27-1 新党結成と政治改革
「私はここに、新党『日本自立党』の結成を宣言いたします!!」
無数のカメラがフラッシュを眩かせながら撮影する中で、”元”民主自由党議員だった新條は演壇の上でそう高らかに声を張り上げた。
「新條議員!宇部首相とは党を割る事について話し合われたのでしょうか!?」
「新條議員!高野議員の派閥を取り込んだというのは確実なのでしょうか?」
「新條議員!次の衆院選では勝算があると見込んでいるという事でしょうか?」
「あ、あー、そういう質問は後ほどまとめて承りますので、今はご静粛にお願いいたします!」
脇に控えている進行役の菅原秘書官がそう応えた。
ざわめいた会場が一度落ち着きを取り戻すと、一度咳払いをした新條が改めて会場の聴衆へ向かって語りかけた。
「皆さんもよくご承知でしょうが、先日の9月25日に宇部首相が衆議院の解散を正式に表明致しました。
その際に宇部首相が『国難突破解散』と銘打った通り、我が国は今や余りにも多くの難題が山積しております。
首相はこのタイミングで議院再編と民自党内組織改編を図り、この難題に対処する心積りでしょうが、私としては現在の民自党では余りにも組織の硬直化が進んでいて、単に組織改編を行っただけではこの難題に対処する事は非常に困難だと考えております。
そこで私としては有望な若手議員達を率いて民自党を抜け、更にそこへ他党からも有望有能な人達を呼びこんで、新たな党を立ち上げる事を決心致しました!」
新條がそう言って演説に一区切り付けると、会場内が再び大きくどよめいた。
「既に今、私が直接声を掛けてご参加頂いている旧民自党議員73名に加え、大池都知事が率いているジャパンファーストの会の諸君が約100名余り合流する事が決定しております。
更には進民党からも100名程度が合流できる見込みとなっております。こちらの方は、現在も敦賀氏と細信氏、葛葉氏による実務的な調整が続けられております。
ただし、いずれも我が党の理念やポリシーに共感できる方が対象となっておりますので、各党の党員全員を受け入れると言う事ではありません」
そこまで言うと、一番前にいたベテラン記者の一人からさっと手が挙がった。
「つまり、総勢にして300名近くの大所帯となる可能性があるという事ですよね。最終的には民自党からの政権奪取まで進めたいというお考えでしょうか?」
その質問に、新條はその記者の顔を見据えた。
「現時点では何も言えません。ただし、衆議院選の結果次第では様々な選択肢が考えられるでしょう」
「という事は、やはり…」
記者が更に何かを言おうとするのを新城が手で遮った。
「あくまでも今回は衆議院選を勝ち抜く事だけに全力を注ぎます。
また今回の衆議院選を無事乗り越えたとしても、今後は更に参議院への対応も考えねばなりません。
何事かを成し遂げようとしてもそうそう一気呵成には進みませんので、ここは堅実に事を進めていきたいと考えております」
新條の煙に巻くような発言に記者達は鼻白んだが、その後ですぐに日本自立党は民自党との連立を画策しているのでは?という憶測が広がった。
確かにこの時点で自立党の衆議院選立候補者数は最大で270名余り、それに対して民自党は330名以上を候補者に挙げていた。
そうなると、例え衆議院選で大勝したところで民自党の議席数には数歩も及ばず、単独では野党第一党の地位がせいぜいとなってしまうだろう。
新條が民自党への批判を抑え気味にしているのも民自党との連立・共闘をも視野に入れているからだろう、という推測が支配的になっていった。
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記者達が更にざわめいたのが、続いて新條が提示した自立党の選挙公約についてだった。
日本自立党は「消費税を含めた増税凍結」「新資源・エネルギー政策推進」「規制緩和・新産業政策推進」「安全保障体制強化」「憲法改正」を公約の5本柱に据えていたが、
特に注目されたのが「新資源・エネルギー政策推進」に於ける海洋資源の本格的な採掘政策だった。
