2014.0301.夢【彼の目と鼻の先に。】
これは、作者の夢を少し変えて長くしたものです。
正直、怖かったです。
この恐怖感、伝わるかわかりませんが
少しでも、怖いと思ってくだされば幸いです。
青年が一人部屋で暇を持て余していた。
彼は何を思ったのか、腰を下ろしていた椅子から
立ち上がり、ぼーっと、窓から外を眺めていた。
あー、今日も天気がいい。
燦々と降り注ぐ太陽の陽光。
この陽光を見ているだけで、体が溶けてしまそうだ。
ふと、青年は考えを巡らせた。
外は太陽の陽光でとても暑そうだ。
たが、こうも暇だと、どうすればいいのか?
まぁ、たまには太陽の光を浴びないとな。
彼は、無駄にも外に出ることを決めた。
照りつける太陽は、彼の体を熱く蝕んでいく。
やっぱり、外に出たことは失敗だったかと懸念した青年。
だけど、彼は一向に歩く足を止めず。
整備された、道筋を歩いていく。
流石に暑いくなってだるくなってきた
どこか、涼しめる場所に行こう。
彼の足取り先は、ひと目でわかるほど大きい
新築されたと思われるデパートだった。
特に用事もなくても、涼しむ程度には良いと
考えたのだろう彼は。
さほど、距離はなく、デパートについた青年。
用事もなく、涼しむために入ったので
どうするか、考える青年。
すぐに、考えのまとまった彼は、足を動かす。
特にあてもなく、このデパートを徘徊するようだ。
一階、二階とゆっくりと足を運ばせながら
眺めていく。
程なくして、彼は足の歩みを止めた。
ある程度、体の暑さもとれ。
彼は、流石に用事もないのに、こうも
ぶらぶらとしていたら、店の迷惑だろうな。
それに、窃盗犯に思われるかもしれない。
そう思いこみ、太陽の光照らす外へと出るのであった。
青年の身長の倍はあるかと思うだろう
扉を開ける、するとすぐさまに熱気が彼を包み込む
彼は、やはりデパートに戻るかと、考えたが
家に帰るための歩みを止めなかった。
少し、して人が多く集まる
大きな噴水が目印であろう広場についた。
広場にたくさんの人がいて、元々暑い場が
もっと、暑くなっているような気がする。
青年は、遠目から、特に人が固まっている集団を眺めていた。
程なくして、その集団から、甲高い女性らしき悲鳴が聞こえた。
悲鳴に驚いた、普通に歩いてた人々も、歩みを止め
悲鳴の出処である、集団の塊に目線をやってた。
彼もしかり、その集団から、発せられた悲鳴だと
気づいていた。遠目から、集団を見続ける青年。
悲鳴をあげたであろう、女性が周りの迷惑など
お構いなしに涙ぐんだ声で叫んだ。
腐った赤ちゃんの死体から蛆虫が、それを豚が食べてる!
そう言い放った女性の周りの人が、動揺を隠せずに
驚き喚いていた。
青年も、遠目からでは見られないが、その状況を想像すると
吐き気をもうした。
そしたら、突然集団と周囲の奇声が強くなった。
人々が、何かに道を譲るかのように
一本の人の道を作り上げていた。
青年は、目を見開いた。
遠目でも、はっきりと目視してしまった物体。
赤子の血だろう、血が付着した口元には蛆虫が蠢き
足や体の一部は、腐敗してように腐って見えた。
悍ましいほどに、汚らわしい豚は二匹いた。
豚は、ゆっくりと人が作り上げた道筋に進んでいく。
一歩、一歩、豚が体を揺らしながら進んでいくたび
不快な音を発しながら血を垂らし、腐った肉も同等に時に剥げ落ち。
異臭を漂わせていた。
青年は、体が動かずにいた
この世のものとは思えない事柄を目にした青年は
恐怖してしまい、硬直してしまった。
そして、腐った豚は、何かを発見したかのように
ものすごい速さで走っている。
そう、豚は青年、目掛けて走っていたのであった。
青年は、さらに恐怖し、硬直していた足を無理やり動かし
豚を背にして逃げた。
だが、足取りは遅く、とても重たい。
その時だ、青年は足元を崩してしまい、転倒してしまった。
青年は、すぐさまに頭をめぐらす。
すると、豚の血塗られた口元と、蛆虫の湧いた額が
青年の目と鼻の先につく寸前にあった。
そして、俺は目が覚めた。
良かった、夢かと安堵し、
額に握りこぶしをあてる、手に変な違和感がある。
俺は、閉じていた右拳をゆっくりと開いた。
俺は唖然とした。
そう、右手には蛆虫の潰れた死骸が握ってあったのだ。
現実味のない物に追われるという事は、
得体の知れない強い恐怖や不安にさいなまれている事を表すらしいです。
まずはその正体を突き止め、正面から立ち向かう必要があるそうです。