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28.女神様の【知識】が凄すぎた

 

 そうだ、今のうちに女神様の【知識】で石けんの材料を調べておこう。

 もしかしたらこの森で調達できるものがあるかもしれないし。


 日本に居た頃はコールドプロセス製法の石けんを手作りしたことはあるんだけど、それは”苛性ソーダ”という劇薬を使って作るものだったから、この世界ではきっと無理だろうなぁ。

 そもそも苛性ソーダって何から出来ているんだろう・・・そんなこと考えた事もなかったな。


 昔ヨーロッパで石けんが作られ始めた頃は、動物の油と海藻の灰を使っていたって何かの書物で読んだことがある。あとお塩だったかな? 詳細は忘れちゃったけど。


 多分そういった製法でこの世界の石けんも作られているだろうから、その石けん生地をアレンジできれば近道だよね。

 まぁ王妃様達にお渡しした、日本製のシャンプーと高級石鹸にはどうやったって及ばないだろうけど。

 あれは日本のメーカーさんが研究を重ね、技術の粋を結集して作られたものだからね。むりむり。


 それともコールドプロセスの石けんをこの世界の材料で作れるか調べてみる?

 何といってもポーションのある世界だから、意外と簡単にできちゃったり・・・?

 よし、ダメ元で調べてみよう!



 女神様の【知識】さま、お願いします!


 えーと・・・?

 油脂と海藻の灰と、アワワの実・・・?

 それってつまり、油に灰に・・・え、なにそのアワワの実って・・・。最後のだけよく分からない。

 あぁ、でも【調合魔法チート】を使えば出来るみたい?


 とりあえず、そのアワワの実というのが欲しいけど・・・一体どこにあるのか。

 ここは、さらなる詳細鑑定さんに期待です!



 【アワワの実:アワワの木に生える白い果実で、食用には不向き。水辺の植生】



 ・・・うーん、やっぱりよく分からない。水辺って色々あるよね・・・川とか海とか・・・。


 とりあえず、水辺に生える木? もしくは草? ・・・になる実のようだ。

 ちょうど湖の近くだし、この辺でも見つかればいいんだけどなぁ。

 帰りにちょっと鑑定魔法で探してみようか。



 森の中に戻ると、少し風が出てきていた。雲行きが怪しくなってきたので、あまり長居をしないほうが良さそうだ。


「帰る前にちょっとだけ水辺に行っていい?」


「いいよ。何か探すの?」


 察しの良いロア君だ。

 アワワの実っていうのが欲しいんだけど・・・と説明するも、私も実物を見たことが無いので説明が難しい。

 そもそも今の時期に生っているのかどうかも分からないのだ。


「白い果実・・・」


 行き当たりばったり過ぎたかな。【鑑定】にも引っかからない。

 今日の所は諦めて帰ろうか、とロアと話していたその時、湖面に光る泡のようなものが見えた。


 どうやら水面から泡がぷくぷくと出ているようだ。

 これはもしやと【鑑定】をしてみると・・・



 【アワワの実】



 あったぁ!!



「あった! あれ! 泡が出ているところの下にアワワの実があるみたい」


「・・・あの水の中?」


 そうだ。水の中だ・・・。どうやって採ろう??


「うん。あれ、どうやって採れば・・・?」



 ロアが、僕が潜って採ってくると言ってくれたけど、水深がどのくらいあるのか分からないし、止めてもらった。

 運動神経が良いロアでも、万が一があったら困るからね。


 今日のところは場所が分かっただけで十分だ。

 あらためて時間がある時に、ちゃんと準備をしてから来よう。


 うん。石けんへの道筋が見えましたよ!




 さて、今日はルーカス様のお屋敷でランチの予定。

 最近お疲れのルーカス様から、またあのカレーが食べたいとリクエストがあったのだ。


 ルーカス様は本当にお疲れのようだし、カレーで元気になって欲しいからそれは良いとして・・・他にもカレーの噂を聞きつけたレティシア様やアレン様、ダリル様も同席されるらしい。

 皆さんの期待値が高めのようですけど、思いっきり家庭料理なんですが・・・。



 ともあれ、さっそくカレーライスを作り始める。

 今回はビーフカレーでちょっと豪華にしてみた。(※当社比です)

 しかし侯爵家の素晴らしいお皿に盛られるカレーライス・・・見た感じも「これじゃない」感がすごい。


 それでもルーカス様にも、他の皆さんにも大変喜んでもらえた。


 レティシア様はお上品にスプーンを使ってお口の周りを一切汚さず優雅に召し上がっていらした。本当にカレーライスを食べてるの? という感じ。貴婦人とは、こういう人のことか・・・。


 アレン様とダリル様は育ちざかりらしく、それぞれ2回程おかわりしてくれた。こちらで用意していたご飯がなくなってしまったので、残念ながらそこで打ち止めになってしまったけど。

 ご飯の用意がもっとあれば、きっともう一度くらいおかわりをしていたに違いない。育ち盛りを舐めちゃいけなかったね。


 そしてアレン様たちに「「 また食べたい! 」」と、揃っておねだりされてしまう。

 その気持ちよい食べっぷりが私も嬉しかったので、近いうちにまた作るとお約束をした。


 なぜかロアがうるっとした目でこちらを見ていたけど・・・。大丈夫、ロアの分もちゃんと作るからね?




 夜に我が家に戻ってお風呂に入っている時、あのアワワの実の事を思い出した。

 どうやって水の中にある実を採取するか考えたけど・・・やっぱり潜るしか思いつかなかった。

 網を投げてみるのも考えたけど岸辺から少し離れているから命中率も怪しいし、なにより水中の様子が見えないからね・・・。


 でもさすがにロアに潜ってもらうのは申し訳ないので、自分で行くつもり。

 正直、水温がネックなんだけど・・・少し肌寒くなってきたし、湖に入るのは厳しいかなぁ・・・。せめてもっと暑い時期だったらよかったのに。


 そんな事をあれこれと考えていた時、まだあのゴア熱について調べてなかった事に気づいた。もしかしたらゴア熱に効く薬草が判るかもしれないし、これは念入りに調べなくてはね。


 女神様の【知識】さま、再びお願いします!




 【ゴア熱:熱病の一種】


 ですよね。あわせて詳細鑑定もお願いします!



 【高熱、関節の痛み、咳などの症状が続き――――】



 ふむふむ・・・・・・ふむ?

 え、ちょ、まっ、特効薬! 特効薬があるじゃない!


 でもこの特効薬に必要なエメの木ってなんだろう・・・?


 ・・・いや待って、この感じは前にもあったよね!?



 メメ→桃 キキ→柿 カカ→カカオ



 このよく分からない法則? みたいのに基づいて考えてみると・・・もしかしたら、エメ→梅、なんじゃない!?

 音というか、なんとなくニュアンスが似てるし、これは当たりなのでは!?


 これは今すぐ我が家の梅の木さんを鑑定しないと!



 ――――で、急いでお風呂からあがって、我が家の梅の木を鑑定してみたのですよ。

 すると・・・




 【エメの木:梅の木】


 さらに詳細鑑定をしてみたら・・・



 【エメの葉:熱病の特効薬になる】

 【エメの実:腸炎の特効薬になる】

 【エメの仁:エリクサーの原料】



 なぁぁああああ!

 すごい効能ばっかりぃー!


 しかもエメのじんって、梅干しの種の中にある、あの白いトコでしょう!? 食べすぎは良くないっておばぁちゃんが言ってたやつ!



 まさか、あれがエリクサーの原料だったなんて・・・!


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