何しろ、この夏頃よりJAMSTEC(海洋研究開発機構)が沖ノ鳥島周辺及び南鳥島周辺の広汎な海域において、トータルで(日本が使用する年間消費量の)実に150年分もの油田・天然ガス田が埋蔵されているとの調査結果が公表されていて、また沖ノ鳥島周辺での海底火山活動及び新島誕生も含めた一連のニュースに日本中が湧き立っていた。
更には直近の調査において、南鳥島近海において新たに発見されたギヨー(平頂海山)の頂上付近を探査試掘したところ、何と驚くべきことに巨大な金塊を含む極めて高純度の貴金属・希少金属の塊がゴロゴロと採掘されたのだ。
これは今までの日本近海での海洋探査で見つかった海底鉱石の純度を遥かに超えていて、従来考えられていた高度な技術と設備を必要とするボーリング掘削による採掘ではなく、比較的シンプルな設備によって海底表層だけを削り取る露天掘りでも余裕で採算が取れるレベルでの資源採掘が可能であった。
これは先述の油田などでも同様で、比較的浅い海底域での採掘であれば今の日本企業が有する海底油田プラットフォーム技術でも十分採掘可能との見積もりが建てられている。
しかし現政権はこれらの発見に関し、今の時点では各何の手も付ける予定もないとの声明を出していて、資源・エネルギー業界関係筋のみならず国民の間からも失望の声が広がっていた。
その理由として、やはり現政権としては海底資源問題に関しては中韓など周辺関係国を刺激したくないとの思惑があるとされていた。
そうした現政権の思惑をよそに、日本自立党は堂々と海底資源・エネルギーの採掘による財源化、政府歳入の大幅増による財政再建を謳っており、これが国民に対して大きなアピールポイントとなっている事は明白だった。
基本的に自立党は中道右派の政策を採っており、安保体制の容認など親米保守ではあるがアメリカとも対等に接すべきとの立場で日米地位協定の改定も進めるべきとの考えを提示している。そして中朝韓露などの日本に対立的な近隣諸国に対しては毅然とした対応を採ると新條が明言していた。
これは、この春に発生した北朝鮮によるミサイル発射事案や、それに対して優柔不断どころか日本に対して敵対的ですらある韓国政府の対応も大きく影響している。
そうした政策路線に従えば、日本の領海や排他的経済水域に属する海底資源を日本自らが採掘するのに何の問題もないと捉えるのは当然であった。
これに絡んで同様に安全保障体制の強化も謳っていて、特に新條は航空宇宙防衛体制の充実を提言していた。
具体的には航空戦力及び対ミサイル防衛体制の拡充、更には宇宙防衛にまで踏み込んで自衛隊に”宇宙作戦群”を新たに設置し、将来的には”航宙自衛隊”の設立も検討されるとしている。
この件に関しては、この8月末に発生した「月軌道アノマリー」に対する中長期的な対応策という側面もある。
実際、日本でも「月軌道アノマリー」は大きな世間的関心を集めるのみならず、隕石や小惑星の地球衝突(一般的には隕石の月面衝突が原因とされている)に対する恐怖感情を惹起する事になった。
日本政府としても何らかの対策を行うべきとの声が各方面から上がっていて、当面は国内の天文台による星間デブリ観測を強化する事が決まっている。
しかし、防衛関連筋からは観測のみならず迎撃や予防策も講じるべきとして幾つかの具体的方策と共に提言されている。
自立党の公約は、こうした提言を掬い上げたものとなっていた。
更にもう一つ注目された政策として「新産業政策推進」があるが、これは新條による日本自立党結党宣言の直前に幾つかの日本企業によって発表された革新的技術発明の影響が大きかった。
この夏あたりから多くの日本企業が相次いで全く新しい技術発明を発表するようになり、その中には省エネで高出力を発揮する人工筋肉の実用化とその応用による大型二足歩行ロボットの開発だったり、先行品より数百倍もの計算能力と安定性を有する量子チップの発明とスパコンへの応用だとか、新発明の量子太陽電池や人工光合成プラントを用いた洋上発電システムの開発だったりと、一般人の耳目を惹くような発表が幾つもなされていた。
