第5話 迷宮
「皆様には今からダンジョンに行ってもらいます」
翌日の昼頃、シルヴィアから号令が掛かった。
「ダンジョンとは簡単に言えば魔物のいる迷路みたいなものですね。奥に行けば行くほど魔物も強くな り、強力なアイテムなども手に入ります。そして各階層にはフロアボスと言って、通常の魔物より強力な魔物が次の階層へとつながる道に立ちふさがっております。」
まぁ、うんテンプレだな。よくゲームに有りそうな感じだ。
「それから、ダンジョンには様々な種類があり、今回皆様に行っていただくのは階層が5階層しかない初心者向けのダンジョンです。ただし、くれぐれも油断はしないでください。ダンジョンは未知の空間ですので何があるか分かりません。そのため思わぬ事故にあって最悪、全員命を落とすというお話はよく耳にします」
えっ! そんなに危ないのか……。
「侮らず、全員無事に戻ってきてくださいね。それでは、何か質問はございます か?」
すると長谷川がゲスな笑みを浮かべながらこう質問した。
「シルヴィアさん、この無能な神崎くんも連れていくんですか?」
そんなに俺を無能って言いたいの? 暇なのか?
「カンザキ様も勇者の一員、たとえ戦えなくともい い経験にはなるのではないでしょうか?」
「ハハハハッ、神崎くん、君はシルヴィアさんからも無能って認められちゃったね!」
「………」
「無視しないでよ、神崎くんッ」
そう言って長谷川は俺の腹を殴る。
肺から一瞬にして空気が抜け出て呼吸が出来なくなる。
「ぐはッ!」
またもや俺は宙を舞い、クラスメイトに嘲笑される。
そのまま俺は無様に地面に倒れこんだ。
「痛ぇ」
俺は痛みを我慢して立ち上がる
「悠斗くん……」
そこでシルヴィアから号令が言い渡された。
「出発は一時間後です。それまで各自準備をしてください。武器などはここに置いておきますのでご自由におとりください。足りない物があればその都度わたくしに言っていただければご用意致します。それでは解散してください」
俺達は準備を開始した。
◆ ◇ ◆
一時間後、俺たちは先程と同じ部屋に集まっていた。
「皆様お揃いですね、それでは行きます! 転移!」
そう言うとシルヴィアは透明なクリスタルを取り出し、そう叫ぶ。
すると俺の目の前が白く暗転し、俺たちはダンジョンへ転移した。
◆ ◇ ◆
「グァァアア!」
「安心して、一瞬で終わるからね!」
「ギャァァアア!」
そう言うと長谷川は華麗な剣技でどんどん敵を蹴散らしていく
「セイッ!」
「ガァァァァ!」
澪華も同じく、華麗な演舞のように、槍を振り回し、敵を蹴散らしていく。
……えっ? 俺は何してるかって?
本当に何もしてないよ。悪いか?
そんなこんなで俺には何が出来るだろうと考えを巡らせていると、何時の間にかボス部屋に着いていた。
ボス戦を前にシルヴィアから声が掛かる
「皆様、ここのボスは『リザードマンキング』と言い、リザードマンの上位派生です。通常のリザードマンより知能が高いので注意してください」
「わかりました。みんな、行くぞ!」
「「「オオオッ」」」
そう言うと長谷川はボス部屋のドアを開いた。
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