『 Love book and Memorys.- 恋の本と思い出達- 』
────あの日、誓った事。覚えてるかな?あの日約束した事、忘れてないかな?君は未だ、彼処に居るかな?
交わした約束も、愛の言葉も、本の中に仕舞い込んで、忘れずに居られると、良いのにな。────
◆◇◆◇
そよそよと、春という季節に相応しいと感じられるそよ風が、外に吹き渡っていた。その風が既に、
春の訪れを示している様で。その風の音と、鳥のさえずる声で、私は目を覚ました。
うーん。と一つ伸びをして未だに私の脳内に纏わり付いてくる睡魔を払った。程良く目が覚める。
私は続いてベッドから降りて、自分の部屋の窓の方へと向かう。掛かっているカーテンを両手で掴んで横に引っ張った。
カーテンは音を響かせ乍開いていく。と同時に視界が晴れた。朝の眩しい日差しが目を刺激する。
その眩しさに思わず目を閉じたくなってしまうが、何とか耐える事にしよう。
『 沙羅ー。起きたのー?朝食出来たから降りてきなさーい。 』 一階から母親が呼んでいる。
『 はーい。 』と、一応返事は返しておこう。───自己紹介をする前に母親に自分の名前を
呼ばれてしまいしたが、私の名前は堤 沙羅。今日から霧雨高校。という高校に入学する一年生です。
◆◇◆◇
パタパタと階段を降りて、先ず向かうのは洗面所。うん、やっぱり寝癖が…。癖毛なのも有るんでしょうけど。
蛇口を捻ると、透明の水が蛇口からシャーという音を立てて流れ出す。その水を両手に掬って自分の顔に掛ける。
洗顔はちゃんとしないと肌が荒れるという物ですから、ね。一応でも女なので、気を遣うんです。
寝癖の付いた長い髪は一先ず、ブラシやドライヤー何かを使って何とかしちゃいましょう。
髪を整えて、顔を洗い、眠気もばっちり覚めた私はリビングに入って吃驚。何ともまぁ珍しい、
母親がどうやら自分で朝食を作ってくれた様です。何時もなら菓子パンの袋と牛乳の入ったコップが
テーブルの上に置かれている。けれど、今日の朝食は珍しくご飯なのでした。何だろう、何か複雑。
…作ってくれたのは良いんですけど、小食な私に朝からご飯とは…嫌味か、嫌味なんですかお母さん。
その他には鮭に味噌汁。なんて普通の朝食なんでしょう。然し之すら私には酷!!酷なんですよえぇ…。
親の心、子知らず。とはいう物ですが、案外存外親も子供の心知らないのでは?何て思う今日此の頃。
おっとっと、いけません。こんなにノンビリとしていては学校に遅刻してしまいますね。厭逸、入学式に
遅れて体育館に後から独りで、『 遅れてすいません。 』なんて、私羞恥で死ねちゃいますよ。
◆◇◆◇
そんなこんなで朝食を無事食べ終えた私。…厭ですね、母親が何かこっちを凝視してくるんですよ!!
残せる訳ないじゃないですか!!御陰で今少しだけ、少しだけ気分が悪かったりしますが…。
では、徐々登校するとしましょうか。今日は入学式を終えたら帰宅なので荷物は少ないんです。
小柄な私でも何の苦もなく鞄を持つ事が出来る位に。…嗚呼、もう少し身長欲しいなぁ…。
鞄を小脇に抱えて向かうのは玄関。少し後を母親がついて来ます。見送るつもりなのでしょう。
『 行ってらっしゃい。気をつけてね? 』なんて、微笑みを携え乍述べる母親。
…心外。非常に心外。私だってもう高校生なんだから、心配なんてされなくても…。なんてね。
『 大丈夫だよ。それじゃ、行ってきまーす。 』そう母親に云って、玄関の扉のドアノブを捻ります。
ガチャリと言う効果音と共に扉を開けると、其処に広がるのは満天の青空でした。…本当に、良い朝。
と、静かな声音で呟いて、開いた扉を閉めて、さぁいざ、登校です!!




