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お家ごと異世界に引越しました。~モフモフさん達とおだやかな異世界暮らし~  作者: 縁田あい


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65.いい湯だな

 

 よし。エスタール様達に、また我が家へお越しいただこう。

 お風呂とはこういうものです、と実物をお見せした方が話が早そうだ。


 あと我が家に残して来たロアが気になるしね。

 きっと、突然の事だったから驚いただろう。まぁ神樹の精霊様と一緒だったから、そう心配はしていないと思うけど・・・でも最近はちょっぴり過保護モードだったっけ・・・。




 来たれ、我が家よ~!


 我が家に戻ると、ロアが飛んできた。ぎゅうぎゅうと私を抱きしめてくる。全力のハグがちょっと苦しい・・・!


「リサ!よかった、無事で」

「ごめんね、心配かけて」


 急だったけど、神樹の精霊様の厚意でエメの里に連れていかれた事を説明し、今はそのエメの里からこちらに戻って来たと話した。


「エスタール様と、ナターシャ様もご一緒なの」


 〔お邪魔するよ。ロア君、だったね・・・少し見ない間にずいぶん大きくなったのだな〕

「こんにちは。本当ね、とても背が伸びて見違えたわ・・・」


 御二人ともロアを孫息子のように優しい目で見てくれているようだった。



 皆でソファに座ってもらいながら、お風呂の説明をした。

 我が家のお風呂では背の高いお二人には狭いだろうけど、雰囲気だけでも、と思ったのだ。


 でもシャワーの使い方も実際にやってみせると、ナターシャ様がものすごく興味を持たれたようで「わたし、是非このオフロというのに入ってみたいわ」と仰ったのだ。


 それは構いませんけども・・・お付きの方とかいませんが、お一人で入られるの、大丈夫でしょうか・・・?


 ・・・で、結局私がナターシャ様と一緒にお風呂に入る事に。

 どうしよう、私がナターシャ様の美しさにちゃんと意識を保っていられるだろうか・・・頑張れ、私!


 お風呂はせっかくなので温泉の素を入れたにごり湯にしてみた。

 そのバスタブに横たわるナターシャ様の美しさは・・・筆舌に尽くしたけど・・・無理。さようなら、私の語彙よ・・・。


「ナターシャ様、お湯加減はいかがですか?」


 視線を泳がせながらも、お湯加減を聞いてみる。

 もう少し我が家のバスルームが広かったら良かったのだけど・・・。バスタブも日本人向けのサイズだから、ちょっと狭くて足が完全に伸ばせないのが残念だ。


「・・・ものすごく気持ちがいいわ・・・」


 そう、うっとりと鈴が転がるようなお声で囁くナターシャ様。

 そんな麗しいお顔を見れるなんて・・・もう、もう、私も感無量です。ありがとうございます。


「これは、エスタールも入るべきね・・・入れば間違いなく虜になるはずよ・・・」


 そうですね、入ったら良さが分かって頂けますね、きっと。

 でもお入りになるでしょうか・・・。


「気に入って頂けて良かったです。入浴は身体にもとても良いんですよ。血行・・・えーと、血の巡りが良くなるので、健康にも美肌にも良いはずです」

「まぁ!それでは、私はこの良さを知らずに、何百年も損をしていたのね・・・!」


 何百年・・・。

 いえ、美しさは損なわれていないので、損はされていないと思います。でもお風呂はいいものですよね。

 時間が無いのでシャンプーまでは体験してもらえなかったけど、十分にお楽しみ頂けたようです。



「エスタール、オフロはとても素晴らしかったわ。これは私たちの宮殿にもぜひ作りましょう」


 お風呂から出るなり、紅潮した頬のままナターシャ様が最初に言った言葉がこれだった。

 それにエスタール様が〔では私も・・・〕と、まさかのお風呂体験をされたのだった。意外にも好奇心旺盛でびっくりだ。


 えーと、さすがに私がエスタール様と一緒にお風呂に入って説明は出来ないので、そこはナターシャ様にお任せしました・・・。



 ほっこり湯上りのハイエルフの御二人は、次に私達がエルフの国を訪れる時までに、お風呂を完成させておくと宣言して帰って行かれた。

 どんなお風呂になるのかな、楽しみだ。


 そうそう、なぜか梅の木の精霊ラムちゃんがお風呂場に現れたそうだ。この前ロアの入浴中にも現れたとかで・・・もしやお風呂好きの精霊さんなの?


 そこでエスタール様とナターシャ様と何か話していたようで、そのまま御二人と一緒にエメの里に行ってしまった。

 向こうでエメの精霊に会ったらまた戻ってくるそうだけど、これって一応は里帰りになるのかな?



 あの真珠の君(きみ)は、梅酒と杯を持って真珠爺様(おじいちゃん)のところに早々に向かったようだ。二人は飲み仲間なのかしら。

 そう。真珠の君は『新しく仕込んだ方を飲ませてよ』なーんて、ちゃっかり私が新しく梅酒を仕込んだのを知っていたのだ。

 いったい何処でそういう情報を得ているのか。

 ・・・まさか眷属ネットワークでSNSでもあるの?真珠ちゃんが何か呟いたとか?いや、まさかね・・・。



 その日は久しぶりに我が家でロアと二人で遅めのランチをした。

 ロアのリクエストで、今日はお野菜をたっぷり入れたソース焼きそばだ。ロアはこの甘じょっぱい濃いソースが麺に絡んでいるのが好きみたい。麺もこちらの世界ではあまり見ないし、珍しいっていうのもあるのかな。


 この麺料理もアルお姉さんに教えてあげたら喜ばれそうだ。

 あ、そうだラーメンとかは作れないかな・・・かん水が無いから無理かしら。そもそも”かん水”って何?って感じ。まぁ一から作るのはどれも大変な事だよね。

 ちなみに今日の焼きそばの麺は安定の〇チャンです。麺といえば、これ!みたいな有名どころです。


 そういえばアルお姉さん達にもしばらく会ってないなぁ。今度ベルナール領に戻ったら麺料理を相談してみようかな。ただ私は麺づくり経験がそう無いので、あまり自信がないのだけれど・・・。

 でもいずれはヴァンフリードさんが研究を重ね、美味しい麺を作り出してくれるに違いない。


 あ、おうどんなら小麦粉があるから、すぐにでもお店で商品化ができそう。あー、無性に焼きうどんを食べたくなっちゃった。



 さて、食休みをしたら石けん作りに取り掛かろう。

 とりあえずお二人のお好みもリサーチできたし、さっそくアワワの実で作り始めますか。


 まずは素材集め・・・とりあえず、お庭でビワの葉でも採ってこようかな。



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