そしてその中で一際注目されていたのが、いわゆる常温核融合による大規模発電システムの発明だった。
核融合は一般的に熱核融合と呼ばれるように、摂氏数億度という超高温状態でのみ発生すると考えられてきた。
しかし常温核融合は文字通り普通の実験室環境である摂氏数十度の範囲で発生するとされる現象で、知られている実験としては重水の中にパラジウムとプラチナの電極を入れて電気分解の要領で電気を流すと、予想以上の発熱量とγ線や中性子線を検出したというものである。
だが後の追試実験では現象の再現が出来ず、結局は単なる誤認だろうとする結論になった。
それでも多くの国で幾つもの研究所や大学が細々ながら「凝集系核科学」と定義して研究が行われ続けていた。
その間にも誤認ではない有意な実験結果が幾つも報告されてきたが、確実性と安定性に欠けるとして殆ど注目される事はなかった。
しかし衆議院選の直前に、四菱重工と豊洲自動車が共同で開発した常温核融合システム技術が発表された。
これが大々的に注目された理由は、これが一般的な火力発電に近いレベルで非常に効率的な熱エネルギー抽出が可能になったという事と、それをすぐに発電システムに転用可能であるという点にある。
また、その技術の応用としていわゆる核廃棄物を核転換して無害で安全な物質に置き換えるという核廃棄物処理プロジェクトも同時に発表された。
具体的にはセシウムをプラセオジムに、ストロンチウムをモリブデンに、プルトニウムを鉄へと変換するなどして、今でも広範に汚染されたままの福島第一原発周辺地域の恒久的な除染を行う事を目標としている。
これらの発表について当初は世間的にも疑念の声があったものの、ほぼ同時に世界各地の有名大学による追試成功報告が発表されると共に掻き消えていった。
ただ現時点では、その企業側提案に対して手を挙げる電力会社はほぼ皆無だった。
しかし、日本自立党による政策提言にはこうした常温核融合による発電システムについて、行政として積極的に商用実用化及び大手電力会社との提携支援に乗り出すと明言していた。
その代わり、旧来の原発自体は核廃棄物処理プロジェクトと並行して順次運用停止・解体を行い、常温核融合発電機への転換を行うとしている。
もちろん他の革新的技術発明の実用化においても、自立党は積極的な支援と規制緩和を行う旨を提案していた。
こうした政策公約は他の党に対しても先駆けるものであり、この発表の後で他の党も相次いで便乗するかのように似たような選挙公約を発表していたものの、自立党と新條による政策発表のインパクトは十分なアドバンテージを保ち続けていた。
宇部政権側も、当初はこうした動きに対して静観の構えを維持していた。
だが、このような革新的な選挙公約が衆目と人気を集めるに従って、民自党内において当初は新條の誘いに乗らなかったが未だにくすぶっている議員達の更なる離反を招くのではないかとの警戒感から、表向きは自立党と似たような選挙公約を改めて掲げ直すと共に、水面下では衆院選後に自立党への提携を模索するようになっていった。
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9月28日、衆議院は予定通り解散。
そして10月10日に公示がなされ、そのまま大きな混乱もなく10月22日に本投票が行われた。
今回の投票は公職選挙法が改正された事によって18歳以上に選挙権年齢が引き下げられた事もあり、投票率は小選挙区及び比例区において72.68%と、前回の総選挙よりも約38%も上昇していた。
これは、前回の投票率が歴代衆院選で最低を記録していたというのもあるが、今回新たに結党された日本自立党が台風の目となって無党派層を多く引きつけたとする見方が強かった。
当然ながらTVでも選挙特別番組を拡大して放送するなど白熱した選挙報道が行われていて高い視聴率を記録し、ネット上でもDaphnia社が提供するSNSのPangeaを含めて活発な配信や議論が交わされていた。
「バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!!」
