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「自分の弱さを、人のせいにしないでくれますか」
露草との間に立つ少女が、ナイフのような言葉を放つ。
名前も知らない。
露草と一緒に居たところも見た覚えがないのに。
「なんなのさ、あんた」
兎耳の生えた少女。
伽羅がそれを見たのは、本当に偶然だった。
図書室へと向かう四階の渡り廊下。
何とはなしに中庭に眼をやると、有名なメンバーが顔を揃えていた。
生徒会長に、番長と噂される男に、その取り巻き、そして風紀委員長。
取り巻きの繰り出した拳のあおりを受けて落ちた少女の帽子の下から、見えたものに伽羅は驚いたのだ。
『みつけた』
「え?」
『協力、よろしくね』
頭の中の声が高く笑ったのはその時。
酒にでも酔えば、こんな感じになるのかと思うくらい。
それはがんがんと頭に響いた。




