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あいろこいろ  作者: カラクリカラクリ
本編
77/104

076


学校内の一体どこが密談に向いているのだろう。

転校生の蘇芳は勿論、露草もそう言ったことには詳しくなくて、見兼ねた鴇が、良かったら生徒会室の横の応接室を使ってくれたまえ、と助け舟を出してくれた。


「幸いに、他の役員はこれからの時間は授業だからね。多分、誰もいないと思う。それに、あそこの鍵は、私しか持っていないんだ」


鴇がポケットから取り出した鍵には、妙な顔をしたマスコットがついていていて、ゆらゆらと揺れる。


「さて、私は同席しない方が良いだろうね」

「いえ。できれば一緒に来てください」

「でも、いいのかい?」


ちらりと鴇が投げた視線に、けれど露草は表立って反論することなく、何でも良いから早く行くよ、と廊下を足早に進んで行く。


「あの、」

「ん?」


露草の少し後ろをついていく形になった蘇芳は、こそっと鴇に声をかけた。


「鈍さんは」

「あぁ。海松をね」

「みる?」

「ほら、鈍に付き従ってる口の悪い嫌なやつがいただろう?」

「あ、もと番長さんですか?」


蘇芳の言葉に鴇はちいさく笑う。


「まあ、のしたままあそこに置いておくわけにも行かないからね。保健室に運ぶように言っておいたんだ」


その言葉に、蘇芳はふと自分がのした二人組を思い出した。

だれか、見つけてくれただろうか。

あの廊下は、人通りが少なくはないと思うのだが。


「どうかしたかい?」

「いえ」


いつの間にか辿りついていた応接室前で、道を譲った露草の前に立って、鴇が鍵を回した。

かちりと、響くように鳴った錠の開く音に、蘇芳は何故かぶるりと身震いする。

何か、忘れている気がするのに、蘇芳はそれが何かを掴むことができなかった。

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