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びりっと唐突に走ったのは電気だったのか。
「!?」
反射的に露草は腕を振り払っていた。
振り返った先で、飛びのいた伽羅が酷く驚いたように目を見開く。
「嘘…」
「伽羅?」
ぐらりと身体が揺れて、露草は知らず膝をついていた。
呆然とした伽羅は動かない。
視線の端で、鈍が足を踏み出す。
「ちょ、あんた、何するつもりだよ!」
身体が動かない。
鈍の足は露草を無視して、伽羅に近づいた。
「伽羅!」
突然ぐいと腕を引かれて、力が入らない露草は、そのまま勢いにつられるように引きずられる。
「な、」
「露草っ」
今にも泣きそうな蘇芳が其処にいた。
「な、何してるのさ!」
「大丈夫ですか!? どこも」
「離しなよ! 僕のことは良いよ!」
自分の身体が動かない苛立ちを、ぶつけるなんて情けないと思いながらも、露草は感情のままに今にも喧嘩を始めてしまいそうな勢いで口を開く。
「だから、あいつを!」




