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12-3 地下都市への侵入

「…亜空間から実体空間への転移完了。

 着いたぞ、レーニア山上空だ」




コックピットでシアラが外部モニターを注視しながら『フィムカ』号に乗り合わせた竜司達に言った。


「ん…ふぁあああ。

 もう着いたのか」

「なんだ赤羽、何でそんなに眠たそうなんだよ?」

「そりゃよ東雲、我が妹様である沙結のお手伝いをしてたら、いつの間にか朝になってたんだよ…」


「あー、あれか。確かにコミケまで近いもんな」

「それでよ、沙結に夜更かしするなって注意するつもりが、なぜかいつの間にか手伝う事になってたんだが…」

「沙結さんマジックね」

竜司と東雲の会話に神崎も加わってきた。


「それでなくても赤羽家では貴方はヒエラルキーの一番下ですものね。特に春乃さんと沙結さんには頭が上がらないのだから、仕方ないわね」

クスッと笑う神崎に、竜司がジト目で応じる。

「いやなぁ神崎、俺にだって兄としての責任というものがあってだな…」


そんな会話を交わしながら下船の準備をする竜司達をよそに、キャビンの片隅にある席では桜木が身を固くしていた。

「桜木さん、大丈夫ー?」

珍しく心配そうに声を掛ける山科に、桜木は頭を手で抑えながら弱々しく頷いた。

「うん…まあ、大丈夫…だと思うけど」


「でも気分悪くなるのも仕方ないよ。

 何たってこの船でワープ経験するの初めてでしょ、ワープで時空酔いするのは当たり前だし、それにシアラちゃんがまたしても酔い止め調達するの忘れてるし」

「なっ!!わ、私だって気づいてはいたのだぞ。ただ整備部から調達する時間が無かっただけで…」

「いやいや、前回のワープん時からどんだけ経ってんのよ」

「うぅ…すまんん…」


結局自分の失態を認めざるを得ずしょんぼりするシアラを尻目に、山科が桜木を何とか席から立たせた。

「立てる?」「あ、うん…何とか」


「ま、とりあえずここからは山の中腹辺りに降り立って、そこから神崎さんのワープ能力で地下都市内にジャンプするだけだし。

 もう酔う事もないでしょ」




桜木の父親、桜木浩太郎氏がほぼ軟禁状態で入院している病院は、”機関”が管理している北米大陸内の秘密地下基地ネットワークの中でも中核的な位置付けにある地下都市に存在していた。


地下都市の名は「テロス」と言い、ワシントン州レーニア山の地表から数kmという大深度地下にある。

元々は紀元前1万年前に滅んだ超古代文明の遺跡だったものを米軍が異星人エイリアンと共同で再開発していて、現在では直径3kmほどの巨大なドーム内に”機関”構成員の住居や業務施設、商業施設、公園などが成熟した都市工学設計に基づいて整然と配されている。


また、メインドームの周辺にクモの巣のように張り巡らされたトンネルで連結されたサブドーム群には各種工業施設や軍事施設群が置かれてあり、”機関”の司令部などもあるようだ。

とは言っても、地下基地群はここ以外にもネヴァダ州やニューメキシコ州等、または東海岸側のアパラチア山脈内にもあり、司令系統は各所に分散されていてリスク管理は怠りないようだ。

更にはこうした地下基地群が、やはり超古代の遺跡を利用した大陸間地下トンネル網によって欧州やロシア・シベリアや南米と言った他の大陸にも繋がっているらしい。


いずれも、全ては”機関”による最高機密のヴェールに包まれていて、地上の一般人にはその存在がタブロイド紙やオカルト雑誌の飛ばしネタ程度にしか認識されていなかった。

だが、山科が桜木のアプリを基に『ラライ・システム』の力を借りてハッキングしたお陰で、”機関”の地球上における全貌が明らかになったので、”機関”攻略の見通しはだいぶんはっきりしてきた。




