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第1話 転移

 どうも、神崎 悠斗17才だ。

 好きな食べ物はカレー。

 嫌いな食べ物は不味い物全般。

 得意科目は体育。

 最近はまっているのは古本屋でのバイト。


 ん? どうして今になって自己紹介しているかって? 


 そりゃ教室でゲームしてたらクラス全員大聖堂見たいなところに連れてこられたんだ、現状確認くらきしたくなるだろ。


 もはや空虚な笑い声しか出てこないよ、ははは。


 周りを見渡して見ると男子たちが呆けた表情している。なにがあったんだろう? まあ、いいか。


「ようこそおいでくださいました異界の勇者様方! 私はこの国の第一王女シルヴィア・ヴァージニア。私たちヴァージニア王国はあなた方を歓迎します」



 そうか…………。






 っしゃああああああああああ!






 俺は心の中で思いっきりガッツポーズをとった。

  だって本当の異世界だよ?

 しかも勇者だぜ?

 これチートフラグたっただろ!

 さて、俺は何チートなんだ?


 と俺は内心フィーバーだった。


 ざわざわと静まる気配のない俺たちを宥めながら話を続けるシルヴィア王女。


「どうかご静聴ください。この国は今魔族を率いる魔王の手によって危機にさらされています。勇者様方、その巨大な力を私たちにお貸しください! お願いします!」


 すると一人の少年が立ち上がった。


「わかっています。詳しいことは神様から聞きました」


 今立ち上がったのは長谷川 智也。イケメンだ。このイケメンはクラスのリーダー的存在である。

 全く主人公気質なイケメンだ。


「僕達は神様からギフトという強大な力をもらっているんですよね? そう聞いていますがそれで大丈夫ですか?」


 えっ? そうなの? 聞いてないが? 


「はい。ステータスと念じれば確認できるはずです」


「わかりました。みんな、確認してみてくれ」


 それじゃやってみるか。


「『ステータス』」




 ◆     ◇     ◆




 《神崎悠斗》

 種族:人族

 性別:男

 職業:???(勇者)

 年齢:17

 レベル:1

 魔力:100

 攻撃力:50

 防御力:50

 俊敏力:50

 運:100

 魅力:100

 《ユニークスキル》

 《スキル》

 《魔法》

 《称号》

 異界から来し者

 ?外?の?




 ◆     ◇     ◆




 青白く光るプレートにはそう書いてあった。


「は?」


 あれ? 見間違いかな?


「再起動!」


 と言ってもう一度開いてみる。……無駄に高性能だな。


 おかしいぞ? バグってんのか?

 何でスキルが一個もないんだよ!

 しかもなんか文字化けしてるし、何これ?


「わっ! 職業が魔法使いになってる!」

「ステータスがレベル1で平均500って強いの?」


「はい、通常の人達の平均がレベル5で100くらいです」


 マジで? ステータスさえも弱いの?

 うわぁ~、へこむわぁ~。


 俺が思いっきりへこんでいると、シルヴィアからみんなに声が掛かった。


「皆さま方、私の父、この国の王が謁見を望んでいます。私に付いてきてください。謁見の間まで案内します」


 ここで国王登場か、どんな人なんだろう?


 そんなことを考えながらシルヴィアについていくと、大聖堂を抜けとてつもなく大きい広場のようなところに着いた。


「ここが謁見の間です。皆さま、どうかお静かに」


 ドアを開けるとそこには豪華な椅子に座ったとても大柄な男性がいた。周りには王子や皇后、大臣のような人もみられる。


 真ん中にはレッドカーペットがひかれまさに豪華絢爛と言う感じの大部屋だった。


「よくぞ来てくれた、異世界の勇者達よ。私はヴァージニア王国の国王をしているイヴァン・ヴァージニアだ。この国を代表してあなた方を歓迎しよう」


 そう言うと国王イヴァンはイスから立ち上がり腕を広げた。

 イヴァンはブロンドの金髪に堀の深い顔立ちをしており、とてもダンディーな男性だった。


「突然で済まないが今、この国は魔族を率いる魔王によって危機にさらされている。どうかその強大な力を私達にお貸しいただけないだろうか?」


 そう言ってイヴァンは頭を下げた。横にいた大臣のような人々がそれを止めようとするがイヴァンは手で制している。


 周りを見ると澪華が手を挙げているのが目に入った。


「国王様、失礼ながら質問、よろしいでしょうか?」


 イヴァンは鷹揚に頷きこう答える。


「私に答えられる事ならば全て答えよう」


「では失礼します、共存は可能なのでしょうか?」


 するとイヴァンは苦い顔をして重々しげに言い放った


「無理だ、奴らは我々人族を見下しておる。共存は不可能だ」


「そうですか……」


 すると澪華は美麗な顔を悲惨に歪ませた。


 殺し合いは嫌だよな、そりゃ。


 それはそうと相手を一方的に非難するのは自覚有り無しに関わらず油断ならないな。頭に置いておこう。


 少し空気が重くなったにも関わらず、長谷川が立ち上がり言い放った。


「わかりました、僕達に出来ることであれば手伝いましょう」


 澪華は思いっきり驚いた顔になる。


「何を言っているの長谷川くん!」


 澪華に咎められているにも関わらず長谷川はさも当然という表情で話を続ける。


「僕達にはこの国を守る力があってこの国の人達が助けを求めてる。なら話は簡単だ、助けてあげればいい」


 これには流石に俺も愕然とした。こいつは余りにもバカ過ぎる。


「それにこの国を助ければ何か報酬があるんですよね?」


「はい、成し遂げてくれればこの国が用意できるものなら全て用意します」


 その事を聞いた瞬間クラスの雰囲気が変わった。


「マジか! 豪華な暮らしができるのか!」

「やった~」

「これでハーレムを作れる!」

「それに私たちみんな強いんでしょ!」


 あれ? 最後の二つ聞き間違いだよね?



「よしっ、それじゃ皆この国を助けるってことでいいね!」



「「「オオオオッ!」」」






 ……バカかこいつら…………。




 

澪華の読み方はレイカです。


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