いたずらハロウィン
台本の中身を変えるような改変はNGとします。用法と要領をまもり、お使い下さいませ。
配役表
男:♂ 24歳のフリーター、身に覚えのない事でバイトを辞めさせられた不幸な男
子供:不問 公園で遊んでいる子供
モブ1 :遠くから公園を見に来た人
モブ2: モブ1と一緒に公園を見に来た人
男役がモブ1、子供がモブ2を兼役する想定で書いてます。
3人、4人でもできます。
(男、ベンチでうな垂れるように座っている)
男「はぁぁ…またバイトクビになった
もうこれで何回目だろう…僕は何もしてないのに、有らぬ疑いでクビにされる…もうこんな生活、懲り懲りだよ…」
子供「こんにちは!」
男「…ん、あぁこんにちは」
子供「おじさん!」
男「…なんだい?」
子供「トリック・オア・トリート!」
男「あぁ、今日はハロウィンだったね
でもごめんね、生憎とお菓子は持ってないんだ」
子供「トリック・オア・トリート!」
男「いやいや別に意地悪して、あげない訳じゃないんだよ」
子供「トニック・ライム・ビーフィーター!」
男「だから持ってないって……いや、それジントニックの材料だから
子供が何お酒の作り方叫んでるの」
子供「トリカラ・レモン・シボッター!」
男「うん、おつまみ用意しないで」
子供「トンファー・カリ・スティック!」
男「急に、急に中国の武器、よく知ってるね」
子供「トンファー・デ・ナグール!」
男「何で?え、何で殴られるの?」
子供「ナグール・ソシテ・ナグール」
男「ア痛、ア痛ッ、もう原型とどめてないよね」
子供「むー、お菓子買ってきてお願い!」
男「何なんだよもう…ほら、お駄賃あげるからこれで自分で買って、ね」
子供「いや!」
男「嫌って…おじさんも暇じゃないんだよ」
子供「じゃあなんでおじさん、平日のこんな時間に公園のベンチで座ってるの?パパは夜遅くに帰ってくるのに」
男「うっ…それを言われるとグゥの音も出ないんだけども…」
子供「知ってる!おじさん、にーとなんでしょ!」
男「誰がニートじゃ!フリーターだフリーター!」
子供「おじさん、フリーターなの?」
男「というか、まだおじさんって歳じゃないし」
子供「フリーターなんだ!」
男「まだ20ちょいだし、四捨五入したらぎりぎり20だし、お兄さんだよ、うん」
子供「つまりひまなんでしょ?買ってよ!」
男「まぁ、うん…仕方ない
じゃあ一緒にコンビニ行く?」
子供「買ってくれるの⁉︎」
男「流石にこれ以上騒がれると悪目立ちするからね、ほら行くよ」
子供「…ううん、おじさん1人で行ってきて」
男「え、何で?」
子供「お砂のケーキ作ってる途中だから」
男「全く…子供は自分勝手でいいなぁ…わかったよ、買ってくる
その代わりお菓子のことで文句、言わないでね」
子供「わかった!」
〜買ってきた後〜
(砂場にとてもリアルな砂で作られたカボチャのケーキがある)
男「買ってきたよ……って、うわっ!」
子供「あ、おかえり!こっちもお砂のケーキ、完成したよ!」
男「すんごい大きいし…というかやけにリアルなカボチャのケーキだね…ほんとにこれ、作ったの?」
子供「うん!」
男「造形の才能あるんじゃない?将来は有望な創作家になるよ、本当に凄い」
子供「……本当に?そっかぁ…」
男「どうしたの?」
子供「ううん、何でもない!
それよりお菓子お菓子!」
男「はいはい……はいこれ」(見せる)
子供「わー!マシュマロだ!」
男「どうする?今食べる?」
子供「うん、今食べる!」
男「じゃあ、そこの水道で手を洗ってきて!」
子供「わかったー!」
小間
モブ1「確かここら辺だっけ、去年交通事故があったのって」
モブ2「轢かれたのは子供だったんだろう?未来があったはずなのに、可哀想にね」
小間
子供「ただいま!手、洗ってきたよ!」
男「よしじゃあもう1回魔法の言葉、言ってごらん」
子供「トニック・ライム・ビーフィーター!」
男「違う、それじゃなくて」
子供「トリック・オア・トリート!」
男「トリック・オア・トリート
ハッピーハロウィン」(マシュマロを渡す)
(袋から取り出して口に含む)
子供「んまっ!んまっ!」
男「そうか、美味しいか」
子供「おじさん、ありがとね」
男「今度からはあんまり大人に迷惑かけちゃだめだよ?」
子供「もうめいわくかける事はないかな」
男「どういうこと?」
子供「今度は…もうないから…
ありがとう、おじさん
お礼にケーキ食べていいよ!」
男「砂なんだから食べれる訳ないよ…」
子供「にひひっ、じゃあねおじさん!
そろそろ暗くなるし帰るね!
トリック・オア・トリート!」(駆けて行ってそのまま消える)
男「なっ⁉︎どうなって……」
小間
モブ2「あの人、この封鎖された公園で何やってるんだろうね」
モブ1「きっと、子供にいたずらされたんだろうよ
なんていったって今日はハロウィンだからね」
間
男「……ははっ、僕はこんな所で何やってんだろね
くよくよしてたってしょうがない
君の分までもう1度、頑張ってみるよ
…トリック・オア・トリート」
ご利用、ありがとうございましたぁぁっ!
ハロウィンで書けてよかったぁぁ!