「みんな、マントとベルトを着用したか?」

「ああ、俺はOKだ」

と、竜司は羽織ったマントをヒラヒラさせた。


「どういう素材で出来ているの?このマントは」

桜木がマントの表面に顔を近づけて凝視する。

何しろ、マントの向こう側の景色を完全に透過して見せているのだ。

ともすれば、すぐにマントの所在を見失ってしまいそうになる程だ。

かろうじて表面のわずかなテクスチャーを目で拾い上げる事で何とか外形を認識する事ができる。


「もちろんこれは”アラヤシマノクニ”の連中が作ったものだからな。私にも詳しい事はよく分からん。

 もっとも、ルシール特務長ならこちらの欲しい情報以上の事をベラベラと喋ってくれるだろうけど」

シアラはサーミアに対しては一応敬称を使うのだが、若干ぞんざいな物言いである。

苦笑する竜司達をよそに、次はベルトを桜木に付けさせた。


「このベルトは、あらゆる化学的・物理的侵襲をガードしてベルトを装着した対象を防護する機能がある」

「ほほう、なんかフォース・フィールドみたいな感じか」

「それにベルトの真ん中にある操作盤を使うと、自身の体を空中に浮かばせて自由自在に移動する事も可能だ」

「マジすげぇ!ライダー的な感じになってきたな!」


東雲も感心しつつ、ベルトの付け心地を味わうように腰へ手を回してベルトの位置を微調整している。

「大変お似合いです=東雲様=ライダージーオウやエグゼイダスにも負けてません=」

東雲の肩に乗った『トラン』が東雲の姿を褒めちぎった。


しかし、最近は『トラン』の言葉使いも動きも持ち主である東雲の仕草そっくりのオーバー表現気味になってきた。

ペットは飼い主に似るというが、まるで本人が憑依したかのようにも見えなくもない。

竜司の『ゼロ』や神崎の『ケーシー』はそのような事もないのでちょっと不思議だ。

ただ、山科の『フェイ』はやはり若干本人のような飄々とした感じが移りつつあるから、これは個人差というものであろう。




「全員、装着したな」

シアラは全員を見渡して頷いた。


「それじゃ、地表に着地したら直ぐにそこのハッチを開けるから降りてくれ。

 その後は、事前の作戦プラン通りに行動するように。私はここから指揮を取るので、何かあれば”眷属”達を通じて連絡を取って欲しい」


シアラの話では、『ゼロ』達”眷属”によって竜司達の頭の中に直接通信を送るように出来るらしい。

同じく、不可視化したマントでも可視化出来るように映像情報を送り込んでくれる。あとは勝手に脳が擬似映像と目で見た映像を合成して処理できるそうだ。

「おお、確かにマントを被っててもみんなの姿が見えるぜ!」

「仕組みが全く分からないけど、便利なものね」


そして、桜木には飾りのついたヘアピンのようなものが手渡された。

「これは?」

「ああ、桜木さんには”眷属”がいないからね。

 その代わりにこれを通信機として使って欲しい」


「この飾りは…」

そのヘアピンの飾りには、奄美大島のマスコットキャラであるアマミノクロウサギの「アマミン」があしらわれていた。

「これ、私が好きだったやつ…」

「え?そ、そうだったのか?」

「それは、私と赤羽くんとで雑貨店から探し出したものなの。出来れば大切に使ってくれると嬉しいわ」

神崎がなぜか胸を張るようにして言った。


「そうなんだ…分かった、大切にする」

桜木は、ほんの僅かな間に微笑んだように見えたが、すぐにそのヘアピンをツインテールの髪に装着した。




「それでは、船体を電磁輻射迷彩状態にしたまま山腹まで降下するぞ」


シアラが『フィムカ』号を慎重に操作すると、船体がスススッと音も抵抗も無く垂直に降下を始めた。

そのまま、1分と経たずに上空1万m付近から地表まで到達する。


船体が着地した時、一切の振動も感じられなかったので竜司達は一瞬戸惑った。

「ほら開けたぞ!出ろ出ろ出ろ!!」


シアラが軍隊調の呼びかけで竜司達を促したので、そこでようやく竜司達はハッチを通じて外に躍り出た。


周りを見渡すと、辺り一面が針葉樹林になっていて『フィムカ』号の辺りだけが少しだけ開けた草地になっている。

このレーニア山は標高でいうと富士山より高く、辺りの山々がまだ真っ暗な中で頂上だけが夜明けの光に照らされて、わずかに残った雪冠がまばゆく煌めいている。


「うおっ眩し…確か西海岸標準時でサマータイムだから、今は午前6時頃だったっけ?」

「って事はこっちももう夏って事でしょ、帰ってくる事には暑くなるのかな?私日焼け止め塗ってくれば良かったー」

「おいおい、ピクニックじゃねーんだぞ」

「でも、乾燥しているから多少は凌ぎやすいわね」

桜木だけは何も言わず、麓の辺りを見回している。


「ん?どうした?」

竜司の問いかけに、桜木は首を横に振った。

「何でもない。ただちょっと懐かしいなーって思っただけ。

 昔、この辺りの小さな町で演奏した事があるから…」


『おい!さっさと散った散った!!』

まるでスピーカーのようにシアラの声が頭の中に響いた。

「っちょ!出力つええって!ボリューム落としてくれ!」

「しかし竜司様=シアラ様の指示でして=」

『だからいつまでもそこで喋っていないでさっさと行ってくれ!

