弓使いミナ
ハーフエルフのミナは弓使いだ。
「クレセントストライク!」
ミナは弓を矢に番え、弓を放った! 放たれた弓はブーメランのように回転しながら、モンスターへ襲い掛かった!
「グガァ!」
モンスターは弓を躱す! だが、ミナは悠然と構えていた。「無駄よ」
回避されたかに思われた弓は、弧を描くように戻ってくると、モンスターを真っ二つに切り裂いた。
「やったわ!」
ミナは手に持った矢を勝利に突き上げた。
「矢使ってねーし」遊び人ラオウは呟いた。
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ハーフエルフのミナは中途半端な存在だった。
純正エルフならロバ耳ペチペチが出来る。人間なら餃子耳が出来る。しかし、トンガリ耳のハーフエルフにはそのどちらも出来ない。
そんなどっちつかずの立場に嫌気がさし、冒険者となった。何かに嫌気がさしたとき、冒険者となるものと相場は決まっているのだ。少なくともミナはそう考えていた。
だが、遊び人ラオウに出会って、自分に疑問を抱くようになる。彼は言った。「別に冒険者に拘る必要はないだろ」その言葉に気付かされた。
「そう、私は冒険者じゃない、弓使いよ!」ミナは新しい可能性に挑戦する事を選んだのだ。
「そういう意味じゃねーよ」遊び人ラオウは呟いた。