選挙スタッフや後援者達が快哉を上げる声によって会場内がこだまする中で、新條がTVリポーターからのインタビューを受けていた。
「大躍進となりましたが、お気持ちは如何でしょうか?」
「はい、我が党と候補者の方々にご投票頂いた有権者の皆さんに、大変深く感謝しております!」
「今回は獲得議席数が実に184と、民自党議席の155を大きく上回りました。
これについてはどうお考えですか?」
「はい、我が党の公約が多くの有権者の方々へ響いたのだと自負しております」
「これで事実上の第一党となったわけですが、今後はどのようにするお考えでしょうか?」
「はい、確かに衆議院では第一党とさせて頂く事が出来ましたが、参議院では依然として民自党が多数ですので、今後は政権に対してどのようにコミット出来るかを検討する所存であります」
新條が指摘する通り、衆議院では自立党の大勝となったが参議院では民自党優勢であり、また自立党単独で政権を執るには議席数が全然届かないのは分かり切った事だった。
しかし民自党側も今回は擁立した候補者の半数が落ち、議席数も公示前の284議席から129議席も落とすという事実上の惨敗状態となっていた。
この状況を重く受け止めた民自党側は、早々に自立党との連立について動き出す事になった。
最早なり振り構わぬとばかりの民自党の動きに政府関係筋の間からは苦笑が漏れるものの、もし自立党が野党側との連立を図る事になれば野党全ての102議席を合わせて政権奪取も不可能ではなく、慌てるのも無理はないとも思われた。
しかし、事実上のキャスティングボードを握る自立党としては党政策が完全に対立する野党と連立を組むつもりはさらさら無く、幾ばくかの駆け引きの後に野党サイドからの秋波を振った新條が本格的に民自党との連立内閣へ向けて交渉に臨む事となった。
自立党から民自党へ提示された連立内閣への条件として、現時点まで連立を組んでいた公盟党との関係を解消する事、また党方針や公約の違いに対して自立党にある程度有利な条件で擦り合わせを行う事、そしてこれから行われる195回国会での内閣総理大臣指名選挙において新條を総理に指名する事が挙げられた。
この最後の項目に関しては、さすがに民自党内でも異論が噴出したものの、結局は”今回だけ”という内部了承を経て自立党の条件を呑む事となった。
11月1日の195回国会会期初日、午前の閣議で第三次宇部改造内閣が総辞職を行い、引き続いて召集された衆参両院本会議での指名選挙において衆議院議員の新條龍雄氏が第98代内閣総理大臣に指名された。
新條は直ちに組閣を行い、皇居での親任式及び認証式を経て、第一次新條内閣が正式に発足した。
民自党と交わした条件の通りに、公盟党を連立から外して事実上の二大政党による連立となった。
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『新條議員、おめでとうございます。
あら、もう新條”総理”でしたね』
「はっははは、いや、どうも」
少しからかい気味にお祝いの言葉を述べるオクウミを、空中にポップアップした立体映像越しに見つめた新條が苦笑した。
『これで私達の『レイウァ計画』が、より大きく先に踏み出す事が出来ますね』
「そうだな、まぁどれもこれも全てアンタ達のバックアップがあってこそだよ。本当に感謝している。
しかしまさか俺も、こんなにも早く自身の野望が叶っちまうなんて思っても見なかったぜ」
頭をガシガシと掻いた新條が再び苦笑する。
そこへ、傍に控えていた菅原が首を横に振った。
菅原は今回の衆院選で自立党議員として当選し、そのまま首相補佐官に任命されている。
「私は、新條さんが自らの力で総理の座をもぎ取ったと思っていますよ。これは当然の結果です」
菅原は眼鏡を光らせながらそう諭した。
「そうか、まぁそう言ってくれるなら有り難い事だ。
で、今後の方策なんだが…」
と、そこまで言ってから新條はふと部屋の周りを見回した。
「大丈夫です。ここは入念に”除染”済みです」
菅原がそう告げると、またも新條が苦笑した。
「あぁそうだったな。つい癖でな。
