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そろそろ主人公の名前を決めなきゃ(使命感
…知らない天井だ。いや知ってた。いやどっちなんだと1人でツッコミを入れつつ上体を起こす。
ベットだ。本当に拾われたらしい。しかも食欲をそそる香りが向こうから漂う。嗅ぐと思わず腹が鳴る。…人間は食欲に勝てないのだ。
立ち上がれば何か催眠にでもかかったように、マリオネットで操られたかのように香りの元へ向かう。
寝ぼけ眼で向かった先にいたのは
「お、起きたか」
茶髪ロングの美女だった。その長い髪をガシガシと荒っぽく掻きながら申し訳なさそうに彼女言った。
「あー、ウチは独り暮らしだからあんまし豪華なもんは出せねーのよ、先に謝っとく。」
まあ座れよと言った感じで促され、席に座るとシチューによく似たスープが食卓に並ぶ。
「料理を習っておくんだったなー、今度シャルルに頼みこんでみっか」
一瞬ポイズンクッキングを覚悟した。そういうの本当にやめてほしい。
「あ、味見はしたから大丈夫、ある程度の味は保証するって!」
まあ空腹には勝てずにスープをすする。
…牛乳の代わりに水で作ったシチュー。まともに食べられるだけ感謝しよう。
彼女のことはおいおい聞くとしてまずは空腹を満たしておこう…