願いルナ先生」とか)があったから、それを読むための空間が欲しかったのかもしれない。
3LDKのアパート暮らしだったから、そのような欲求は仕方ないのかもしれなかったがね。
結果を言うなら、途中で飽きてしまったのか、中途半端になってしまった。
小学生の低学年の頃だったからだろうか?
今となっては知ることもできないな。
逆を言えば、今なら隠れ家作りを完遂する能力があるということでもある。
子供と大人を比べて、明らかに勝っているものを挙げればいいだけのことだ。
資金やセンス、知恵や購入手段、エキストラ。
それらを活用すればいい。
ちなみにこれは、マイホームを得るときの手法だ。
隠れ家というのは、要はその手法の凝縮版になる。
まぁ、私の勝手な考えだがね。
話を少し逸れたから戻そう。
もし、あの頃の隠れ家作りを、今に完遂させるなら、酒呑み場になるだろうな。
収納ケースに洒落た端切れでもかけて、テーブルクロスにする。
それなりの棚か、プラスチックの収納ケースを横に倒して、酒のボトル入れにするだろう。奥のほうに置いてな。
壁には、何らかのジグソーパズル(完成版)などをいくらか掛けて、隠れ家の彩りを添える。
おっと、肝心の照明を忘れてはいけない。
暗い中で酒を呑みたくないからな。
そうだな、仄明るい感じの電灯が良いだろう。
そうなると、近くにあるコンセントとから電気を取ることになるか。
なら、ついでに簡易なミュージックプレーヤーを持ち込んで音楽でも聴いていよう。
音量調整で邪魔にならない快適さを行うのも忘れずにだ。
食休み用にいくらか本も必要になってくるだろう。
テーブルクロスをかけた収納ケースの壁際に、数冊の本を――できれば、写真集や何らかの解説本だな――置くためのブックスタンドも必要だな。
こうして考えていくと、それなりに形になったんじゃないのかね?
想像できたかどうかは、私には分からんことだ。
ノーヒントだと、こちらの非が生まれちまうから推理っぽく要点なるキーワードを残しておくか。
ヒントは、3LDKのアパートと押し入れの二つだ。
ヒントを元にして、先ほどの隠れ家想像に持ち込んだものを当てはめていけば、形という正解にたどり着けるはず。だと思いたいな。
最近、コンビニで売られているシャーロック・ホームズが主人公の漫画を読み始めたから、その影響で推理というか謎解きを出してみたんだが、幼稚なものだと思う。
ちなみに、先ほどの隠れ家想像のヒントがそうだ。
多分、隠れ家想像のヒントを読んだら、シャーロック・ホームズ本人が、漫画の絵を介して「まだまだだね」と言うのが想像できちまったからな。
この隠れ家エッセイを書くときに隠れ家についてそれなりに調べてみたが、夢見るだけよりやる気があれば作れるようだ。
欲しいと思ったなら、面倒くさくても理想逆算して、きちんと費用などを見据えて、家族があるなら理解してもらうことが肝要だな。
勝手にやって肩身の狭い思いをしたくないだろう?
なら、肩身の広い思いを持つために必要なものを手に入れるべきだ。
そうすれば、憂いなく隠れ家を満喫できるだろうしな。
というわけで、色々と書いたが、最後に軽く述べよう。
やる気があれば、自分だけの隠れ家を持てるものだ。
夢を見るだけではない。ただ一歩を踏み出して行けばいいのだからな。
まずは、何であれ一歩を踏み出すこと。
そうすれば、漠然とした夢を確固とした現実になる。
そう、現実として得られるのだ――。
《終》
子供の頃に考えていたものと、大人になって考えていたものとは違う。ということで。