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雷鳴で目が覚めた。土砂降りの雨が降っている。雷鳴が轟き、断続的に世界を照らした。
その轟音をよそに馬車は駆けていく。
「ここから崖沿いの道を伝って降りる!ここを降りればエルニーナの街道と合流する!今回のブツは海鮮物が多い!鮮度が命だ!急ぐぞお前ら!」
道はぬかるんでいるにも関わらず一味は馬車の速度を落とさない。
雷雨の中、崖沿いの曲がり道を駆け抜けようとした時、それは起こった。
速度を落とさないのが仇となり、馬車が滑ってカーブを曲がり切れない。慣性に従い、馬車は道から外れる。
馬車が落ちる。崖下は少なくとも20メートルはある。俺はまだ死にたくない。ここから逃げたい。止まってくれと祈った。
一瞬の出来事だった。力の限り目をつむり、渾身の祈りを捧げた次の瞬間、
全てが止まった。