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蘇芳と待ち合わている校門に背中を預け、露草はちらちらした人の流れを見ながら、僅かに目を細めた。
『強くなりたい』と蘇芳が言った
。飛び越えて木路蝋に行くのではなく、始めから露草に告げた蘇芳に意志を感じたから、否定はできなかった。
本音を言えば、露草は蘇芳に強くなって欲しいとは望まない。
けれど、自衛の意志は尊重したいのだ。
極めて危険な賭けではある。
ただ、護られたくはないというのは、露草の勝手な我が儘にすぎないことも解っているのだ。
「(強くなりたい、は僕の台詞だよ)」
自嘲気味に口の中で呟いて、露草は携帯電話を握りしめた。