 こちらの電磁輻射迷彩も、ここではどこまで効果があるか分からない以上作戦行動時間は短い方が良い!さもないと、作戦を中止せざるを得ないからな!』

「あー分かった分かった、はいはいっと」




シアラに発破をかけられながら、竜司達が針葉樹林の中を少し進んだところで山科が目の前の空間にホログラムの地図を表示させ、それを少しスワイプした。


「ふーむ、よっしゃ。

 神崎さーん、多分この辺りの真下100mくらいの深さに例の坑道があるよ」

「多分?本当に大丈夫でしょうね…」

山科の適当な表現を聞いて、神崎が額に手をやってため息をついた。

「まーまー、私のナビを信じなさいって」


「仕方ないわね…みんな私の側に寄って、私の腕に触って頂戴。

 それじゃ、ワープするわよ」

神崎は、全員が自身の腕に触れるのを見届けてから目を瞑り、その地下のイメージを想起させながら念じた。


次の瞬間、神崎達は地上から一瞬にして姿を消した。




ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー




「こっちだよー」


坑道から先は、山科のナビによって大した障害にも出くわさずに複雑なトンネル内を進んでいった。

すると、ちょっとした広間のようなところに出た。


「おおっ…スゲェ」

広間にある壁の一部が抜けていてそのままドーム空間への踊り場になっており、そこから下の様子が一望出来る。

どうやらこの広間は、ドームの天井付近に位置しているらしい。


「これが地下都市というものなのね…」

神崎が感嘆する。

確かに、巨大なドームの底部にビルや住宅や公園などが計画的に配されているのが見えた。都市は天井の巨大な照明によって明るく照らされている。

「まるでどこかの世紀末ロボアニメに出てくるジオフロントみてぇだな」

「って事はさー、どっかにエヴォ壱号機とか置いてあったりして♪」

「にしても、通商結節体ゲートワールドの超巨大な空間とか見慣れちまった俺達にしてみたら、案外こんなもんかって感じもするけどな」

「でも、現代人類が建造したのであればそれはそれで驚くべき事よ」

「うーんまぁ、元々超古代文明の遺跡だっつー話だしな」




「さて、ここからは別行動だな」

竜司が全員を見回して言った。


「じゃあ、行ってくるぜ!」

陽動班である東雲が腕をブンブンと回した。

「この道から下に降りられるから、れっつごー」

同じく陽動班の山科がトンネルの方を指差す。

「え?ココの踊り場から下に降りればすぐじゃねーの?」

「いやいやいやいやちょい待ちちょい待ち!」

山科は踊り場から飛び込もうとする東雲の首根っこを引っ張った。


「えぇ…」

「何が『えぇ…』よ!!アンタには常識ってものがないの!?っていうか私も飛び込まなきゃいけなくなるじゃん!!」

「だけど山科、お前だって前にエリア51に来た時は上空から真下を覗き込んでたじゃねーか」

「ただ単に見るのと自分で飛び込むのとじゃ大違いよ!!」


「おいおい…どっちでも良いけどお前ら早く行けよ…」

何やら二人で言い合ってるのを尻目に、竜司と神崎・桜木による奪還班は別のトンネルを使って

病院へのルートを辿って行った。




ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー




トンネルを抜けると、一種の工場地帯のような所に出た。

「ふーん、確かにこうしていると地上にいるのと変わんねーな」

「にしても妙ね…」

「何が?」

「いえ、周りの従業員らしき人達の顔というか表情というか、まるで死んでいるみたいな感じだわ」

「ウェ!?まさかゾンビとか!?」

「まさか、そんなことは無いと思うけど…そう言えば明日香さんが以前に言っていた事なんだけど」


赤羽明日香は”機関”のスカウトで月面基地に派遣された時、エージェントから警告を受けていた。

すなわち、”機関”の意向と逆らうような事を行った場合は、懲罰処分として「洗脳」を受けてから「部品」と呼ばれる奴隷同然の身分に落とされて以後一生、過重労働を課されるそうだ。

また「部品」は懲罰で成される以外でも、無辜の一般市民を船舶や航空機の事故を装って大勢拉致して調達する事もあるという。


「そういやそんな事言ってたけど…マジであの人達がそうなのか?…何てこった」

「でも、そういう人達は外部から無線通信によるコントロールを受けてると言ってたから、山科さんはハッキングできるかもとか言っていたわね」

「そういや、山科は今回ハッキングの端末を持ってきてたよな」


「ね、ねぇ…私達、本当に見えてないのかな…?」

桜木がオドオドしたように周りをキョロキョロと見ながら竜司のマントの裾をつまんでいる。

「まぁ大丈夫だろ。現にここらの従業員のオッサン達も俺らを見てねーしさ」

「巡回ロボットも私達に反応しない所から、肉眼では見えないだけでなく機械のセンサーにも感知しないようね。それなら問題なくこのまま進めそうだわ。それよりも…」


と、神崎は桜木が竜司の側にピッタリくっついて歩いているのをチラリと見て、

「…コホン!え、ええと…桜木さん、そのあまり赤羽くんの側に寄って歩かない方が良いt」


神崎が桜木に話しかけた瞬間、遠くでドゴォンと何かが爆発する音がした。

「えぇええ!?もしかして、もう始めちまったのかよ!!」


『すまん!!ちょっと山科がドジ踏んだお陰で先におっ始めざるを得なくなった!!』

『何言ってんのよ!!そもそもアンタが無理やりあそこから飛び降りたのがいけないんじゃない!!だから私だってろくに見当も付けられずに突っ込んで行かざるを得なかったんだから仕方ないでしょ!!』

