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先ほどから不機嫌さを増していた露草が、木路蝋の話の継ぎ目を狙って、思い切りまくし立てる。
「それで、あんたはいつから隠してたんだよ? 僕や蘇芳は良いように踊らされて道化役を務めてたってわけ?」
「それは違うって。だって、あたしたち以外、多分知らないもの。これ」
いつの間ににらみ合いを終えたのか、尾花があっさりと答えて同意を求めるように木路蝋を見遣った。
「私達、とは誰を指すんですか」
「一人、二人、三人、と四人」
堅い口調の蘇芳に気づかないように、尾花は木賊、十文、木路蝋の順に指を指して、それから最後に自分を示す。
「木路蝋さん、面倒くさがらないで説明してください。このままだと何がなんなのか」
「本当だよ。説明するつもりで、僕らを連れてきたんじゃないわけ? 勿体ぶらないでよ」
口ぐちに言い募る蘇芳と露草に、木路蝋は少しだけ目を細めると、ぴたりと指を伸ばした。
「だったら。先に最後まで読め」
木路蝋が示すのは、例の和綴じ。
慌ててページを捲ると、露草が覗き込んだ。




