12話 「ペンダントの能力」
久々すぎてごめんなさい。
初空 林檎です。
新生活のバタバタが落ち着いて、また小説執筆活動に身を置けそうなので、また少しずつ(あまり頻度は変わらないかもしれませんが)書いていけそうだと思います。
というか書きます。書かなければならない。
よろしくおねがいします。
「クッソ、災難だぜ……。こんなはずじゃなかったのによォ……。」
「ほぉら、だから言ったでしょう?キミに運転は任せられる気がしないって!」
「黙れ殺すぞ。」
「もう八つ当たりにしか聞こえないなぁ。」
「にしても、なんなんですかね!あの熱風!あのトロッコが倒されるなんて、すごい威力ですよ!?」
「気持ち悪ィことしやがって、抵抗せずモノ盗まれときゃ良いんだよ、本当によォ。」
謎の熱風で、砂と共に地面に放り出されたヨーロッパ御一行は、何とか短時間で掻き集めた宝物を全身に抱えて、熱帯雨林に隠れるように歩いていた。
「そんな物騒なこと、言い過ぎない方が良いぞ。誰に聞かれてるか分かりゃしない。」
「でもよォどうせ、変な真っ黒い野人しか居ねぇよ?こんな所にはさァ。もう、そんなの俺が持って帰ってやらァ。」
「キミ、持って帰ったとして、そんなのどこで飼うのさ。」
「お前にやる。」
「ボクんちの宮殿でもそんなスペースありません。」
「金持ちぃ。」
「*******〜〜〜!!!」
「(静かにしろ。)」
「………。」
「痛っててて……。」
「……ねぇ、君、大丈夫?」
「うわ!?!?」
「あ、あぁ、驚かせてごめんね。僕、ドイツ。君は?」
「………トーゴ、です、。」
「そっか!トーゴくんっていうんだね!その、ごめんね、多分その傷は僕らのせいだよね。ごめんね。」
「え、いやいや、近くを通っただけなので、そんな……。」
「……実はさ、今、なんか、他のヨーロッパの人たちがね、色んな所で盗みを働いちゃってるんだ。僕は、それに無理やり同行させられてるけど……、とにかく!!……、ちょっと、こっそり尾行してくれないかな、僕のこと。」
「……は?」
「あ!いや、その、他の用があったら、別に良いんだけど……、万が一の証人、というか……。はは……。」
「………良い、ですよ。」
「………!!!、ありがとう!!!」
「あ?ドイツの野郎がいねぇなァ。俺の荷物持ちの癖によォ。」
「………ご、ごめん!!……、なさい……へへ。」
「けっ。まぁいいや。なぁ、コレ見てくれよォ!!宝石だぞ、宝石!!」
「あー、はいはい、スゴイスゴイ。」
「あ?フランス、てめぇ、殺すぞ。」
「ボク、殺されすぎじゃない?」
「てめぇは何か持ってねえのかよ。出してみろや、馬鹿野郎。」
「はぁ、そうだなぁ。あ、こんなペンダントがあの爆風で飛んで来たんだけど……
。」
「なぁに、ペンダントだと……?貸せやっ、コラァ!!!」
「あっ、ちょっ!!!」
イギリスは、フランスから”ソレ”を奪った。
「コレなんかに使えんのかァ?」
「パッと見、ただの象牙のアクセサリーですけどねぇ。」
「*****〜〜人格〜〜〜〜!!!」
「(ちょっ、大人しくしとけ……!)」
「んぁ?人格?誰か”人格”っつったか?」
「いや、言ってないぞ。」
「そっかー、ポルトガルが言うなら誰も言ってねぇかァ!」
「今、そのポルトガルさんが背負ってるリュック動いてませんでした?」
「……気でも狂れたんじゃないのか?」
「でもよォ、人格……、人格ってコトは、誰か操れちゃったりすんじゃねぇの??」
「(…………!!!!!)」
そう言って、イギリスはずかずかと森の中を進み始めた。
「キミねぇ、そんな馬鹿なこと有り得る訳が無いでしょう?」
「まずは人探さねぇとなぁ!!!」
「……聞いてるのかい??」
一行は開けた農地に出た。
そこで、運が良かったのか、悪かったのか、人を見つけてしまった。
ナイジェリアである。
「俺、試しに行ってくるわ!」
「えぇ……、本当に大丈夫なのかい?」
「んだてめぇ、おちょくってんのか?小便引っかけてやろうかァ?」
「今更だけど、イギリスってもうちょっと遠回しに言うもんじゃなかったっけ?」
「イギリスさーん。小便は僕のベルジャン専売特許ですよー。」
「小便に専売特許とかあるの!?」
「ったく、お前ら英国紳士舐めてんのかァ?バチバチにキメてやらァ!」
そう言って、イギリスは畑に入っていく。
シロヤム畑らしかった。
こちらに背を向けて畑仕事をしている第一村人に、背後から近づいていく。
「あー、あのォ、すんません。お話聞かしてもらっても良いっすかァ?」
「あぁ?何だ、誰だか知らねぇが。生憎今は手が離せねぇんだ、後にしてくんねぇかな?」
「まァまァ、そう言わずに。ちょびーっとコッチ向いて話聞いてくれりゃァ良いんで。」
「だーかーら、今、忙しいんだっつってんの!うるせぇな、何処のどいつだよ……」
ナイジェリアは、振り返ってしまった。
瞬間、彼の視界は歪む。
「かはっ…………!?!?」
「あれ、どうしたんすかァ?もしかして、効いてますかァ??」
「き、貴様……!!何故、それを……!?!?」
「ほぇ、コレ有名なの?おもろォ〜。」
「有名も何も……、そら……、タドんとこの……、!!」
「なんかしぶてぇなァ。もういーや。」
「”俺の言いなりになれ”」
苦しんでいたナイジェリアの体の力が、スッと抜ける。
その両眼には、光が無くなり、盾のような深い原油の黒褐色が伝っていった。
「…………。」
「おっ、コレいけたんじゃね?」
「…………。」
「あー、そうだなァ……。”お前の育ててたそのイモ、蹴っ飛ばしてみろよ”。」
「……。」
スパーン
「……ガチで蹴りやがった!!、ハハハハハ!!!、こりゃァ良いや!!!」
「………使えるわァ。」
イギリスの両眼には、たった今生まれた操り人形と対を成すように、期待と悪戯のカサガイ座が、下品に輝いていた。
カサガイ座なんて星座はありません。
あるけどありません。
是 非




