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あいろこいろ  作者: カラクリカラクリ
本編
91/104

090

伽羅が初めて露草と話をしたのは、あの声を受け入れてすぐだった。

姿を見たことだけはあった。

そう高くない身長も、人を近付けないような壁も、伽羅にはそうかと映っただけだったけれど、ただその柔らかそうな髪が多分伽羅の目を惹かれたんだと思う。

思えばなんと皮肉な巡り会わせだったんだろう。

声を受け入れた反応にうずくまっていた伽羅に、露草が声をかけて来たのだから。


「ちょっと、あんた。そんなとこにいると邪魔なんだけど」


ぼんやりと見上げると、柔らかそうな髪に光が照り返していた。


「なに? 気分悪いの? 全く。体調管理くらい自分でしなよね。あんた、スポーツマンだろ」

「え?」

「なんだよ。僕が、表彰されるような人間を覚えてないとでも思うわけ?」


そう言ってから、露草は嫌そうに眉を顰める。


「あぁ。あんたは僕のこと知らないから当然か。露草。クラスメイトって概念があるなら、クラスメイトだよ」



それから良く話すようになって、冗談も言えるようになったのに。


『私はね、私を消滅させようとしてるやつと戦って勝たないといけないの』

「勝つって何?」

『私はね、人間の運や夢を食べて強くなるの。だから、沢山の餌を得て、強くなればそいつを見つけて、食べられるの。その前にやられるわけにはいかないのよ』

「見つける?」

『私が貴女に住まわせてもらったみたいに、そいつも誰かに住んでるの。その誰かの運や夢を、私が食べるために貴女に手伝って欲しいの』

「あんたが来たからだ。だから、あたし、露チャンが消える手伝いなんかしなくちゃいけない。あんたが来なかったら!」


少女を睨んで、伽羅は感情のままに叫ぶ。


「だから、だからせめて。あの男の次は露チャンじゃなく、あんたよ!」


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