どうだ見えるか?ここは首相官邸でも特に機密性の高い部屋でだな、歴代首相もここで密談をしたそうだ。
そして俺が来たからには、ここを『レイウァ計画』の日本政府サイドにおける中枢に据える予定だ。
これでようやく、本格的に政治改革が出来るぜ」
新條が手を広げると、立体映像のオクウミが少しばかり首を巡らすようにしてから頷いた。
『ええ、確かに立派な部屋ですね。
『ラライ・システム』の”腕”端末をそちらのお部屋にお繋ぎするようにしておきますが如何ですか?』
「おう、やってくれ」
元々は古代において関東地方全域の空を守護していた”防衛免疫システム”だった『ラライ・システム』は、現在では多摩地方上空を中心にそのネットワークを再拡充しているのだが、”腕”の一部を都心にある首相官邸にまで伸ばすことなど造作もない事だった。
『了解しました。
それでは、これからの新條総理のご活躍を期待しております』
「ああ、今後とも宜しく頼むぜ」
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195回国会はその後も一ヶ月ほど会期を延ばしつつ様々な政治懸案についての質疑及び法案整備がなされた。
まず新條総理の所信表明演説を行ってから、緊急事案である北朝鮮の軍事挑発行為に対する抗議及び具体的対策討議、また「月軌道アノマリー」を契機とする宇宙問題対策検討会議の発足やそれに関連する宇宙開発基本法の改定、それと今上陛下の御退位及び次代天皇陛下の御即位日が決定されるなど、多くの重要な案件が決定された。
そしてその中には、経済産業省の南野が率いる通商政策局と経済産業政策局のジョイントワーキンググループを正式に独立行政法人「ブレイクスルー推進機構」へと昇格させたり、そこに繋がる特殊法人「貿易振興研究センター」を設立させる事も含まれている。
これにより南野や暮林達がようやく本格的にフリーハンドで表立った活動が出来るようになった。
また「貿易振興研究センター」の方において、”帝国”との間で輸出入される物資の全てを管理統率させる事が可能となった。
もちろんこれらを担うスタッフ達は、内調の尼崎達『ミヨイ』チームによる”洗い出し”を済ませた有能かつ身辺潔白な人材で構成されていて、その内でも特に信頼性が高い人間には”帝国”情報が解禁されている。
また、防衛省にいる茅嶋が率いる内部組織『タミアラ』チームへも、やはり今後はフリーハンドで活動可能にするための様々な権限を与えるよう取り計らった。
組織の性格上極秘状態にしておかないとならないので表立った組織改編は難しいが、それでも内閣を通じた様々な支援が表向き中朝韓露のような対立国への防衛施策という名目で結実する事となった。
また、直接的な”機関”への防衛手段の研究開発と運用については、今期で設立が閣議決定した自衛隊の「宇宙作戦群」や「サイバー作戦群」に委任される事となる。
総務省の支倉に対する支援も同様だった。
そもそも支倉が関わる”帝国”移民関連業務は住基ネットの書き換えなど他部署を広範に横断する性質のものであり、表向きはそうした個々の部門でのバックアップに留まるものとはなるが、例えば傘下の地方公共団体情報システム機構において機能を拡張しつつ内部スタッフの”有志”を増やす等の対応を取る事となった。
しばらく後において入念な準備を行なってから設立される「デジタル庁」内において、これら煩雑な業務を一手に引き受ける部署が立ち上がる事によって、ようやく支倉の肩の荷が(多少は)下りる事になる。
様々な国内政策を同時並行で進めながら、新條はアメリカからのある訪問客を出迎える準備を進めていた。
「やれやれ、さっそく本丸との勝負となるか。
しくじらねぇように、入念に手を打たないとな」
アメリカのトラップ大統領が直々に日本を訪問する予定日は11月5日、新條の総理就任からたった4日後の事だった。
長らくお待たせしました。
別作品の方で時間を取られていたというのと、多忙もありまして投稿がなかなか出来ませんでした。
今後もスローペース投稿にはなるとは思いますが、末長く宜しくお願いします。