「あー、分かった分かった!だからお前ら、通信しながら喧嘩するなよ」


竜司は頭の中で二人の怒鳴り声を聞いて顔をしかめつつも、神崎と桜木を引っ張って走り出した。

「もう仕方ねぇ!陽動班が敵の警備を引きつけている間に俺達は急いで病院に行くぞ!!」




病院は、工場地帯からさらに2ブロックほど進んだダウンタウンエリアにあった。

「ハァ、ハァ…病院の外面はなんて事のなさそうな感じだけどな」

「フゥ…とりあえず、入りましょう…」

「ちょ、ちょっと待って…息を整えてから…」


すると、割と近くのブロックでまた爆発音が上がり、濛々とした黒煙が吹き出すのが見えた。

既に路上ではパトカーか消防車のサイレンが方々から聞こえてくる。

「うえぇ!?何か妙に近くねぇか!?

 東雲達、確かドームの反対側のブロックで騒ぎを起こすはずだったんじゃねーのか!?」

「それに、予想以上に反応がクイックだわね。この分だと全域で検問が敷かれるかも知れないわ」

「ああ、あまり休んでも居られねえ、早く入って桜木の親父さんを探そう!!」


病棟内は外と比べ、とても静かだった。

しかし、ドゴォンという爆発音がまたも立て続けに、病院の頑丈な壁越しからでも聞こえてくる。

「おい!!流石にお前らやり過ぎじゃねーのかよ!?」

竜司は通信をオンにして東雲達に呼びかけた。


『いや、俺達はそっちで何もしてねぇぞ!?』

『あ、でももしかしたら、あれかもよー』

「あれって何だよ?」

『さっき私、例の「部品」とかいう人達をコントロールするシステムにハッキングして相互通信を一時的にダウンさせたんだよー。もしかしたらそのせいかも』

「って、ダウンさせたらどうなるんだ?」

『えっと「部品」の人達の自我が戻るかもって明日香さん言ってたかなー』

「マジかよ!?」


「えっ?えっ?な、何が起こってるの?」

桜木が戸惑いながらまたキョロキョロしている。

「恐らくはあちこちで反乱か暴動が始まっているのかも知れないわね」

「は、反乱!?」

「山科さんが「部品」の人達を目覚めさせたお陰ね。

 この地下都市にどれだけの人達がいるのか分からないけど、このままなら都市全体に騒ぎが広がるでしょうね」

「だな。この病院が巻き込まれるのも時間の問題だろ。急ぐぞ!」


山科が入手した事前情報に従って病棟内を数階上にある更に奥のエリアに進むと、薄暗い廊下の先に電磁ロックが掛かった扉が見えた。

「よぉし…ようやく俺の出番かな」


竜司が数歩前に進み出て、扉のロック部分に手をかざした。

すると竜司の念動力によって、バキっと何か金属が折れる音と共に扉がゴリゴリとゆっくり開いていった。




扉を越えて更にしばらく進んだところに、目的の病室があった。


「…お、お父さん…?」


念のため照明は付けないまま薄暗がりのままで、医療機器の表示だけが点々と灯る病室のベッドで静かに眠り続ける中年男性のそばに、桜木が駆け寄った。


「お父さん、お父さん!!

 ねえ、起きて!私よ…亜美だよ!!」


肩を揺さぶられた男性が、その目をゆっくりと開いた。


「…ん…んん。

 おや…誰だい…亜美か…?」

「そう、そう!亜美だよ!!」

「んー…亜美…また…志布志の渚で演奏しよう…」

彼は目覚めきっておらず、未だ寝ぼけているようだ。


桜木は今一度ちゃんと目覚めさせようと、今度は思い切り体を揺さぶる。

「お父さん!!ちゃんと目を覚まして!!私よ!亜美がお父さんを助けに来たんだよ!!」

「ん…んんん。…え?

 ま、まさか本当に、目の前にいるのは、亜美…なのか!?」

「そうよ!そう!」

「本当か!?」

「父さん!!」

「亜美!!」


病気のせいか、いささか動きのおぼつかない腕で何とか上体を起こした父親に、桜木がひしっと抱きついた。




「お父さん…良かった…間に合った…!!」

「おぉ…亜美…」

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