第4話「レガリアを求めて」
新章開始です
《プロローグのあらすじ》
オスマン帝国が海で水死体として発見された。
オスマン帝国の息子・トルコはこれを他殺だと推測し、父親と同じ"王権"になって復讐しようと考える。
同じ頃、イギリスとフランスの2国もオスマン帝国の死によって空いた王権の座を狙っており、どちらが先に"王権"になれるかの勝負が始まろうとしていた……。
オスマン帝国が死んでしまったことで、”王権”の座に一つ空きができた。
今まさに、その席を狙って戦いが始まろうとしていた……。
「どっちが先に”王権”に成れるかなんてよぉ、勝負なんざしなくてもどうせ俺なんだろうけどな?」
口を開いたのはイギリス。
「なんで自分からふっかけておいて後ろ向きなのさ。ボクに負けるのが怖くなってきちゃったのかい、おチビちゃん(キャベツの切れ端)?」
売り言葉に買い言葉。
負けじとフランスも煽り返した。
「黙れ殺すぞ。」
「さっきからいちいち物騒だね。」
「本当だよ。そんな五月蝿さは、僕もいけ好かないね。」
「おま…、」
「ポルトガルーーーーーーー!!!!!」
イギリスが飛びかかったのは、ポルトガルだった。
「グフッ」
「……犬かな?」
「そんな勢いよく抱きついてこないでくれ、普通に痛い。」
「あぁー!ごめんな、ポルトガル!ところで、何しに来たんだ!どうかしたのか??」
「別にどうもしないが、嫌な予感がしたから来てみただけだ。」
「そうなのかぁ!!」
「……イギリスくん、心なしかボクには意気揚々な尻尾が見えるんだけど。本当に犬かな?」
「うるせぇなフランス、黙ってろ殺すぞ。」
「ボクにだけ物騒だね!?」
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「どっちが先に”王権”になれるかレースをする、だって?」
「その通り!面白そうだろう?」
「いや……、」
「こんな勝負したところで、俺がどうせ勝つんだからしても無駄なんだけどな!!
そう思わないか、ポルトガル??」
「近い。というかもっと静かにいかないものなのか?」
「えー、んー、別に音を立てずに殺し合うこともできなくはないけどねぇ……、」
「そういうことじゃない。はぁ……、いいか、”王権”に成るには、”味方”と”血筋”が必要だ。でもお前らには頼もしい後ろ盾もいなけりゃ、別に”王権”の家系でもない。
そもそもが破綻してるんだ。こんな状態でどうするつもりだったんだ。」
「んぉ?要は無理やりにでも俺に賛同させりゃぁいいんだろ?」
「「え?」」
「あ!でも、ポルトガルが勝負はダメだって言うんならやっぱ違うやり方にしようぜ!
例えばこのメンツで一緒にどうにかするとか、なんなら良い荷物持ちになりそうな国を適当に見繕って連れてきてもいいしな!
あっ、そうだ!やっぱ王になるからには、剣とか、あとは王冠なんて絶対欲しいよな!
そうだ!それをこのメンツで調達しに行くことにすりゃいいんだよ!!
そうしようぜ!!な、ポルトガル??」
「あっ……、うん、なんて……?」
「早口すぎて何言ってるのかまるで分からなかったよ……。
要はこのメンバーでレガリアを集めに行く、ってことにするんだね?」
「ま、待ってくれ。それは僕も行かなきゃなのか?」
「何言ってんだよポルトガル〜、当ったり前だろー??」
「お、おう……。」
「でもそのレガリア?がありそうなのってどの辺だろうな、やっぱ昔王国だったとことかか?まぁでも虱潰しに回りゃどうにかなるだろう!」
「っていうかそもそも、集めに行くにもどこに行くってのさ?ボクには当てはないよ?」
「あー、それなら俺、良さげな場所知ってんだよ」
「へぇ~、どこなんだい?」
「暗黒大陸・アフリカ、だよ。行こうぜ、宝探しだ!」
(キャベツの切れ端)とは、フランスで実際に赤ちゃんなどを呼ぶときに使われる「おチビちゃん」という意味の言葉なようです。
どことなく煽ってるように聞こえてしまうのですが……。